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「情報発信学で読み解く、現代の日本」第1部 ~情報評価・経済社会における格差の本質を読み解いてみる。

SNSを眺めると無意識に「アカウントのフォロワー数が気になる」事はありませんか?もしそうであれば、あなたは無自覚な「SNS病」かもしれません。

5千字超なので、時間のある方はゆっくり読んでください。お忙しい方は目次から下部へどうぞ。

池松潤(いけまつじゅん)
福岡移住⇔東京。情報発信学/ 講演家/ アウトプットLAB主催 / サイボウズ式第2編集部所属。慶応義塾大学卒業後、大手広告会社員時代に雑誌コラム連載・ビジネス書を執筆。※登壇・イベント情報は⇒コチラ


◆それはフォロワー数ゼロからはじまった

私自身、3年前にはTwitterもnoteもフォロワー数はゼロでした。バズった事も無いし興味も持てません。しかしPR力とも言える「拡散力」は、今後避けて通れない事実だと感じて(当時は言語化できませんでした)note+twitterの世界に、毎日6時間以上(朝・昼・夜・2時間ずつ)ネット滞在するように努力してきました。

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幸いにも非公式noteオフ会で繋がった若い世代の方々のお蔭もあって、見よう見まねでキャッチアップする事で、なんとかSNS空間に居場所を見つけたのかもしれません(現在進行形)。いずれにしても良質なフォロワーの皆さんに支えられて、SNSをツールとして何とか使いこなそうと足掻いています。

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この数字に意味があるとは思いませんが、これから本格的に迎える「超個人戦」の世界は、「情報(いいね数・PV数・エンゲージメント数)を評価される経済社会」へのシフトだと感じています。

この社会変化の本質は「黙って優秀な人よりも、未熟でも目立つ人に評価の軸がシフトしている」と言えます。

超フラット化した社会には、「個人の市場価値を高める」事が必須事項となって、そこで大事なのは「多様な人の繋がり(仲間)」「ネット空間で情報アウトプットするスキル」ではないでしょうか。

ビジネスの在り方が再定義されて、新しい規範で動くようになりつつあるのだと思うのです。情報の発信スキルが、あらゆる事の起点になってきています。

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※伝達コスト0円・限界費用ZERO社会
SNS+クラウドファンディングは「前受予約金」と言い換えられる。
「資本金」の意味合いが変わる⇒ビジネスモデルの変化が起きている。
さらにクラウド上で知的財産が交換されるようになった。



◆そもそも、なぜ格差が激しくなるのか?

誤解を恐れず言えば、スマホの画面は「GAFAの植民地」のようなものです。あなたのスマホに日本のアプリは全体の何パーセントでしょうか?

すべての行動DATAは、無意識のうちにGAFAへ上納されているようなものです。そして、SNSで浮き上がるエンゲージメントは「良い方向」へも「悪い方向」へも、指数関数的に増減します。

「クラウドファンディング」が”応援”を効率よく集められている「仕組み」だとすると、SNSは”炎上”というネガティブ感情もまた効率よく集める「仕組み」と言い換えられます。

SNSは、まるで金融資産のように「儲け」は雪だるま式に増えるし、消費者金融の借金のように「損失も」雪だるま式に増えると例えれば分り易いかもしれません。SNSとは”一喜一憂”を加速させる装置なのです。

※SNSフォロワー数の特徴・図(イメージ)

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※こちらのTweetも参考になります。

プラットフォーマーは勝者「全取り」で、敗者はまったく歯が立ちません。情報で評価が左右される経済社会という「情報評価・経済社会」は、マネー経済社会よりもさらに格差が激しくなる”情報・金融資産化”社会の様相を呈していると感じます。



◆「働き方改革」から構造変化を読み解く

山口周さんが著書「ニュータイプの時代」で社会構造の変化を、「20世紀的優秀さ」の終焉として「価値観の変化」を解説していますが、「働き方改革」の視点から、社会構造の変化を読み解いでみると、変化が分りやすくなると考えています。

「マネー経済社会・工業化時代」から「情報評価・経済社会・SNS時代」への変化では、「はたらき方改革」と表現するよりも「雇う側と雇われる側のはたらき方フレームワーク改革」と言った方が解像度が高まるのではないでしょうか。

左図:「就職」で会社内部へ入る「⇒」
雇われる側・学生の視点では「自己目標や、糧を得るために、会社組織へ所属してメリットを得たい。
雇う側・会社側の視点では「企業は社員として自社システムへ最適化
生産性を高め、利益を最大化させたい」

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右図:「プロジェクトを組む」で会社外部と組む「←」
副業もしたい側・学生の視点では「何が正解かわからない時代なのでスキルを得て望む自分になりたい」
プロジェクト発注したい側・会社側の視点では「企業は何が成功するか分らない為、リスク低減・コスト抑制したい」

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この経済社会で3つのベクトルの変化「会社の変化・価値観の変化・はたらき方の変化」で「価値観の変化」が一番大きなポイントだと思っています。

「情報を評価する経済社会」である情報評価・経済社会では、情報の発信スキルが、あらゆる事の起点になります。

しかし、ライターになる学校やワークショップや、「〇ヶ月でフォロワー数が〇万人に増えた!」というインフルエンサー経験談のイベントはありますけど、「仕事」や「興味関心」を活かすための「情報発信学」が存在しません。企業・大学・職業訓練校・ビジネススクールを見ても、どこにも存在しないのです。これは「情報評価経済社会」への急速な変化にまだ適応できていないからだと思っています。

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◆情報評価・経済社会とは?

昭和のオジさんへ解説すると「情報評価経済社会」の本質とは(嘆かわしいけど)「黙って優秀な人よりも、未熟でも注目される人へ評価軸がシフト」している点なのだと思います。「注目される人」とは、SNSのインフルエンサーのことです。

「情報を発信するから情報(無形資産)が集まる人」という情報強者と、「情報を貰うだけで情報(行動DATA)搾取され続ける人」という情報弱者(※今までの情弱のアップグレード版)の格差がどんどん広がる経済社会へシフトしていると感じます。

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※いままでの情弱とは:情報資源にPCを持たない事でネットにアクセスできない人や、情報を上手に活用できない人を指す俗称。 インターネットが普及している情報化社会において、得られる情報の量や質の差が、社会的、経済的な格差を生みやすい。 この情報格差を揶揄して情弱と呼ばれる人たちの事を指している。インターネットスラングの蔑称である。

「情報を発信するから情報(無形資産)が集まる人」は、「何をしたいのか?」(未来)、「何故そう思うのか?」(背景)、「そのために何を行動しようと計画しているのか?」(目論見)という「挑戦記」を情報発信している(ネット上に人格形成している)ケースが多いと感じます。これはテレビ番組・テラスハウスのような「個人のリアリティーSHOW化」と言い例えられるかもしれません。なお、情報発信とは「過去の自分」の黒歴史を晒す事ではありません。勘違いしないようにしましょう。

「情報(無形資産)が集まる⇒再生産」とは、「情報は独占にこそパワーがある時代」から「情報は共有することでマッシュアップされて更に価値が高まる」という、エンジニアの「オープンソース・カルチャー」(※協力しあえばより良い明日になる)が、文系にも波及してきたと言えるのかもしれません。

「誰もが情報発信できる時代」を上手に生きるとは、情報発信スキル・筋トレ量が多いヒトであり、「正しいエクササイズ」を知る事なのだと思います。その為に「情報発信学」が大事になってくるのです。

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◆書き方の変化について

個人が「1つの放送局化」してくると求められる情報へにニーズは「インフォメーション」(報道軸)から「インタレスト」(興味関心軸)へ広がっていると感じます。

誰もが情報発信できる時代には、情報量過多になり、何を信じていいのかわからなくなります。そして「知りたい事だけを知って生きていきたい」フィルターバブル(情報の膜)が激しくなります。

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ケーススタディ分析すると、特徴は「伝え方の変化」がプラットフォームの興隆によって変化している事です。

下記図を見てもらえると、「本・雑誌」から「PC」へ、そして「スマホ」へ「時間消費」するプラットフォームの変化に応じて、書き方の特徴も変化している事がわかると思います。

情報を「小さい箱」(スマホ)にギュッと詰め込むには、起承転結は長過ぎて、はぁちゅうさんや、イケハヤさんが確立した「定説・逆説・意見」の3点話法でさえも長過ぎる。そこで、感動や共感を手短に端的に表現する「口語体」表現が増えたように感じます。

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「読む事」と「書く事」は鏡のような関係だと思います。文体傾向は「文章が粗くなった」と批判する人もいますが、これは「味覚の変化」に似ていると表現した方が的確かと考えています。「マヨネーズ舌」や「ビール苦い舌」へ味覚が変化する人が増えていると例えましょうか。「読む文章」が短文になっていくと、より「時間消費が少ない表現」が増えていく事は、避けて通れない「書き方の変化」なのかもしれません。

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この「書き方」の変化は「価値観の変化」と密接に関係していると分析しています。誰もが情報発信できる時代には、「書き手」と「読み手」に境界線がありません。そもそもの概念が変わってしまったのだと感じます。

「1億人総表現社会」とは、「文章カラオケ時代」とも言い例えられます。それは、「記者クラブ制度」や「出版再版法」という「優越的特権」や「権威」に立脚した「情報流通」の時代から、「誰もが情報発信できる」時代への変化です。

懸るにそれは「価値観」の変化と「パワー構造」変化から、「概念の変化」に繋がっていると考察します。

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◆教え方の変化について

「情報評価・経済社会」での「情報発信エクササイズ」は、「過去の教え方」では身につきません。まず概念をアップデートする事が大事だと考えてワークショップで実行しています。

大事なポイントは「生徒をオーケストレーションする」感覚です。効果や結果を教えるのでは無くて「余白を一緒に探す旅」感覚を演出するとでも言いましょうか。

「2次曲線を描いて成長する」と信じ込んでいる人へ「らせん階段を登るように3次元曲線を描いて成長する」のは「余白を一緒に探す旅」のような感覚だと「相場観」をシェアする事からはじまります。

「自らの体験」を論じる事が「正しいエクササイズ」には繋がりません。これは「凄い選手」が「良いコーチ」になると限らないのに似ています。

情報発信スキルを身に付けるには「体系的」「構造的」に「情報発信学」をシェアする旅の時間を作れるかだと思います。これは年間15本以上のワークショップを行ってきた実体験から学んだことです。

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◆”格差”の始まりは情報発信スキルからはじまる

情報は出すから入ってくる。クレクレと受動的にしていても自分の望む情報は得られるのでしょうか?

情報は「情けに報いる」と書きます。

ググってわかる事は、本当の情報ではありません。ネットは自習に最適な環境を提供してくれますが、卓越性や希少性を得るには「自分のアタマで考える」必要があります。それは「自分が感じた興味関心軸」を育てる事から始まるのではないでしょうか。

未来は若い世代の為にあります。

若い世代にはその”きっかけ”を得るのが一番難しい。だから「わたしはこうやって成功した」という「経験談」に囚われるのではなくて、「体系的に情報発信スキルを習得する事からはじまる新しい旅」が大事なのだと考えます。それが「情報発信学」へ繋がる”路”だと考えています。



◆情報発信学の役割り

「情報評価・経済社会」への急速な変化へ適応する事は、「個人の市場価値を高める」ことに繋がります。

前述で「スマホ・GAFAの植民地化」と揶揄しましたが、この国の未来は「ツールを使いこなす技」を体系的にシェアして、明るいものにする事だと思います。

いままで工業化社会では、沢山作って、沢山売って、沢山捨ててきました。この国には「夢」と「希望」が足りません。沢山笑って、沢山幸せを作るには、笑顔のアウトプットを増やすことから始まるのではないでしょうか。

「ツールを使いこなす」手段と目的を間違えず「本質」を見極めるための「アップデート思考」が「情報発信学」の真の狙いです。

あ。もう5千字を超えてました。今回は、この辺にしておきます。

#ダイヤモンド さん #東洋経済 さん、取材・執筆依頼お待ちしています。あ。日経新聞 #COMEMO さん、#文芸春秋 さんか...


「何言ってるんだコイツ」と感じた方。あなたは肩書き主義の人です。こちらをどうぞ。たぶんお役に立てると思います。

3/5 WEBイベント「これからの働き方とキャリアプラン」
-昭和・平成・令和・時代から未来を考える-
日時:3/5(木曜日)19:00-20:00
場所:Youtubeライブ配信(録画)
URL: https://youtu.be/cPvnsSwJs_M





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