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「大丈夫」な夜

バイトに落ちた。
落ちたと言っても、面接もさせてもらえなかった。
メールでのやり取り。それだけで「雇えません。」と告げられた。
私が大好きなドーナツ屋さん。
小さなお店で、ドーナツがおいしくて、店内では優しい灯りがともっていて。
少々、無理をしてでも働きたかったのに。
きちんと、お店の人と顔を合わせて、私という人間を見てほしかった。
その上で落とされたのなら、私に問題があったのだと納得する、改善する。あんな短いメールで、私の事をわかってもらえたんだろうか。
たぶん、そんなことはないはず。でもわかるのかな。もうわからない。

こういう嫌なことがあると、何もかもうまくいってないように思ってしまう。私は何のために大学に来たんだろうとか、どうして私は誰からも選ばれたことがないんだろうとか。
まずい状況になった。こうなると、私は寝るまで立ち直れない。
ただし、寝たら忘れる。でもこのまま寝る気にもなれない。

こんな悲しい夜に、大好きな人の何の根拠もない「大丈夫」が欲しかった。
嘘でもいいから「大丈夫だよ」って言ってくれる人に愛されたかった。
その言葉だけで、生きていける気がするから。
死にたいとも思わないけれど、希望をもって「生きたい」とも胸を張って言えない。
でも、いつ死ぬのかわからない人間って、だいたいそうかな。
なんだか重い話になったので、この話はもうやめる。

とにかく、さっきから頭が痛くて仕方がないのだ。
私は寒い日に長い間散歩をすると、何故か頭が痛くなってしまう。
今日の散歩も、かなり序盤で頭が痛くなったけれど、気にせず街をのし歩いた。
誰からも選ばれたことのない人生がこれからも続くだけだって思いながら、たくさん歩いた。
歩いていないと、やっていられなかった。
その結果がコレだ。この頭痛は鎮痛剤を飲んでも治らない。
自業自得。

何年後かに、こんな夜も愛せるようになればいいな。
だいたい過去は美化されるものだから、大丈夫だよ、きっと。
この夜も大丈夫。これからも。

#日記 #エッセイ #悲しい #散歩 #大丈夫

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