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君の鳥は歌える/私の猫は吐く

本を読むagain

久々に本を読むサイクルが回ってきた。佐藤泰志の小説を何冊か図書館で借りる。『君の鳥は歌える』の冒頭数ページだけで持っていかれる。

佐藤はそのうち読むだろうと思ったまま何年も放置していた作家で、放置しすぎて読んだ気にすらなっていた。実際読んでみるとやはり面白い。
いわゆる青春小説だ。彼らは自分が「もっとも美しい年齢」だなんて思っていない。登場人物にシンクロしすぎると読めなくなるタイプの面白さで、もし私が登場人物らと同じ20代前半だったら楽しめなかったと思う。

読書の傾向として段々と小説が読めなくなってきて、読んでも昔読んだものを再読するばかりになっている。心の中で物語を受け入れる部位が硬直している気がする。
実際に物語を読むのと評論やノンフィクションを読むのでは気分的なハードルが違う。後者は第三者的な事実だが、物語はその作者の一人称的な事実だ。そうしたものを受け容れる柔軟さが不足しがち。
ただ佐藤の作品は割とすんなり入ってくる。まだ数ページだけど。

忍び寄る猫と冬

明け方になると布団から脱け出る猫の気配で目が覚める。その朝も朝食の催促だと思って寝ていたらゲロを吐いた。わざわざ布団の外で吐く気遣いには感謝だが。
めっきり老け込んだ老猫だが食事と爪切りには機敏に反応をする。そして嘔吐も。

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