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学ぶことの楽しみ

技術の発展が本当に人間の幸せに貢献しているのか疑わしく思う事が多いなぁと感じるこの頃であるが、そんな中でも、インターネットも使い方によっては、身近に無限の学びの場を提供してくれるツールとして感謝する面もあるなと感じている。

バッハのバイオリンコンチェルトがいくつか入っているレコードを聴きながら、ふと手をジャケットに手を伸ばして表紙の絵を見ていた。

クラシックにありがちな、有名な画家の絵を表紙に用いている場合があるが、まさにこの表紙もその様である。

裏返してみると、sleeve irustration:Charles-Andre van loo、のThe Grand Turk givinga Concert to his mistressと書かれており、有名な絵画の一つであると言う事がわかる。

そのクルー、糸口から、インターネットでいろいろな事を学ぶ事ができる。

The Grand Turkとは、東ローマ帝国を滅ぼし、オスマン帝国の世界を広げた征服者とよばてたメフメト2世のことで、イスラム以外にヨーロッパの文化も理解を示した皇帝の事の様である。

バイオリン、チェロ、チェンバロから奏でられるバッハの曲も理解をしたという事でこの様な絵が表紙に選ばれたのだろうか?

そしてこの絵の中心は、皇帝なのだろうなと言う事が、登場人物たちの目線の先から推測できる。

が、何かふと気がついたのは、その皇帝を見ているバイオリンやチェロを弾いている若者達や、周りの取り巻き達の顔が皆同じ様な顔つきである事に、不自然さを感じた。

さて、インターネットでこの作者、Charles-Andre van looを手がかりに少し調べで見るうちに、彼のパートナー、アン・アントニア・クリスティーナ・ソミスの写真にたどり着いた。

その時、アハぁ、と納得したのは、先ほどの絵の演奏家や取り巻き達が皆同じ様な顔つきだったのだが、その顔は、絵の作家、Charles-Andre van looのパートナーの自画像と似ている事だった。

私の勝手な想像でしかないが、この作者は、意図的にパートナーの顔を絵の中に紛れ込ませた様に思うのである。その意図は、なんだったのだろうか?なんて、考え始めると、いろいろな事が想像できて、小一時間、バッハを聴きながら妄想に耽る事ができるのである。

お茶の水で500円程度の中古レコードを購入してきて、単にレコード鑑賞するだけでなく、 表紙の絵からネットの情報を駆使して、いろいろと空想を繰り広げ、楽しむ事ができるなんて、なんて贅沢な時間なのだろうと思う次第である。