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遺書。(第6章〜無知の知〜)

親愛なる君たちへ。
君たちがこの記事を読んで理解できているとしたら、おそらく早くても今から10年後くらいだろうか?

この記事を書いている今、2024年。
世の中は日々進化・変化し、特に社会のあり方や働き方が大きく変化しつつある時代の過渡期に差し掛かっている。

君たちが成人する頃にはそれはさらに加速し、今現在では考えられない混沌とした社会の中で、さぞ生きづらさを感じながら生きていることだろう。

しかし時代が変わっても普遍的なマインド・行動原則があり、私はそれを指針に今を生きている。
10年後生きていたとしても、おそらくそれは変わらないだろう。
そんなエッセンスを、何章かに分けて書き、伝えていきたいと思う。

さて、今日のテーマにいこう。

「無知の知」

これは、古代ギリシャの哲学者、かのソクラテスが残した意味の深い言葉だ。"不知の自覚"ともいう。
「自分に知識がないことに気づいた者は、それに気づかない者よりも賢い」
ということをおおよそ言っている。

問題は自分が不完全なことではなく、自分が不完全であることを認識していないことだ、ということだ。
"実るほど頭を垂れる稲穂かな"という古くからの日本のことわざも、同じようなことを言っていると私は解釈している。
"能ある鷹は爪を隠す"も似ている。

世の中には、たいしたことのない知識や権力、過去の栄光を振りかざすことでしか自分を守れない悲しい大人たちが一定数いる。

しかし人間というのは当たり前だが皆不完全である。
どんなに大きな会社の社長でも、総理大臣も、大統領も皆だ。

重要なのは、なぜ不完全なのか、どこが不完全なのか、を自分なりに構造分解して向上に努める事だと私は思う。

自己を卑下してへりくだることともまた違う。
前向きであるべきだ。
誠実で前向きなバカであるべきだ。

幸い私は若い頃からその認識を持っていたと思う。
今は有名な政治家になられた、かつての恩師(起業駆け出しの頃に私を教育してくれた当時の取引先の社長)は、会えばいまだに、けなげに前向きに頑張っていた当時の私の話をしてくれる。
「だから君と仕事をしたかったんだ。」と。
ありがたい話だ。

私の起業話は過去の記事でも色々書いているので割愛するが、起業当初は貧乏丸出しで泥臭く、さぞ醜いものであった。
しかし、人を敬うことは常に重んじていたし、無知の知を自覚して自己の向上に努めていた自負がある。
それゆえに得られた上質な人間関係や、いただいてきた仕事で自己成長してきたと思っている。

未だに大したことのない人間ではあるが、自身の在り方に自信はある。
そして"無知の知"を意識して日々新たな情報や知識を身につけることを楽しんでいる。

無知の知を得た後にすべきこと

少しロジカルな話になるが、前述の通り、自分がなぜ不完全なのか?どこが不完全なのか?を構造分解し、どうすればそれらが向上するのか?を常に意識して生きていくことが重要だ。
理論的な自己分析から始めるのが良いだろう。

人間は濃淡あれど、全て下記の4象限のいずれかに属する。

周りの人や自分自身がどのあたりに属するか、おおよそ見立てが付くのではないか?
どうだろうか?

さて、自分の無知を構造分解した結果、さまざまな要素が出てくるだろうが、おおよそにして自分の知識・情報の不足具合がわかってくるはずだ。
そして、知識・情報の量と質が人間性の良し悪しにも関連してくると私は考えている。

下手をすると差別的な発言と捉えられかねないので念の為に補足するが、「知識・情報」というのは、どの国や地域、時代においても、その本人が属する状況や文化の中で生きていく上で身につけるべき智恵、と考えてもらえればいい。
捉え方によっては炎上の要素を孕んでいることを言っていると思うがおそらくこれは事実だ。

君たちには、上記4象限の右上のできるだけ右上にいて欲しいし、そういう人たちとの付き合いを大切にしてほしい。
今の私自身のレベルは高いものではないが、ありがたいことに右上の人たちに恵まれて生きている。

つまり、知識・情報の質と量を上げることで人間的に成長できる余地が大いにあるということを私は伝えたい。

では、知識・情報の量と質を上げていくためにどうするか?
おすすめは以下の3つだ。

  • 読書をする

  • 多様な人と会う

  • 常に新しい環境に身を置く

読書をする
とにかく本を読んで欲しい。ビジネス書でも良いし哲学書でも良い。小説でもいいだろう。
本というのは、偉大な先輩方の考え方や知識がギュッと詰まった人生の教科書だ。
私はビジネス書や実用本で具体を学んで左脳を活性化させ、哲学書、小説に読み浸って右脳を活性化させることを意識的にしている。
それぞれの共通点や関係性が見えてきたりすればなおのこと面白い。
読書は脳を活性化させ、新たな知識や情報という栄養を自分の脳に送り込む最高のツールだ。

多様な人と会う
人との出会いで人生が大きく変わることがよくある。
上述の、お世話になった社長との出会いをはじめ、人生の転機には常に人との出会いがあった。
当然、波長の合わない人に出会うこともある。
しかしそれも学びだ。
人に会い、さまざまな人の感性に触れ、知識を習得することで人間的に成長していける。
できれば国内に収まらず、世界中の人々と繋がって欲しいと思う。

常に新しい環境に身を置く
環境は思考に大きな影響を及ぼす。
今君たちに家と学校(もしくは職場)以外に居場所はあるだろうか?
もしないのなら、意識的に旅をしたり、働く場所を変えてみたり、生活圏を変えてみたりしてみることをお勧めする。
こと今の私においては、地方の仕事で入り浸りになってしまっているが、かつて世界中を飛び回っていろんな環境で仕事をして得た経験や人脈を仙台という地に還元したいと思っている。
そして数年後にまた、どこかへ行くのだろう。

君たちが生きる時代は今よりもはるかにボーダレスで仕事や生活ができるインフラが整っているだろう。

少し話が逸れてしまったような気がするが、つまり言いたいのは、
・”無知の知”を認識し
・それらを構造分解し、
・向上に努めよ
という極めて単純なメッセージだ。

届いているだろうか?
ここまで読んでくれてありがとう。

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