カープダイアリー第8342話「ピースナイター余波、待望の龍馬復帰戦を落として首位阪神まで3・5差」(2023年8月8日)

プレーボールと同時に、神宮球場レフト、三塁側のカープファンがお祭り騒ぎになった。

先頭の菊池が中前打、小園の打球は快音を残してレフトライナー。秋山の一撃はレフトフェンス直撃の先制タイムリーという“速攻”ぶり。

「いいぞ、いいぞ、あ・き・や・ま」

さらに待望の一軍復帰となった龍馬が適時打を放ち、開始から10分と経たずに2点を先制した。

「いいぞ、いいぞ、りょ・う・ま…今日もカープは勝ち、勝ち、勝ち勝ち」

試合前の打撃練習で秋山は徹底的に左打ちを練習していた。ヤクルトは通算185勝の石川。左対左では極端に打率が落ちるから、やるべき対策を絞っていた。

二軍戦1試合、わずか3打席で“低位置”に帰ってきた龍馬もそうだ。打撃はシンプルに。ボールカウント3-1まで待ってから一振りでライナー性の打球をライト右に返した。

二回には先頭坂倉がバックスクリーン弾。カーブに素直に反応できた。続く堂林は真っすぐを右中間二塁打にした。猛攻の一歩手前まで来ていた。

ただ、それでもマウンドの石川はほとんど表情を変えなかった。一塁ベンチの高津監督もそうだ。

九里が送りバントを決めて一死三塁としたものの、菊池、小園が凡退。4点目には届かなかった。

その裏、九里は先頭のサンタナに四球を与え1点を返されると八番中村にも四球。石川の送りバントを挟み塩見に同点適時打された。

強烈なジャブを立て続けに受けてもフィニッシュを許さなかったのが石川。二軍再調整を経ての前回登板に続くカープ戦。チームの勝利のために、途中で諦めることはしない。

三回先頭の村上に20ソロといいう強烈なアッパーカットを食らわされたのが九里。6月30日の神宮球場で無四球完封勝利をマークして以来、これで5試合勝ち星なし。ボール先行の投球スタイルがチームの勢いに水を差す。

ピースナイターの夜、無理な投手起用が祟って崩壊した“ディフェンスライン”は、やはり簡単には修正できないようだ。野球には流れがある。

6回6安打5四球の九里に替わって、七回4対4同点にした直後のマウンドに上がったターリーも先頭の塩見を歩かせ山田に決勝タイムリーを打たれた。坂倉の捕逸も絡むという最悪の“結末”だった。

東京ドームでは阪神が7対6で巨人を振り切り、首位とのゲーム差3・5。「8月中旬が勝負どころ」と繰り返してきた新井監督だがその正確な時期はいつかのか?“8月6日以降”へと大幅に繰り上げられたのだろうか?

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