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日々の副作用

 思い返せば、幼少期から身体は弱かった。生きているのが奇跡みたいな状態。何度か手術もしたし、それも憶えている。母親が付き添ってくれたこととか、あの病室の感じとか、一緒に観たテレビとか。よく頑張ったなと思う。小さいながら。

 小学生の頃、風邪ばかり引いて、学校を休みまくっていた。双子揃ってインフルエンザにかかっていたし。中学の記憶は無いといえば嘘になるが、それなりに楽しく学校に通って、高校は休まなかった。小学生時代の体調不良が嘘みたいに。

 ゆえ、強くなったんだと思ってた。錯覚と言った方が正しいか。頑張れば行けるし、それが当たり前みたいになってた。きっと、かなり無理していたのだろう。今は、見る影もない。

 最近、面と向かって話した人。妹、コンビニの店員さん、病院の先生。それぐらいだ。悲しい人間だと思う。
 夜、妹が友達に会いに出掛けてしまえば、私は一人になる。声を出さない行為は、楽でありながら、一番苦しい。何事にも限界はあるものだ。

 調べたら、うつ病の原因はストレスらしい。今のストレスは何なのだろうと考えて、自分自身なのかもしれないという結論に辿り着いた。もしそうだとすれば、一生逃れられない。
 こんなはずじゃなかったと、何度も頭の中で繰り返している。こんなはずじゃなかった。こんな人生のはずじゃない。もっと、もっと、周りに友達が居て、色んなところに出掛けて、カラオケとか行ってさ、高校生みたいに盛り上がって。

 理想なんて、語るものじゃないのかも。

 見えなくなったら、絶望してしまうから。

 薬の副作用で、倒れるように横になっている。もう、私のどこが良いのか、悪いのか、何も判らない。性格の全てが短所に思えてしまう。
 高校受験か何かの面接で、長所を訊かれて何と答えたか。真面目だとか、優しいだとか、そういったありふれたものを答えた気がするけれど、もうそんな長所(らしきもの)が裏目に出ている。

 優しい人や真面目な人が、うつになりやすいんだって。私は、どう学校生活を過ごしたらよかったんだろう。そういうことを教えてほしかった。

 先週、クリニックに行った時、デイケアに興味があることも、入院したいことも、何も言えなかった。ずっと言えないままかもしれない。いつまで、飲み込んで生きたらいいのか。

 課題も、今日は書こうと思った。パソコン開こうって、充電もしたのに、身体が許してくれなかった。今は休むべきかもしれないが、休んでも休んでも、休んだ気にならない。休み方も分からない。動かなきゃって思うけど、動けない。

 よく寝てしまうことが増えた。副作用も含まれてるかもしれない。それで、やはりテレビを点けるか、音楽を流していないと、眠れない。隣で、妹が寝ていたら、少しは安心するけれど、耐えられなくなりそうになる。
 一人、部屋に居ることが怖くて、外に飛び出したくなる衝動に駆られる時があるけれど、人が沢山居る場所に行くことさえも、怖くて、結局一人。

 今日も、明日も、きっと一人。

 生きなくなったら、音は聞こえなくなるかな。

 明日が、来ますように。
 お願いだから、朝なんて、来ませんように。

 もっと、真っ当に生きたかったです。


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