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青春の残響、眠れぬ夜に

 夜行バスでの帰省は、まるで青春の一ページを再びめくるような、そんな冒険だった。地元での同窓会イベントを前に、友人と共に久々に故郷へと向かうことに。仕事がある中、早い時間からの開催ということで、選択肢は夜行バスしかなかった。これが何年ぶりの夜行バスだろうか、その久しさにわくわくしつつも、心のどこかで不安も感じていた。

 「どうせ寝れないだろう」という予測のもと、出発前には居酒屋で軽く飲むことに。お酒の力を借りて、夜行バスの座席に身を委ねた。驚くことに、お酒のおかげで始めはすんなりと眠りにつくことができた。しかし、幸せは長くは続かず、途中で目を覚ました後は腰の痛みと睡眠のポーズに悩まされることに。

 夜が明け、目的地に到着した時には、もう私たちの体は睡眠不足でボロボロ。始発電車でさらに地元に向かい、実家での仮眠を試みるも、心地よい眠りにはほど遠く、イベントにはほぼ寝ぼけた状態で参加することになった。

 夜行バスでの帰省は、ある意味で若さを取り戻すような体験だった。しかし、体は正直で、若かりし日のようにはいかないことを思い知らされた。それでも、久々に友人と共に過ごした夜行バスでの時間、居酒屋での会話、そして同窓会イベントでの再会は、何ものにも代えがたい貴重な時間となった。

 苦笑いしながら、今回の帰省は「青春の再現ドラマ」とでも称すべきか。身体は疲れ果てても、心は新たな活力を得た。これからも、こんな小さな冒険を大切にしていきたいと思う。夜行バスでの帰省は、忘れがたい記憶として、私の心に残ることだろう。

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