宇野

作家。人間は好きかもしれない。

宇野

作家。人間は好きかもしれない。

最近の記事

酔っ払って優しくされるほうが怖いんじゃないの、逆に

 サシ飲みで「何話そう」ってどこか──料理、テレビ、あるいは友達の手元を見てしまう時間が苦手。ずっと慣れないのだと思う。  個人的に、同じ料理を半分こして「これ美味くね?」って言い合う時間で十分だと思っている。もちろん近況報告等、話したいこともあるが、いつか話題も尽きる。それゆえ、長く滞在できない。もって3時間。健全。(しかも、「眠い」と素直に口に出してしまうので「帰る?」って言われる始末)  何度かサシ飲みに行き、前回と酔ったテンションが違うと「気遣わせてしまってるのか

    • もう制服を着なくても会えるらしい

       会う場所が、教室から居酒屋に変わった。  制服を着ていると、みんな同じように見えてしまうけど、それも必要なく、私服を着て会う。好きなように髪を巻く。メイクをする。その時間は自分を好きになれていることに、ようやく最近気がつけるようになった。  お酒を飲むと性格は変わるものだと思っていた。水みたいに口から言葉が出てきたり、「酔っちゃった〜」って甘えてみたり。(死んでもできないと思うしやりたくもない)  実際、今のところは残念ながらそんなこともなく、いつもと変わらず、記憶も理

      • 私なりの速度

         「オードブル、70パック作って」と言われて、結局私は40パックしか作れず、先に担当していた分を作り終えた二人の(多分)高校生の女の子が手伝ってくれた。  短期バイトで、日々惣菜のパック詰めをしている。あまり人と喋らなくていいし、黙々とできるし、最高ではないかと思っていた。  一昨日、高校生の女の子の一人と一緒にご飯を食べて、仲良くなれたと安心していたけど、今日更衣室で挨拶すると、まるで初対面かのようなトーンで「おはようございます」と返されて、喉を針で刺されたような気分に

        • もう集まらない四人

           できれば、似た人と友達になりたいと思っている。無意識にというか、ほとんど意図的だ。  二人組、あるいはグループになってください。と言われると、自然と仲いい友達のところに行ってしまう。それでも余ってしまうときはある。  確か高校二年のとき、家庭科の授業で調理実習があった。そのグループを作るときは困った。仲いい友達は他クラスだし、クラスメイトと話せるには話せるけど、移動教室で一緒に行くほど仲良くはない。ほとんど苗字呼びで止まっている。  案の定、私は余り、結果的に珍しいメン

        酔っ払って優しくされるほうが怖いんじゃないの、逆に

          夏休みの最終日

           よく「一人が好き」と言っていた。 昼休みは、図書室に逃げる学生だった。 一人で大丈夫だ!と錯覚していた。  何故だったのか。  歳をとるにつれ、段々と平気ではなくなることが増えるような気がする。少しは大人になったということなのだろうか。  もう、誰とも会っていない。 ずっと、夏休みの最終日を繰り返している。 宿題が一つも終わっていない感覚だ。 適当に済ませることもできない。 最初の一週間くらいは楽しいけど、徐々に現実が押し寄せてきてしまう感じ。何事も続けることは難しい

          夏休みの最終日

          「呼び捨てしていいよ」

           呼び捨てするような間柄の友達がいない。別に、それが良い悪いといった話をしたいわけではない。  中学時代、仲良くしてくれた女の子が二人いた。移動教室やら体育の時間やら、いつも一緒に行動したことを覚えている。「彼氏がさ〜」などと、少し背伸びしたい年頃だったのか、そういう可愛い話も沢山した。  「私のこと、呼び捨てしていいよ」と言ってくれた日のことを、いまだに覚えている。当時の高揚感も思い出せる。ちゃん付け→呼び捨てにレベルアップすると、何だか関係性が特別になってしまったような

          「呼び捨てしていいよ」

          日々の副作用

           思い返せば、幼少期から身体は弱かった。生きているのが奇跡みたいな状態。何度か手術もしたし、それも憶えている。母親が付き添ってくれたこととか、あの病室の感じとか、一緒に観たテレビとか。よく頑張ったなと思う。小さいながら。  小学生の頃、風邪ばかり引いて、学校を休みまくっていた。双子揃ってインフルエンザにかかっていたし。中学の記憶は無いといえば嘘になるが、それなりに楽しく学校に通って、高校は休まなかった。小学生時代の体調不良が嘘みたいに。  ゆえ、強くなったんだと思ってた。

          日々の副作用

          意図的に、水溜まりを踏み歩く。

           シナセンの基礎科を卒業して、研修科に進級した。今日、その初日だった。  昨夜、あまりにも行きたくなくて、「朝が来ない方法」とか調べてた。朝は来た。  雑談が苦手だということに、最近ようやく気がついた。一対一なら、集中して話せる。しかし、三人以上になると、話を聞いて、何の話をしているのか整理して、相槌を打って、今話を振られたら何を答えよう……などと考えてしまう。よって、私は聞き役に回ってしまう。人ってこんなに黙っていられるんだと驚くほどに、声を出さないでいられる。すごいな

          意図的に、水溜まりを踏み歩く。

          短編脚本『成長痛』(ペラ8枚)

           シナリオ・センターの課題『一年後』で書いた短編です。 〈あらすじ〉  三雲空(18)は、幼馴染・芥川千秋(18)が書く小説が好きだった。 変わろうとしないように努めていた、空。 一年で変わってしまった、芥川。 私達はさ、一体どこにいくんだろうね。 〈登場人物〉 三雲空(18)(19)  ……高校生→大学生 芥川千秋(18)(19) ……空の幼馴染 大学の生徒 〇三雲家・空の部屋(夜)    三雲空(18)、読書している。 〇芥川家・千秋の部屋(夜)    芥川千秋(

          短編脚本『成長痛』(ペラ8枚)

          たのしい呪い

           街中を歩くと、新入生や新社会人が多く見受けられる時期になった。そういう人々を眺めては、ひどく虚しい気持ちになる。世界の全てが眩しく見える。“春は出会いの季節”だとか言われるが、そんなのどうでもいい。  いつ入学式が行われるのかも忘れてしまった。あの時期の高揚感や、一人一人が自己紹介する教室の空気も、いつか忘れてしまうのだろうか。  毎週、課題に追われている。夏休み、最後の一週間を何度も過ごしていて、パソコンを開くたびに、得体の知れない真っ黒な塊に包まれている感覚に襲われる

          たのしい呪い

          無音の環境で眠ることができず、希死念慮が襲い、コンビニデザートを眺めて自己嫌悪に陥る。

           昨日、心療内科の予約をしようとサイトを開いた。予約できなかった。病院まで徒歩四分なのに、行ける気がしなかった。  行った方が良いとは思ってる。最近、結構しんどい日々が続いているし、行かなければいけないんだろうとも思う。しかし、外に出るということも出来そうになかった。  無音の中で眠ることができず、ずっとテレビをつけている。一人が怖い。最近までは部屋を明るくしないと眠れないという、小学生なのかと疑いたくなるような行為をしていた。それは何とか改善されている。  私は普通のこ

          無音の環境で眠ることができず、希死念慮が襲い、コンビニデザートを眺めて自己嫌悪に陥る。

          若くて死にそうになる夜

           この気持をTwitterで吐き出すことは如何なものか。そう思って筆を執った次第です。  いや、Twitterにぼそぼそと書いてはいるけど、もっと長く書きたいなと。そんな感じ。  どこから書けば良いのか分からないが、夜って色々考えて、ぼろぼろ泣いちゃうことが多い。  昨日も家族は元気だろうか、とかそんなことで泣いた。私は、何だかよく分からないことで泣く。ちなみに、今も書きながら泣いている。幼い頃は、泣かない子だったんだけどな。  シナリオ・センターという脚本の学校に入学

          若くて死にそうになる夜

          【怪談】「鍵、ちゃんと掛けないとねぇ」

           夢って、支離滅裂ですよね。 唐突に違う場所に移動したり、夢を見ている最中はそうでもなかったのに、目覚めた瞬間「あれ?」って違和感を覚えたり。  友人のAさんが変な夢を見たようで、私に話してくれました。  夢の中で、気がつくとAさんは妹と一軒家に住んでいたそうです。実際、マンションで二人暮らしをしているのですが、夢の中で一軒家に住んでいることに何の疑問も抱かないまま、そのまま夢は進んでいったみたいで。  リビングみたいなところにAさんは居たらしく、そこにテレビがあるんで

          【怪談】「鍵、ちゃんと掛けないとねぇ」

          無職になった。猫になりたい。

           二か月ぶりの更新。 文学フリマに行ったり、ライブに行ったり、色々ありまして。  そんな二か月の間に、無職になった。学校を辞めた。 後悔していないと言えば、どうだろう。たまに思うことはある。  あるオーディションを受けた。「職業は?」と訊かれる。「無職です」とは、流石に言えなかった。かと言って、バイトもしていないのに「フリーターです」と答えることには抵抗があった。結果、「短大生」と答えるしかなかった。結局、人間は肩書を欲しがる生き物なのかもしれない。私だけかもしれない。

          無職になった。猫になりたい。

          また生きる理由が増えたので、八月まで生きられたら良い

          ※どうか軽めに読んでくださいな\(^^)/  あーあ、目が覚めたら八月になってねえかな。と、毎日期待しながら目を覚ましては、未だに一日しか経ってないという現実に落胆しながら生きております。 皆様ね、お元気でしょうか。元気だといいですよ。もう、私は引き篭もって書きまくるという(良い意味で)最低なゴミ生活を送っているのでね、そんな人間に比べたら皆んな偉いです。  最近ね、泣くことが増えたね。あと、驚くほど寝る。私は歴とした夜型人間なのですが、目が覚めたら午後が顔を出してます

          また生きる理由が増えたので、八月まで生きられたら良い

          [ 宣伝 ]私はこんな生徒になりたかった

           お元気でしょうか。何とか体調を取り戻しております。  さてさて、『小説家になろう』『カクヨム』そして新しく始めた『ノベルアップ+』にて、新作を投稿致しました。  『進路死亡調査』という話になります。大人が勝手に俺の進路決めんな、みたいな話です。現在、私が進路について悩んでいるものですから、何となく書き留めておきたいと書いた所存です。  就職と進路の二択を迫られた高校時代を思い返すと、それ以外の選択肢を見失っていたような記憶があります。主人公には、高校時代に私が大人に言

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