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珈琲の精製方法

果実から種を取り出し生豆にするまでの工程を精製と呼びます。

今回はその方法について書きます。
3つの精製方法を紹介します。

①ナチュラル
収穫した果実をまるごと天日干しし乾燥させる方法です。乾燥が進むとパルプ(果皮と果肉)、ミューシレージ、パーチメントがくっつき、厚い殻になります。これをハスクと呼びます。ハスクを割るだけで生豆が出てきます。
歴史的に最も古い方法です。水を使わない方法なので水の環境が整っていないブラジル南部やイエメンなどで主流です。

②フリーウォッシュド
果実をパルパーという機械にかけて、パルプを果実から剥きとり、洗い流します。通常、パルパーではミューシレージまでは取り除くことができません。なので大きな水槽に一晩漬け込み、水中微生物による発酵によりミューシレージを分解させます。その後残ったミューシレージを洗い流します。最後にパーチメントを脱穀して終了です。
パルパーが発明された1850年代からカリブ海などで行われるようになり、その後世界各地に広がりました。

③パルプドナチュラル(セミウォッシュド)
前半のパルプ処理まではウォッシュド、後半はナチュラルと同様なのでパルプドナチュラルと呼ばれます。ウォッシュドはパルプ処理後と水槽発酵後の2回水洗いするのに対して、パルプドナチュラルはパルプ処理後の1回だけです。
20世紀に入りパルパーの機能性が改善されたことで生まれた方法です。高性能のパルパーやミューシレージリムーバーという機械を使ってパルプだけでなくミューシレージの部分まで取り除きます。その後は乾燥させてパーチメントを脱穀して終了です。
1980年代以降にブラジルで広まったものですが、ミューシレージをどこまで削るかで味を変えられることからコスタリカなどの中米などでハニープロセスという方法としても応用されてます。インドネシアのスマトラ島やスラウェシ島で行うスマトラ式もパルプドナチュラルの一種です。

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