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映画解剖「私はダニエル・ブレイク」(1)

約一ヶ月後にせまるシナリオコンクールに応募しようと思ってるけど良いアイデアが全く出ないので好きな映画を分析して、もう開き直ってその作品をそっくりそのままトレースしちゃおうと思っている。
まだ長編(1時間〜2時間)尺のものを書けた事がないのでまずは完走(書き切る)する事を目標にしたい。
オリジナリティとかそんなのは二の次。まずは一つの物語を書き切ってから作家性だとかテーマだとかを考えていけばいい。うん、多分。

んで、まぁそのためには世の中に数多ある名作を分析してみることから始めましょう!
ということで課題作にケン・ローチ監督の「私はダニエル・ブレイク」に決めて、シーン毎に区切って鑑賞側がどんなエモーションを受けるかを書いていきたい。
それをそっくりそのまま違う設定にすれば一応はドラマたるものができていくはずだ。

「私はダニエル・ブレイク」はイギリスのニューキャッスルで老いた大工ダニエル・ブレイクが心臓病のため政府からの保護を受け取ろうとするが、煩雑な手続きやデジタルオンリーの手続きの弊害に遭い、二歩進んでは三歩下がる様が描かれる映画。
テーマ性としてはデジタルに順応できない、且つ高年齢で将来性が無いとされる人間、言わばいつの間にか社会的弱者になってしまったブルーカラー人種がどのようにサバイブしていくか、そして彼らに対してどれだけ社会が勝手で、生きづらくしているかを描く物語だ。
個人的には終盤で起こる「弱者の一撃」的なシーンが大好きで、映画が起こせるマジックを味わえる作品だと思う。

個人的にも社会に勝手に作られた規範やモラルの中から外れてしまった人を描きたいと思ったのでこの作品を選んだ。
だから最後には「私はダニエル・ブレイク」を観た時と同じような鑑賞感を得てもらえるような脚本を書きたいと思っている。
オリジナリティーは無いかもしれないけど、まぁ最初はなんだって真似事から入るもんでしょう!

シーン毎に区切るので1シーン毎に分析していくと45回にわたる…。
多分いくつかをまとめる時もあるかもしれないし、途中で止める可能性も大いにあるので、その時はその時で。

(1)病院・診療室(昼)00:00〜3:10
主人公ダニエルがカウンセリングを受けている。「病気による支援手当の審査」らしい。
でも質問はあまりにも馬鹿げている。まるでボケた老人にするかのような質問
「誰の助けもなく50m歩ける?」
「目覚ましはセットできる?」
「電気とかのボタンは押せる?」
ダニエルは明らかにイラついてる。彼は心臓病の検診できたつもりなのに、ボケ老人扱い。
つい最近まで普通に大工仕事をしていたし、まだまだ働ける。
ブレイクはユーモアと皮肉の効いた返答で返す。
カウンセラー「簡単な事柄を人に伝えられないことはありますか?」
ダニエル「あるよ。君に心臓が診て欲しいって事が伝わらない」
カウンセラー「我慢できなくなって大便を漏らしてしまった事がありますか?」
ダニエル「ないけど、こんな質問が続けば漏らすかもな」
ダニエル「俺から一つ聞くけど、あんた医療の資格あるの?」

こんな調子で会話の節々にダニエルの怒りと彼のユーモラスで皮肉屋の性格が垣間見える。会話内容の楽しさもあるしダニエルの性格もわかる、同時に社会保障サービスのシステム化された機械的な質問や相手の態度にイライラもする。
三分間だけでダニエルの魅力と、そのダニエルが相対峙する敵の正体とその敵との関係性が分かる。
さすがケン・ローチ。

診ている側の感情は最初のニュートラルな感情からもどかしさを含む怒りに変わる。なので自分もまず(1)は「怒」から始めたい。
見ている人にまずはイライラしてもらいたい、同時に主人公の魅力もちょい出しする
ここも思いつかなかったら「私はダニエル・ブレイク」にならってユーモラスな皮肉屋にしても良いかもしれない。
とことんパクってでも一つの物語を書き切ることには意味がある…はず。

はい、ということで今日はここまで!
こんな感じでゆるりとやってみまーす!

では!!

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