若潮

どんなマスに止まっても
振り出しに戻るみたいな
間抜けで愚かな僕です。

どうか僕を叱ってください。
どうか僕を責めてください。

春の夜はあやふやすぎて
同じように意思あやふやな僕は
この夜に溶けてなくなってしまいそうです。

今すぐに手を引いて
あなたをひっぱり出すから。
どうか私に手を伸ばしてください。

僕の目の前に対の花。
彼岸の君と此岸の僕。
昨日と明日の境界線。
夢の終わりと春の鳥。

どんなマスに止まっても
1回休みになるような
臆病で愚図な僕なんです。

だからどうか叱ってください。
だからどうか責めてください。

春の空はぼんやりしていて
同じようにぼんやりとした僕は
この空に溶けてなくなってしまいそうです。

どうか私に眼を向けてください。
今すぐに抱きしめて
あなたを行かせはしないから。

僕を見送る一陣の風。
彼岸の君と此岸の君。
過去と未来の双曲線。
春の夜と始まりの月。


貴方のその気持をいつか僕も 誰かに返せたらなと思います。