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『苦手な人とのつき合いがラクになる本』を読んだら苦手な人の対処法が分かったの巻き。

●    はじめに

 適応障害と診断され休職中だ、社会復帰に向けてリワークに通所しているのだけど、いろんな人と触れ合う中で「この人苦手だな」と感じることも当然出てくる。そこで今回は「苦手な人と上手に付き合う方法」を対人関係療法専門クリニック院長、水島広子著『苦手な人とのつき合い方がらくになる本』を参考に自分なりにまとめてみたいと思います。


【苦手意識の正体を理解する】

● 「苦手意識とはコントロールできない感じ」である。

 そもそも「苦手意識」はどこから来るのでしょうか?趣味が合わない、挨拶をしても返してくれない、偉そうで好きじゃない、整理的に受け付けない、などなど色んな理由が出てきますが、そんな苦手意識を深掘って行くと根底には「コントロールできない感じ」があるのです。

 例えば酔っ払いが絡んでくるとします、「やめてください!」と言っても話を聞いてくれません、こうした「コントロールできない感じ」が「苦手意識」につながっているんです。

● 人にはそれぞれの「領域」がある。

(それぞれの領域内にいればみんなハッピー)

 前提として、人にはそれぞれありのままでいられる「領域」があります。この領域の中では誰からも指図を受けることはありません。自分らしく、ありのままでいられます。ですが他者と触れ合うと、互いの領域が衝突します。

● 「領域の侵害」がコントロールできない感じの正体。

(私の「領域」に入ってこないで!)

 他者と触れ合うことで互いの領域が衝突し、時には自分の領域に他者の領域が「侵害」してくる場合があります。他者の領域内の事は「自分ではコントロールできない」のでこの状態では「ありのままでいられません」こうして「苦手意識」は生まれるのです。他者の領域の侵害にはいくつかパターンがあるので紹介します。

● 「領域の侵害」のパターン。

《決めつけられる》
 
「あなたって〇〇だよね」みたいに一方的に決めつけられる。

《押しつけられる》
 
「私も我慢してるんだからあなたも我慢しなよ」などと行動を押し付けられる。

《依存される》
 
「私どうしたらいい?」などと一方的に頼ってくる。

《常識が通じない》
 
「遅刻をする」「挨拶を返さない」など自分の「常識」が通用しない。

《やりとりができない》
 
会話が続かない、何を考えているのか分からない。

《心の傷を刺激される》
 
例えば、自分は「コミュ障」だと思っている人が「コミュ力が高い」人を見ると「苦手だな」と思うこと。相手の振る舞いが自分のコンプレックスを刺激している状態。

【苦手意識を受け入れる】

● 「苦手意識」を感じることは自然なこと。

 こうした「苦手意識」を克服するためのファーストステップとして大切なことは、「苦手意識を感じるのは自然なことだ」と受け入れる事です。

 そもそも人はそれぞれ育った環境が違うのですから、価値観が違うのは当然です。好きな食べ物、好きな趣味、みんなバラバラです。ですから、それぞれの領域が重なれば「領域の侵害」が起こるのはごく自然な事なんです。だから苦手意識を感じるのは駄目な事だ、と特別に考える必要もありません。

● 慣れていないだけの「仮の苦手」の場合もある。

 また、苦手意識の中には「慣れていないだけ」の場合もあります。初めは何を考えているか分からなくて苦手だったけど、何回も会ううちに打ち解けて苦手ではなくなった、なんてことはよくあります。なので少し様子をみましよう。それでも「苦手意識」が消えない場合は次のステップに進みます。

【苦手意識をコントロールする】

● 苦手意識を克服するには「スルー力」を身につける。

 コントロールできない感じが苦手意識なのですから、対処法は「コントロールできている感じ」を身につけることです。そのためにはまず前述した「領域の侵害のパターン」を参考に、「あ、今自分の領域に相手が侵害してきてるな」と気づくことが大切です。

 慣れてくると「このくらいの侵害なら大丈夫」「これはダメだ」と判断ができるようになってくるので。「絶対に侵害されたくない」ことが来た時にビシッ!と対処できるようになると、「苦手意識をコントロールできている感じ」をより感じることができます。そうした「相手の領域の侵害」をコントロールする力が「スルー力」になります。

● 「スルー力」とは「相手にも何か事情があると考える力」

 「領域の侵害のパターン」からも分かるように「コントロールできない感じ」は「相手の言動が理解できない」ことから生まれています。ですから、相手の言動の理由が理解できれば腑に落ちて、コントロール感が感じられるようになります

(相手の不可解な言動の理由が腑に落ちた!)

 よく年長者がハメを外した若者を見て「まあ、若いから仕方ないか」と溜飲を下げることがありますが、このように「相手が非常識なのは何か事情があるはずだ」と考えれる力が「スルー力」ってわけです。相手の言動が腑に落ちると、領域の侵害のコントロール感が高まります。

 これは、実際にどんな事情があるのか分からない場合でも「きっとこういう理由なんだろうな」と自分で想像し、納得することができれば大丈夫です。

 「自慢話をしてくる人」は何かコンプレックスを抱えているかもしれませんし、「一方的に決めつけてくる人」は想像力がないのかもしれません、「依存してくる人」は自信がないのかもしれません。このように相手の事情を想像して納得する力が「スルー力」で、これが「苦手な人に対する基本の対処法」になります。さらにいろんな形でスルー力を応用しましょう。

● 「スルー力」を色んな形で応用しよう。

《時が来れば変わるだろうと考える》
 人の性格はすぐに変わることはありません、相手の言動が理解できなくても「世間知らずなだけで、そのうち変わるだろう」と諦めるのも一つの手です。

見たくないものは見なくて良いと考える》
 他人の言動が自分の心の傷を刺激して辛い場合は、無理に見る必要はありません。曝露療法としてわざとそういうコンプレックスが刺激される環境に身を置く療法もありますが、基本は無理をする必要はありません。

それってあなたの感想ですよね?と考える》
 
この有名なセリフには「相手の言動を相手の領域に押し戻す力」があります。何かを決めつけられたり押し付けられたりした時は心の中で「それってあなたの感想ですよね?」と呟けば相手の言動は相手の領域に戻っていきます。言葉に出して言ってもいいですが険悪になる場合もあるので注意。

《相手に期待することはちゃんと伝える》
 
非常識な相手の言動を簡単に変えることはできませんが、自分がして欲しいこと、やめて欲しいことは「私はあなたに〇〇して欲しい」とちゃんと伝えましょう。自分の気持ちを伝えるのも領域の侵害をコントロールする方法です。
 
《何を考えているのかよく分からない人は放っておく》
 
そもそも相手が何を考えているか分からなくても、自分の領域に侵害してこないのであれば放っておいて大丈夫です。全ての人と分かりあうことは不可能ですから、実害がなければ放っておきましょう。

《ヒステリックになっている人には適当に謝っておく》
 
激昂したりヒステリックになって感情のコントロールの出来ない人は相当の「訳あり」ですからヘタに刺激するよりも「お見舞いだと思って」謝罪してその場を収めるのも一つのスルー力です。

《どうしても無理なら物理的に縁を切る》
 
何をしても領域の侵害をコントロールできないような相手の場合は、ハラスメントに発展している場合がありますから、物理的に距離をとって避難することが大切です。ストーカーなどは領域の侵害が犯罪にまで発展したわかりやすい例になります。身の危険を感じたら然るべき場所に相談しましょう。

● どうしても相手の言動を変えたい時の注意点。

 以上が「スルー力」の使い方の一例になります。最後にどうしても相手に言動を変えて欲しくて、要望を伝える際に注意点があるので補足します。

《自分も相手の領域を侵害してはいけない》
 例えば遅刻癖がある人に「迷惑だから明日から絶対遅刻しないで!」と一方的に伝えるのは、相手の領域に自分が侵害していることになってしまいます。こうしたコミュニケーションが積み重なると周りの人が自分に対して苦手意識を持ってしまい、人間関係がうまく築けなくなり、自分にとってマイナスなので注意が必要です。

《私は〇〇して欲しいと思ってる、と自分の気持ちとして伝える》
 
例えば「私はあなたが遅刻しないでくれると嬉しいんだけどな」と自分の領域内での言葉として伝えるとどうでしょう?この言葉は相手の領域を侵害していません。なぜなら自分の感想を伝えただけだからです。

 これでも遅刻しないで欲しいという気持ちは伝わります、あとは相手がどう受け取って行動するかですから、相手の問題になります。遅刻することで信頼されなくなっても自業自得ですし、人は簡単に変わらないのですから、「時が経てばいずれ変わるだろう」と諦めましょう。

● まとめ

 ということで今回は『苦手な人とのつき合いが楽になる本』を参考にポイントを自分なりにまとめてみました。実践するのはなかなか難しいですが、職場には必ず苦手な人が出てきますから、復職する前にこうした対処法「スルー力」は身につけておきたいなと思いました。

 今後も復職に向けて学んだことをまとめてみたいと思いますので、ご参考になれば幸いです。ではまた!(๑>◡<๑)

 


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