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童貞のマッチングアプリ体験談(1週間経過)

 彼女いない歴=年齢かつ童貞の私は1年前、マッチングアプリをしていた。「童貞のマッチングアプリ体験談」では、当時書き留めていた日記をもとに、その時の出来事を書き記す。

マッチングアプリ登録!

 
 マッチングアプリをやってみた。
 
 とりあえず、「With」「Tapple」を入れてみた。なぜ数あるマッチングアプリの中でこの2つを選んだかというと、会員がそこそこまじめで、2つともタイプが違っていたからだ。「With」は性格診断が豊富にあって、性格が合いそうな人が一目瞭然で分かるところにその特徴がある。「Tapple」は基本的に画面いっぱいの写真を見てスワイプしていくのが特徴的。その点で、「Tapple」「Tinder」に近い。

 プランはどちらも、1か月プラン、3か月プラン、6か月プラン、1年プランがあり、長期プランであればあるほど、1か月あたりの値段が安いというシステム。どれくらいで交際に至るのかわからなかったので、様子見ということで、とりあえず1か月プランにした。
 
 1週間やってみて気づいたのは、「Tapple」は写真を見てスワイプするシステムなだけあって、「With」に比べてカワイイ人が多い。だけど、人となりはやはり、「With」の方が分かりやすい。
 
 無料で「いいね」できる回数は、プランにもよるが、「With」は1日10数回で、「Tapple」は1日60回以上。単純な数で言うと、「Tapple」に軍配が上がるのだが、実際に使ってみると、マッチング回数はほぼ同じだった。ということは、「With」の方がマッチング率は高い。会員数に比して無料で送れるいいねの数が「Tapple」の方が多く、ゆえに競争率が高い、というのがその理由だろう。


女性と人生初の生電話! 

 
 しかし「Tapple」の方が気軽にやりとりできるからだろうか。初めて電話でやりとりをしたのは、「Tapple」が先だった。恥ずかしながら、私は生まれて24年、家族を除き、一度も女性と電話をしたことがない。学生時代はずっと共学だったが、クラスメイトの女の子とも電話をしたことがなかった。だからめちゃくちゃ緊張した。

震える手で通信ボタンを押す。
 
本当に出るんだろうか?

 マッチングアプリでの電話も初めてだったので、急に不安になる。4コールした後、画面が「通信中」となった。
 
 出た!

「どうもイケ童です。」
 
 急いで自己紹介をしたので、「どうも」の「ど」で声がうわずった。恥ずかしい。

「どうも○○です。」

 電話口から声が聞こえてきた。声がうわずった恥ずかしさと、電話口から女性の声が聞こえてきた焦りとで、次に続く言葉が思い浮かばない。気がつくと、ひたすら「へへへ」と愛想笑いをしていた。この一瞬できっと童貞を悟られただろう。
 
何話すかシミュレーションしておけばよかった…。

後悔先に立たずとはこのことである。

 しばらく沈黙が続き、しびれを切らしたのか、気を遣ってくれたのか、相手の方からいろいろたずねてくれた。にも関わらず、情けないやら緊張やらで全然うまくしゃべれない。しまいには、

 「緊張してますか?笑」

と言われる始末。とてつもなく緊張しているにも関わらず、

 「まあ、ちょっとね。」

と変なつよがりを見せる。その結果、さらに会話がぎこちなくなる。
 
 しかしえらいもので、人間は慣れる生き物だ。何ターンかやりとりを重ねるうちに、緊張がほぐれてきた。すると、初めて女性と電話しているという事実を客観視でき、急に感動が込み上げてきた。

おいおい、女子と電話してるよ!

齢24にして中学生男子のような反応である。いくら何でも童貞すぎる。

 とにかくそのころには、会話は滞りなく進み、最終的には、直接会う約束までこぎつけた。こんなとんとん拍子で進むものなのか、と少し訝しんだが、話し終わった安堵と、約束までこぎつけた嬉しさとで、そんな疑念は頭の隅に押しやられた。しかし、その疑いを真剣に取り合わなかったことを後に後悔することとなる。

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