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でこぼこみち

親愛なる君たちへ。
元気にしているだろうか?
両親の離婚で寂しい思いをさせてごめん。
14年続けた会社を潰して、君たちと離れて、いっとき酒に溺れ自暴自棄になって闇に落ちたみっともない40歳。

それでも14年間、教育(国際教育/起業家育成)という仕事についてきた中で、のべ3000人を超える高校生、大学生、社会人の教育に携わってきた。
一方で、君たち2人が幸せな、健全な人生を送れるように、私なりに父親を頑張ってきたつもりだ。

決して最良の教育者でもなければ、模範的な父親でもない。
だけど、今小学生の君たちが幸せな大人になっている像がはっきりくっきりと見えている。

しっかり者の君たちの母親への信頼もあるし、私自身が歩んできた道、これから歩んでいくであろう、そして君たちもこれから歩んでいくであろう"でこぼこみち"の見えない道筋が私には見えている。
そんな気がしてならない。

私の人生はでこぼこみちだ。
整備された道を歩いていたらどれだけ楽だっただろう。
ある種の生きづらさを抱えながら40年間生きてきた。

だけど、そこで得たレジリエンス(回復力/耐性)は半端なものではない。
顔面フルボッコにされても、ボディブロー喰らい続けても、私は死なない。

整備された道は非常に心地よい。
ただ先生や親、上司の言うことを聞いて、"常識"と言う敷かれたレールに乗っていけば、おおよそ安定した人生がその先には待っている。

しかしどうやら私にはそれが性に合わないようだ。
僕の血を引いた君たちも、もしかしたら似たような属性の人間になってしまうかもしれない。

"しまう"と言ったら不本意だな。
それはもしかしたら最良の人生/キャリアなのかもしれない。
私は自己肯定感が強い。

自己肯定感は経験によって、小さな成功体験によって得られた自信から生まれる。
整備された道で自己肯定感を確立させることは難しいかもしれない。

でこぼこみちは辛い。
人から嘲笑われることもあったり、私のように伴侶を失ってしまうこともある。実は繊細な心に大きなダメージを喰らうことも少なくはない。

だけどでこぼこみちはまんざら悪いものでもない。
信頼してくれる友達がたくさんできる。
得てして同じでこぼこみちを歩んだ人と仲良くなるものだ。
ストレス耐性が強くなる。
多少の困難には惑わされず、即座に物事を取捨選択し最善案を考えて行動することができるようになる。
もし君たちがでこぼこみちを歩んでかつての私のようになったら、多少は成功できるだろう。
貯金は増えないかもしれないが。
反面、「信用資産」と言う資本主義社会では明確に定義されていない大きな資産を手にいれることができる。

この先、何かに不満を感じてやさぐれたり、人に失望して自暴自棄になったりすることがあるかもしれない。
でも大丈夫"人は生きている限り何度でもやり直しができる"。

「整備された道」を選ぶか「でこぼこみち」を選ぶか。
それは君たちに託す。
だが、でこぼこみちと言う選択肢があることは知った上でそれらを選択してほしい、狭い世界の"常識"にとらわれるな。

どうすればいいか?

・本をとにかく読め、どんなジャンルでもいい。
・いろんな大人と会って話をすべし。
・海外にいけ、いけるだけ行け。

自分の気の向くままに行動する時間を持て。
誰の言うことも聞かなくていい。
自分自身の心に問い、そのままに行動せよ。

困ったり悩んだりしたらいつでも私に電話してくれ。
正解は知らないが最適解は出せる。

死ぬ時に後悔しない、荒波に向かって自分で舵を切れる。
そんな人間になってほしい。

凱、君の名前には「男性的な野心と女性的なしなやかさを持った、心豊かな人生を送ってほしい」と言う意味が込められている。
慧、君の名前には「人生のその時どきに最良の智慧を持って、ときに兄に頼り、兄を助けながら生きてほしい。」そんな願いを込めている。

凱・慧、君たちの人生に多幸あれ。


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