小川かつみ氏落選に絡んで理学療法士の現状の私見

どうも小川先生は落選で間違いないらしい。

惜しくも僅差での落選となったようだ。

私がとても労う立場でないが、これまでのリハ業界へのご尽力に感謝したい。

政治の場面に「リハビリテーション」の文字がこれまで出てきたこともあまりなかったのではないか。


さて、今回も協会側はそれなりに選挙活動をされていたようだが、どうふりかえるか。

この結果から私個人が勝手に考える雑感を述べてみる。

小川氏が落選して本当に困るのは誰か。

さて、小川氏はPT代表、リハビリテーション職代表として選挙に望んだわけだが、当選には至らなかった。

得票数、118,246票。

理学療法士協会、会員数133,133人。(有資格者の全体数ではない!)

それに今は各学生も有権者となっている。

リハビリテーション代表という話だが、

PT協会の数にすらいってない。

維新の山口氏とも票をわったのだろうか?

たぶんそういった話もあるのだろうが、

数字を考えればそれは要素としては大きな割合ではないだろう。

PT協会(全PT総数ですらない)の数にすら至ってないというのは少し驚きがある。

さてツイッターには

「(政治の世界に)リハ職が全滅、リハ職の今後が厳しい」

という意見が散見される。

多分それ自体は間違いない。

それなのになぜ今回これだけ票が集まらなかったのか?

それは本当に政治の世界を知らないといけない人が政治に参加しなかったから。

ではないかと考えている。

今の理学療法士業界を見ているとその働き方は様々だ。

特に注目すべきは「保険外」。

今理学療法士で、ある程度優秀な人は保険外で働くひとも増えてきている。

いわゆるパーソナルトレーニング、特定疾患を対象にした自費、トレーナー、インソール、整体業、ピラティスでの開業、副業、等々。

要するに保険内理学療法士でなくてもお金を稼げるのだ。

今はそういう人たちの割合が増えてきているように肌感としては感じる。

そういう人にとって、保険内の理学療法がどうなろうと極端な話、関係のないことだ。

(だが、現実はこういう人たちはそれなりに時事問題として政治のニュースもチェックしている)

対して保険内医療はまさに政治バランスで決まる。

リハビリテーションの点数が上がるか下がるか、

どんな加算がつくか、

ある加算要件にリハビリ職が入るかどうか、

もっと言えばPTが必要かどうか。

そういうのは政治の中のパワーバランスで決まるのは言うまでもないことだ。

つまり政治の世界の中に理学療法士の政治家がいることが重要なのだが、

こういうことを政治に興味がない人は知らない。あまりわかっていない。

自分の給料がどういう枠組みで決まるのか、

例えば、ある場所ではPTの給料がよくて、ある場所ではよくない

というのはあくまでその職場の中でのPTの評価であって

日本全国の保険内のPTの点数、つまり評価は政治のバランスできまる。

そういうことをわかってない人のほうが多い、

それが今回の選挙結果ではないか、と個人的には思っている。

そういった構造の中で守られていることもわかっていない理学療法士は将来困るだろう。

自費のセラピストはレベルが高く、保険内はレベルがひくいか。

ではみんな自費の分野にいけばいいではないか、

というともちろんそんな話ではない。

重要なのは自費、開業してるから技術的に上、とか、素晴らしい、といったことではない。

医療としての理学療法はとても重要だ。

整形外科を中心としてた術後理学療法。

脳卒中における回復期、

内科疾患などは、保険内でしかありえない。

そういった分野での保険点数アップ、維持の機会すら今回投げ捨てるような形になったのだ。

そういう結果となってしまった。

今回の選挙は私個人としてはそう振り返る。

そういった状況の中だが、

自分は淡々と自らの能力ベースアップを図るだけである。

このまま保険内理学療法士を続けていたら身がもたないと判断されれば、別の道を選択できるように自らの力を蓄えるだけである。



約2年前にこんなことを書き記していました。よければ重ねてご覧いただけますと幸いです。


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