見出し画像

【売れるマーケ】事例研究・生き残った米穀店。

今回は、ある米穀店の事例から、
繁盛戦略を探ってみます。

積極的かつきめ細かな販促策で、
売り上げを飛躍的に向上させています。

おぜき米穀店(仮称)は、
三代目店主を含む家族3人で切り盛りしています。

取扱商品は、米95%、灯油5%。
お米の販売先は、一般家庭30%、飲食店40%、
スーパー30%となっています。

お店の立地は悪く、店舗も古く、駐車場もありません。

経営状態も年々下降線。

そこへ、大手スーパーの進出が決まりました。

その大手スーパーに、お米の取り扱いを営業するものの、
大手ゆえに、すでに決まったルートがあり、
入り込めませんでした。

悪いことに、
これまで納入していた中規模スーパーの閉店が決まり、
お米販売の20%がなくなろうとしています。

それだけではありません。

当然、大手スーパーへのお客さまの流出も考えられます。

店主は、慌てました。

これまで特別な販促策を講じることもなく、
昔からの商売を続けてきただけだったのです。

このままでは、近い将来、
お手上げになることは眼に見えています。

そこで、重い腰を上げ、積極的に動き出しました。

まずは、
各種交流会や勉強会に出かけることから始めました。

さまざまな業種の経営者やコンサルタントと出逢い、
経営的なモノの見方、お客さまの集め方、
売り方などを勉強していきます。

この姿勢が大切です。

焦るあまり、
すぐに効果の上がるような方法を探してしまいますが、
そんな手立ては簡単には見つかりません。

日頃から、情報を収集して、
勉強をしている人であって初めて、
“ひらめく”ものがあるのです。

まずは、切羽詰まった状態まで
放って置かないことが第一ですが。

幸い、おぜき米穀店の店主は、
最悪の状態になる前に動き出したことで、
多少なりとも明るい光が見えてきたのです。

そして、次の手立てとして、
これまでの経営方法を見直し、
新しい米穀店の姿を探ります。

出てきた策は、『個人客重視への戦略転換』でした。

これからの食の分野は、こだわりを持つ人が増えるので、
「米のことを教えてくれる米屋」に人は集まる、
と考えました。

そこで店主は、米へのこだわりをアピールする方法や
イベントなどを企画し、
「ファン(顧客)」を創っていきました。

その策とは……

●お客さまの注文によって、その場で精米する量り売り。
●少量でも、配達すること。
●お米の返品・返金の制度。
●お客さま向け新聞の発行。
●パッケージのデザイン変更。
●料理教室の開催。
●チラシによる、お米情報の提供。
●有機農法の田植えツアー。
●地域の若手米穀店主との勉強会。
●産地とのタイアップによる、オリジナル米づくり。
●料理に合わせて選べる、多種類のお米の用意。

このように、
お客さまの立場に立った販促策を実施することで、
どんどんお客さまが増え、
売り上げも急上昇していきました。

お客さまは、大手スーパーには、
“そこそこ”しか求めません。

個人経営のお店が、きめ細かな策を講じれば、
お客さまは必ずやって来ます。

日本人のお米に対するこだわりは、
非常に強いものがあります。

そこを考えれば、スーパーに勝てます。

大手スーパーでは、
これほど細かな対応は取れませんから。

この米穀店が講じた策は、
他の業種でも実践できることです。

それほど大きな投資をしなくてもできることばかりです。

そのままマネしろ、と言っているのではありません。

ただ、手遅れになる前に動き出して欲しいだけです。

この事例は、あくまで参考です。

この記事が参加している募集

マーケティングの仕事

この経験に学べ

よろしければサポートをお願いします!頂いたサポートは、取材活動に使わせていただきます。