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ネット普及以前と以後、音楽への触れかたの超デカイ変化の話

新しく音楽のアーティストを知ってCDなり音源を入手して聴くという場合のプロセスは、ネットの普及と発達によってものすごく楽になりました。

私はイチロー世代のおっさんなので、ネットに初めて触れた時には既に26歳くらいでしたし、ネット回線を通じて音楽を聴けるようになった(ブロードバンド、常時接続化された)のはそこからさらに何年か後のことです。

それ以前は、偶然に曲を聴いていいなと思ったとしても、その曲が誰の何という曲なのかを知る方法が非常に限られていたんです。テレビや雑誌に出てくるようなメジャーアーティストの場合はまだしも、ちょっとでもマイナー寄りだった時点でもう見つけ出すことは困難を極めました。

例として当時を思い出して体験談をしてみます。

ある日、ロックTとか鎖(笑)とか、ロック的なグッズを売ってる店に入ったらものすごい刺さる曲が店内BGMとして流れていたんです。誰の何て曲かまったく見当がつかなかったので、それを知るチャンスはその場にしかないと思って店員さんに聞きました。

その店員さんによってその曲がオランダのサイコビリーバンドのバットモービルの曲だとわかったわけですが、CDをゲットするのがまた大変です。小さなCD屋には売ってなかったので、電車に乗って街へ出て大きなお店に行ってやっと見つけました。

またあるとき、当時働いていたドラッグストアで店内に流していた有線放送でこれまた刺さる曲を聴きましたが、今回は誰の何て曲かを教えてくれる人はいませからその時点では判明しませんでした。でも有線放送ですから、ときどきその曲はかかるんです。聴けば聴くほどいい曲です。しかしそのうちにそのチャンネルからその曲が消えて、そんなことも忘れていました。

そしてつい最近、ふとその曲のことを思い出したんです。冒頭からメロディも歌詞も非常に覚えやすい曲だったので、ネットで検索したら簡単に見つかりましたし、動画サイトで久々にその曲を聴くこともできました。

今になって聴いてもやっぱりいい曲です。そうして20年以上経過してやっとCDを買ったのがついこないだのことです。

要するに、偶然聴いた曲を気に入ってもちょっとマイナーだったりすると探すのが超大変だったのに、今はネットの検索と動画サイトがあるから簡単に見つかるようになって嬉しいという話です。歌詞の一部でも覚えていれば大抵の曲はすぐ発見できます。

つい最近の例で言えば、会社の作業場でかけていた有線放送で超ファンキーでカッコいい曲がかかったので歌詞の一部をメモして、その場で携帯で検索したらすぐ見つかりました。う~ん、便利!

バンドじゃないもん!というグループを在日ファンクの人がプロデュースした曲であるというところまで一瞬で判明するんですから、ホントありがたい時代です。

ちなみにバンドじゃないもん!のアルバムを買おうとして試聴したら、この曲以外別に・・・だったので無駄遣いしなくて済みました。そう、ネットを通じて試聴もできるってんだから、消費者としてこんなに甘やかされていいんだろうかという気持ちにすらなります。

昔みたいに苦労してやっと見つけるというものいいもんだ・・・なんて全く思いません。ネット最高!!とばかりに、手放しで今の恵まれた環境を大喜びで受け入れています。

若い人にとってはこれが当たり前の流れなんでしょう。そして若い頃の方が色々なものにピュアに反応できますし、新たな音楽を知ってそこへ没入してさらに掘っていくエネルギーもありますから、我々よりも若い人の方が音楽を聴く耳も鍛えられていて優れていると思いますよ。

それから、栗林みえにしても、バンドじゃないもん!にしても、アイドルソングということで、古い考えに凝り固まったエネルギー不足のおっさんとしては、ネットがなかったら探して聴くというところまでしなかったかもしれません。

お恥ずかしい限りなんですが、中学生の頃にロックにハマって以来、ロックという音楽ジャンルが好きだと勝手にククリを作ってしまって、アイドルソングを下に見ていたようなところがあったんです。聴いて良いと感じる、それだけでいいのに、無意味なジャンル分けと格付けを作ってしまっていたんです。アホですねえ。

しかしネットの普及で手軽に色々な音楽に触れることができるようになってやっとその呪縛から開放されたわけです。若い人は子供の頃からその環境が整っていてそれを活用して生きてきたわけえですから、そりゃ我々よりも良い形で音楽と付き合って聴く耳も自然と鍛えられていますよ。

それは置いといて、おっさんの私も最近ではネットで曲を見つけて聴く・買うという流れにすっかり乗っちゃってます。以前は壁一面CDだったんですけど、近頃はAmazonのデジタルミュージック(mp3)で買ってしまうので、かさばらないのも良いです。

ジャケットもあるし盤を入手したいという気持ちも少しはありますが、かさばらない便利さと、欲しいと思った瞬間にすぐ買える簡単さで、盤を買うことは少なくなりました。

ちなみにサブスクは使ってないです。ここはおっさんの古い頭なんでしょう。必要な分をよそから毎回借りるという感じにどうも馴染めない気がして。たとえデータでも持っておきたいと思っちゃう。これも一度利用してみたら考えが変わるのかなあ。

しかし、ネットの商売はおそろしいもので、YouTubeにしてもAmazonにしても、ひとつ何かしら音楽を聴くとオススメが自動的に出てきて、それがなかなかツボを突いてくるんですから大変です。全部買ってたらお金がどんどん出ていきます。あ、だからこそのサブスクか。

近頃オススメに出てきてまんまと気に入ってしまったのという音楽もいくつもあって、本当にキリがないですね。そしてそのキリのなさが楽しい、これはネット普及以前には手軽に味わえなかった楽しさです。

おっさん世代にとっては超画期的に感じる新しいシステムを使って、若いアーティストの曲をこうして聴くわけですが、ここで上げた2バンドともあえてレトロ感を狙った感じのバントというのがまた面白いと思いました。

必死で若者についていこうとがんばるおっさん、でも好みの音楽はレトロ風味のもの、なんだかよくわからないことになっとりますが、楽しいから何でもいいです。

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