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メディア芸術祭の時代の終わり : 希望に満ちた未来への追憶

25年間、心を捕らえてくれたあるメディア芸術の展示が、突然終わりを迎えることになりました。この展示は、夢を見て、希望を育てていたものであり、いつか夢を叶えることを望んでいた人々にとって、終わりは悲しい別れでした。今日、私たちは閉ざされた道をたどり、失われた希望を悲しむことになりました。切ない思い出と未来を抱きながら、終わりの涙と希望を抱きながら、未来へと歩んでいくことができますか。別れの時を胸に、未来への誓いを胸に、今ここに立っています。

——というこのタイトルと冒頭の文章はChatGPTに「何かエモい文章を考えて!」と指示して書いてもらったものです。すみません。PLUSの契約をしたので何かに積極的に使いたかったんですね。したがってこれは必ずしも私の心情ではありません。しかし結構本当に情緒的なタイトルになっててすごいですね。

メディア芸術祭が終了した

何はともあれ、メディア芸術祭が終了しましたね。びっくりして書き込んだSlackの日付を見るとあれは8/25のことだったようです。

現在「25周年企画展」というものが開催されています。その開催の報を見ての雑感を書き残すものです。ちなみに25周年企画展を観る前にこれは書いています。

この終了のニュース、少なくとも僕や周囲の人間にとっては唐突な印象でしたし、非常に驚きました。かなりその近辺でご活躍されている方々も驚いてらっしゃったように見受けるので、多分みんな知らなかったんじゃないでしょうか。

正直に言って少し落胆した記憶があります。何に落胆したのかと考えてみると、そこにはいくつかの視点があるように思います。

鑑賞者として思うこと

まず、鑑賞者としての視点。個人的にはアートワールドに収まらない領域のさまざまな表現、その時々のスナップショットとして概観できる。インプットできる場としては、他にはないものだったと思っています。

近年はだいぶ興味が薄れてしまっていた、という話も周囲から聞くこともありました。とは言え、もしその年の作品展を見に行ってピンとくるものがなかったとしても、「ピンとくるものがなかった」という情報は得られます。それはそれで意味があるものでした。イマイチだなぁ、何でこれが評価されるんだろう。と自分の観点ではわからないものもありますが、それはそれで考えるきっかけにはなります。

まとめると、勿体無いな、続けてくれればいいのに、という感じです。

作る人間として思うこと

何かを作る人間としての視点。この辺りからルサンチマンが漏れ出てくるのでご注意ください!

私は2022年8月25日にこのニュースを目にしました。実はこの時、その年に応募しようと、チームで既に準備していたものがありました。ということは準備のためのコストも既にかかっていたので(僕自身がかけたわけではないですが)サンクコストは気にしてしまうものです。「なんで?」という感情には、まあなってしまうものです。

ちなみに前年の募集時には「今回が最後ですよ」という告知はありませんでした。それから一年の間にも「もう募集しないよ」という告知はありませんでした。

例年であれば7~8月くらいが応募期間だったイメージなので、応募の準備をしつつ、2022年は「メ芸の募集まだかな?今年まだ出てないよね?」と言っていたところの終了のニュースでした。「え〜〜まじか〜〜もっと早く言ってよ〜」とチームで話した記憶があります。

「第25回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」の開催

そしてそんな終了の発表があった翌月。9月16日から、2021年に募集した作品の受賞作品展が開かれました。「第25回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」というやつですね。僕も観に行きました。

なんとなくですが自分のイメージだと、それが最後の募集の受賞作品の展示であれば、まあ何かしら一言くらいはそういうパネルとかなんかそういう何かがあるかなと思ったのですが、全くありませんでした。

「今回で終了する」という事実がまるでデマであるように、「完全に今まで通りのノリの空間」には驚きを感じました。終了の決定がよほど急だったのかなぁ、みたいな勘ぐりをした覚えがあります。そしてその違和感というか、乖離が、個人的にはすごく興味深い感覚でした。

「文化庁メディア芸術祭25周年企画展」の開催

それからさらに月日が経過して最近、「文化庁メディア芸術祭25周年企画展」というものが開催されていることを知りました。

これはまだ行ってません。最初に書いた通り、この文章は行く前に書いてます。

このたび、文化庁は「文化庁メディア芸術祭25周年企画展」を2023年2月4日(土)から2月14日(火)まで、東京・天王洲の寺田倉庫B&C HALL / E HALLで開催します。
文化庁では、メディア芸術の創造とその発展を図るため、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供する「文化庁メディア芸術祭」を平成9年度(1997年度)より開催してきました。
第1回開催当時の1990年代半ばは、コンピュータやインターネットが一般に認知され始めた時期であり、文化庁メディア芸術祭は最先端のデジタル技術を用いた新しい表現を育む場として誕生しました。それから25年、日常生活で親しまれる作品から、のちに社会に実装される技術を使ったものまで、幅広い作品が受賞しています。本芸術祭における4部門はそれぞれ固有の成り立ちを持ちながらも、各作品が互いに影響を与え合い、受賞作品展には時代を映す表現が集結しました。
文化庁メディア芸術祭の25周年の節目に開催する本展では、歴代受賞作品の中から社会やテクノロジーの変化、メディア芸術の表現の多様性を感じられる作品群の展示を行い、文化庁メディア芸術祭の25年の歩みを振り返ります。

ウェブサイトより

この情報を見て思ったこと。「25周年企画展」というタイトルもそうだし、この文章もそうだし。「終了」する感じが全然しない。今年は25周年記念!まだ続くよ!という感じがしちゃいます。

終わるので、もっと終わる感じちゃんと出してほしいです。

ガラスの天井の上にある受賞作を見に行く

まだ行ってないのでわかりませんが、まあ「歴代受賞作品の中から社会やテクノロジーの変化、メディア芸術の表現の多様性を感じられる作品群の展示を行い、文化庁メディア芸術祭の25年の歩みを振り返ります。」とあるので、そういうのがあるんだと思います。

もう誰も受賞することはない。もうそこには何も追加されない。フリーズした感じでしょうか。ガラスの天井の上、またはガラスの壁の向こうに、作品が並んでる心象風景という感じです。前は階段があったんですけどなくなっちゃったみたいな。

僕は今まで、残念ながらメ芸に引っかかったことはありません。したがって「過去の受賞作」の中には僕はいないです。もちろん、普段も観にいくいろいろな展示というのはほとんどは自分ごととして観ていないわけではありますが、今回については「応募しようと思ってたのに〜準備もしてたのに〜😭」みたいなモヤモヤを抱えつつ、鑑賞することになります。もちろん応募しても特に何にもならなかった可能性の方が確率的には高いわけですが、応募してダメだったのとはまた違う感情だと推測します。

まあそんな感じで、ある種のルサンチマンみたいなものもありつつ、色々とモヤモヤと思うところはあるわけですが、見ずにモヤモヤするよりは観てモヤモヤする方が幾分ましだし、実際どんな内容の展示構成なんだろう?ということが気になってしまったので、観に行ってみます。

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カバー画像 : https://j-mediaarts.jp/wp-content/uploads/2020/02/og.png

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