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深淵を覗く。「1 LUNATIC 1 ICE PICK」

※人や動物を傷つける表現があり、非常にグロテスクで残酷な表現があります。閲覧には注意してください。

 カナディアン・サイコ、ルーカ・マグノッタ(Luka Rocco Magnotta)は1982年カナダ・オンタリオ州スカーバラで本名エリック・クリントン・カーク・ニューマンとして生まれた。彼の父親は偏執性統合失調症、鬱病と診断されていた。母親は清潔への執着があり、掃除のために子供を家から締め出すこともあった。風変わりな少年だったのかマグノッタは中学時代にはいじめにあっていた。

 両親はマグノッタが10代のときに離婚している。自我が芽生えるとともに彼は俳優のジェームズ・ディーンに憧れるようになり、化粧をし口紅をつけたり、ウィッグを着用したりしていた。彼はゲイで、後には整形手術も行っていた。
 その後ストリッパーの免許を取得し、トロントで有名な「レミントンズ」というゲイバーで、「エンジェル」という名前でストリッパーや売春婦として働き始め、同性愛の雑誌にピンナップモデルとして登場したこともある。
 2006年に正式にルーカ・マグノッタに改名しポルノ映画に俳優として出演したこともあった。

 彼は2010年、子猫2匹をビニール袋に入れ、その中の空気を吸い込んで窒息死させる動画をネットに投稿した。そのコンテンツは「vacuum kitten kille(バキューム子猫殺し)」と言われ、動物愛護のネットユーザーが個人を特定しようと活動するほどに炎上した。

vacuum kitten kille

 そして2012年5月25日、「1Lunatic 1Ice pick」を含む11分のビデオがBestgore.comにアップロードされた。

 そして2012年5月29日、一人の中国人男性が行方不明になったことがわかった。さらに、カナダの首都オタワにある与党・保守系本部に、切断された人間の足が入った小包が、野党・自由党には切断された手が送り付けられた。これらはモントリオールから送られており、モントリオールではスーツケースに入れられた人間の胴体がゴミ捨て場に遺棄されているのが発見される。
 それらのバラバラ遺体は全て同じ人間のものであることが判明した。それらは中国人・林俊(Jun Lin:33歳)のものであった。
 林は2011年7月からカナダに留学しており、マグノッタと交際していた。彼は林を殺害後、バラバラにしてその時の映像をビデオで撮影し、ネットにアップした。
 さらにマグノッタの住んでいるアパートの建物の近くのゴミの山の中から胴体部分が見つかった。そして建物の監視カメラからマグノッタらしき人物が映っており、捜査当局はマグノッタのアパートに踏み込んだ。彼はすでに海外に出発していることが判明し、カナダ全土に逮捕令状が出され、インターポールにも捜査が要請された。
 その後、2012年6月4日に彼はドイツで逮捕された。2014年に終身刑を言い渡され、現在ケベックの刑務所に収監され、25年後の仮釈放を待っている。

※これから動画の内容について触れるため、グロテスクで暴力的な表現に気分を悪くされる方は見ないで下さい。

 有名なグロサイトBestgoreにアップされた内容は以下の通りである。

0:00〜0:09 ベッドに寝かされている被害者の頭のあたりをマグノッタが撫でる。
0:10〜0:55 場面が切り替わり、マグノッタが被害者の体にまたがる。その後、被害者の顔のアップ映像。
0:56~2:23 場面が切り替わりアイスピックで被害者の腹や胸を執拗に刺す。すでに死んでいるのか反応は全くない。
2:24~2:48 胴、頭、脚の順に被害者を写していく。既に首は切断されており、脚にも切り裂かれた痕がある。
2:49~3:43 被害者の太ももや腕を何か所も切り裂く。場面が切り替わり、何かのポスターや被害者の体のアップ。
3:44~4:00 切断された被害者の頭を網のようなものに載せ、コロコロと転がす。
4:01~4:59 被害者の右腕を肩のあたりから切断しようとし、背中を数ヵ所切り裂く。
5:00~5:40 切断した右腕を使ってオナニーをする。
5:41~6:11 左足以外全て切断された被害者の胴体やその切り口を写す。その後、残った左足も切断する。
6:12~6:31 死姦(アナルファック)のようなことをする。
6:32~8:13 ナイフとフォークを使い、死体の尻肉を切り取るが上手く切れない。
8:14~9:06 犬に死体を食べさせる。
9:14~9:57 被害者を瓶を使ってアナルファックし被害者の腕でオナニーする。
9:58~10:24 切断された腕や頭などの写真のスライドショーで終了する。
 この動画に流れている音楽はNew Orderの「True Faith」だ。


 これこそが、快楽殺人犯が殺害自体を楽しんだ後、死体を処理するまでに何をしているかが最もわかる非常に優秀な記録映像だ。
 臓物と体液の匂いに塗れ、どんなファンタジーを実践しようとしていたか、性的サディストたちの究極の自慰行為の内容がわかるものだ。
 相手からの抵抗もない、邪魔も入らない中でどのような快楽を実行しようとしたのか、これらはグロテスクで残酷だが、これまで実行者本人にしか語られなかった行為の実際が客観的記録として残されることになった。
 New orderの名曲を乗せることで非常にインモラルで退廃的な動画に見えるが、中身はゲイの殺人者の反吐の出る自慰行為を延々と見さされているだけだ。もはやこの動画は回収不可能で、「ウクライナ21」と同様ショッキング映像の黎明期の代表的作品となっている。
 いつの時代にもこのような奴らは存在していたはずだが、インターネットとテクノロジーが更新により鮮明に見えるようになっただけだ。

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