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#25.SOMEWHERE (2010)【偏愛的映画のすゝめ】

乾燥で指先のあかぎれが痛い今日この頃。

控えめに更新中の映画まとめ。第25回は、ソフィア・コッポラ監督作品の『SOMEWHERE』です。
2018年 / アメリカ / 98分。

どうしてだろう、娘との時間が美しいのは。 

ハリウッドの映画スター、ジョニー・マルコ。彼はロサンゼルスのホテル“シャトー・マーモント"を仮住まいにし、
高級車を乗り回してはパーティーで酒と女に明け暮れ、まさにセレブリティらしい華やかな生活を送っていた。
しかし、それらはいずれも孤独な彼の空虚感を紛らわすだけのものに過ぎなかった。
そんな彼が大切にしているのは、前妻と同居する11歳の娘クレオとの親子の短いひとときだった。
自堕落な日常を過ごす彼だったが、母親の突然の長期不在により、無期限でクレオの面倒を見ることになる。
やがて、映画賞の授賞式出席のためクレオと一緒にイタリアへと向かうジョニーだったが…。 

この作品を端的に表現すると、、、

社会的成功と空虚感の混在


主人公は俳優として活動し、名声を得ている"セレブ"階級。そのため、必要なものはなんでも手に入れることができる。序盤の出前式ポールダンスなんかもその1つで、この映画の印象的な場面の一つです。

しかし彼は家族関係に問題を抱えていて一人暮らしを続けており、彼自身もそこに孤独感を覚えている。そんな中、突然娘の面倒を見ることになる。そこからの彼の心の変化に胸が温かくなるのです。

娘との日常生活の何気ない瞬間が、俳優として表舞台で活躍するとき以上の輝きをもって自分を豊かにする。そんな描写がたくさん盛り込まれており、とても雰囲気のよい(ハイレベルな)日常系作品に仕上がっています。

親は子によって親にさせてもらえる。
そう感じた素敵な作品です。

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