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どんどん下手にやりなさい〜岡本太郎美術館へ

曇天のなか、久しぶりに岡本太郎美術館へ。
いつもそうだが、美術館を出るとき、何かあたたかいものが心にある。生きる上で大切なものを取り戻している。
いつのまにか失ってしまった自信や、疲れてぼんやりする頭。感覚の鈍くなった身体にもう一度生きた血が流れるような、
丸まってしまった背中をシャンと伸ばして、人生、しっかり生きなさい!と言われたような感じになる。それは言葉ではないものなので説明すると説教くさくなるのだが、原型はもっとちがう。エネルギーとか勇気みたいなもの。

うまく作る必要なんかない。
うまく出来た作品なんて、
面白くもへったくれもない。
かまわないから、どんどん下手にやりなさい。
その人独自の文体というものがあるはずだ。
絵ならその人の色。
ダンスなら、その身体の動きの物語る世界。
それは自分が発見し、確かめてゆくもの。
教わることはできない。
芸術は創造だというのはその意味だ。

「壁を破る言葉」
岡本太郎著

息子が岡本太郎美術館を知らないというので連れて行った。
独身時代〜結婚まで、この地に住んでいた。
子どもが生まれる前に引っ越したので、息子が小さいときに生田緑地にあるプラネタリウムに連れてきたのが一回ある程度。
久しぶりの訪問となった。

木が……伸びていた!!
生田緑地の奥にあります





昔、友人がバイトしていた、美術館併設のカフェでひと休み。
テラス席で鳥のさえずり、水の流れる音を聞き、冬の空気を感じながら、ゆっくりしたいい時間。
のんびりおしゃべり。

テラス席からは美術館入り口が見える
息子はタコライス&柚子茶、私はパンケーキ ラムレーズンアイス添え&TAROブレンドコーヒーを注文


テラス席では、年配のおしゃれなご夫婦がワンチャンを連れて食事していた。散歩がてらランチといった感じ。
素敵だなぁと思う。

店内にもベビーカーの子ども連れや車椅子で来ている人たちがゆったりと食事している。
みんなあくせくせず、それぞれの時間を過ごしていてとてもいい雰囲気だった。
テラス席は少し寒かったけど、紅葉した木々や美術館を訪れる人たちを眺めながら、くつろいだ。
息子と「いいですねー」「いいよねー」と何度も言いながら。

何より、去年より体調が良くて、動けるようになりうれしい。この時間は神様からのギフトだと思う。

自然の中を歩くと元気になれる。

枡形山展望台からは、曇り空のわりには東京タワーやスカイツリー、都庁などが遠くによく見えた。

帰り道、ポケットに入っていたチケット半券を見てびっくり!
ハートのエース。
10年以上前にみた夢を思い出す。
夢の後半で、私と双子みたいなおばあさんたち、もう一人の4人で円座になり、ゲームのような占いのようなことをする。
うずらの卵を割ったり、順番に何かやるのだが、私の番が来てトランプカードをひくと、ハートのエースが出て目が覚めた。
分析家は、とても縁起がいい夢と言った。
あのとき「いい未来を暗示している」と思ったその未来が、現実になった。
夢の中で手にしたハートのエースが、私の手に。

先日のハムレットといい、今日また一つ答え合わせができた。


noteは更新してないが、小説を書いている。
10代の頃を振り返ると、かわいいわ、エロいわ……笑。自分が愛おしくてたまらなくなった。当時は若く、さぞかしかわいかったろう。
岡本太郎の母 かの子も、結婚生活や恋愛の苦しみを小説にしたと美術館で知った。
有名な話だが、まだ幼い太郎が母に遊んでほしいとまとわりつくのを振り払い、太郎を柱にくくりつけて、一心不乱に小説を書いたという。
どんなに泣き叫んでも決して振り向かない母を「美しかった」と太郎は書いていた。

うまく書こうとせず、どんどん下手に書こう。
書き上げたら死んでもいいと思っている。



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