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読了箱

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(読了)聖なるもの

同人誌といえど侮るなかれハイクオリティでガツンと殴られた、八束さんの一冊。お通販先を先にご紹介したい。

https://yatsukami.booth.pm/

(以下、ネタバレを含む)

この作品をひと言でいえば、絶叫、二言で言えば魂の咆哮、だと思う。

すごく狭いコミュニティと文化や風習にしたがって生きている女の人たちが描かれるのだけど、これは……百合では?女と女の物語では?と私は思いました

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(読了)少女文学 第一号

↓お通販ページです。

元々は、七木さんの作品が載っていたからという理由で求めたのですが、紅玉いづき先生が座組みをされていて、表紙は森倉円さんだし、豪華だなあって思ったのが出会いです。

少女、という移ろいゆく生物や描写のなかでも愛でられやすいものをいったいどんなふうに切り込んでこられるのだろう。とワクワクしました。

冒頭作。ぺぺ、あなたの小説を読ませて。(紅玉いづき作)はキュートでうっすら埃の

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(読了)未来職安

私はバディものが刺さる。そしてアイコンキャラがお猫さまだ。はい、(過去作だけど)自作設定に組み込むくらいにはその取り合わせ好きです。読了作品ネタバレありなのでここから先へは読了された方向けです。

よかったところ、面白かったところは、大塚さん名言集。人間を売っている。人生は縛られる柱の選択だ。の二文がとても美味しいです。物語中で断定するって情報量が必要だと思う。

おいしくいただけるように輪郭を描

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(読了)蝶のいた庭

まあ翻訳の文章が美しいんだな。すごい。のでさくさく読める。すごくえぐい話だけど。

構造上の歪みや人間のいびつさがまんべんなく振りかけられた血みどろ設定なので、美女と少女の描写が美しいそして百合が好きじゃなかったら読めないなくらいなハードルは感じるので、なにかの上級者向けという感覚はする。

読者の怒りがこみ上げるというよりも、作者の静かなまなざしがあって、それを楽しむ作品。と思う。初心者の私はた

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(読了)声の物語

人によってはおざなりなのではこの設定と思うかもしれないが、私は着想的には好きだなって思った作品。人の道を踏み外したところへ開拓しに行くの、最終的には使う(読む)側の倫理観に任されるから作者はそういう分での負担はしてない方の作品かと思う。

この作品、社会的弱者の声を奪う(物理的にも精神的にも)ことで、弾圧とは?ってことを書きたいのかなって思いきや、広範囲で家庭内崩壊を描いてくるのでホラーぽいのかな

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(読了)零號琴

昨年末に買って、体感長いよ〜〜〜って思いながら読んだ作品。この作品、たぶん作者さんの悩みの足跡があるような気がするんだけど気のせい?

主人公が隠れチートなんですよねオタクわかります正座。までは序盤で理解したのだけど、展開的に友人の扱いに悩んだ感じがするな〜って思い始めてからずっと彼が気になって仕方なかったんですよ。すぐ私は脇道に逸れる。完成させた作者さんと編集さんはすごいな〜って思いました。おめ

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