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2019年1月4日の日記。

今日もいつもと変わらず昼前に起きた。
お父さん、お母さんは今日から仕事みたいだ。
この国の人たちは、正月から普通の日へ順応するのが早い。大学生でまだ冬休み中の私だけが取り残されている。
起きてまず、正月でついた脂肪を落とすために出かけようと決意した。行き先は、去年までよく行っていたあのショッピングモール。

私の家からショッピングモールまでは徒歩で40分。散歩が好きな私でも少しキツいので、去年までは自転車で通っていた。しかし、自転車は一人暮らしの家にある。しかも、横暴な姉が占領中だ。
仕方なく歩くことにした。

歩いている途中にいろんなものを見た。
いつまでたっても工事中で完成しない道路。
綺麗に改装された近所のミニストップ。
変わらないものを見て安心し、変わったものを見て寂しくなった。
でも、私も成長しているのだから、この街が変化するのは当たり前だ。
そう言い聞かせた。

ショッピンセンターに着き、疲れたのでベンチに座った。高校生の頃、よくこのベンチに座り、誰かと待ち合わせをしているフリをして、セブンティーンアイスを食べたものだ。ミスタードーナツに入ろうかとも思ったが、こっちの方が私らしいと思った。

ショッピンセンターではいろんなものを買った。
ココアを美味しく飲むためのマグカップ。
刺繍の初心者のためのキット。
そろそろ買い替えようと思っていたチーク。
どケチな私がこれだけの物を買えたのは、お年玉のおかげだ。この調子じゃすぐなくなってしまう。でも、これが正しいお年玉の使い方だと信じている。生活費にしたり、貯金するのはもったいない。せっかくもらったのだから贅沢に使おう。これで良い。

日が傾き始めたので、そろそろ帰ることにした。来た時よりも寒くて思わず身震いした。
帰るときは、高校生の頃の下校を思い出した。
私の学校の近くはバスが1時間に1本しか来なかった。バスを逃したとき、1時間待ってバスを待つよりも、1時間かけて歩いて帰る方が良いと思ってよく歩いていた。
若い。今の私じゃ到底無理だ。

1日に3本しかバスが来ないバス停。
春になるといちご大福が人気の近所の和菓子屋。
高速道路の防音壁からもれて聞こえる音。
全てが懐かしかった。
一人暮らしを始めてから、まだ一年も経っていない。なのに、もうこの街が恋しい。
あっちに戻りたくない。あっちに戻るのはもう明日に迫っている。今日を思いっきり楽しまなければ。

最後に、綺麗に改装されてしまったミニストップに寄った。
ここは親友とよく寄り道した場所だ。新作のスイーツが発売されるたびに、誘い合って一緒に食べた。あの時間こそが私にとって大事で贅沢な時間だった。その親友が今ではこの店でアルバイトをしている。正直、なんでここでバイトしちゃってるんだよ、って思っちゃったけど、慣れつつある。
その親友に「明日、あっちに戻るからね」と言って店を出た。悲しんでくれて、嬉しかった。

玄関の前に立つ頃には、もう空は暗かった。
今日はあっちに戻る最後の夜だから、親とたくさん話をしようと決めて、家の中に入った。

あったかい。

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