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八戸の乙女の祈り

(居間 theater 東)

八戸の中心街や美術館前にいるとよく、ある曲を耳にする。
乙女の祈り」である。

今まで知らなかったのだが、作曲はポーランドの作曲家・バダジェフスカ

東京駅の東海道新幹線の安全柵の音とかに使われている。

八戸では主に中心街の交差点でこの音が鳴る。
信号が青になると毎回、乙女の祈りが流れてくるのでなんだか優雅な気持ちになる。しかも八戸の場合はピアノ音の乙女の祈りだ。
交差点の角で録音してみる。

この、信号で音がなるシステムは正式には「視覚障害者用付加装置」というらしく、調べたところこの視覚障害者用付加装置の音は色々なバリエーションがあったらしいのだが、1975年に警視庁が流れる音を、
①曲が流れるメロディー式の「通りゃんせ」「故郷の空」
②鳥の鳴き声のような音が一定間隔で出る擬音式
の二種類に統一したという。

さらに2003年には②の擬音式に一本化する方針を決めたという。

擬音式一本化の背景は、視覚障害を持つ方が信号を渡りやすくするために、鳥の声が双方から鳴る「鳴き交わし方式」の信号機の整備が進められたからという理由があるらしい。
(ほかにもいくつか理由があると言われている。設置予算が安い、メロディ式の場合の騒音問題…など。)


乙女の祈りは、八戸以外にも弘前、青森始め、青森の各地で鳴っている。
(以前、弘前に行った際に実際に耳にした。)
青森のご当地信号機ミュージックなのである。

とはいえ全国的には擬音式の数が増えていて、各地のメロディ式は少しずつ減っている傾向にあるようだ。
乙女の祈りも今後、老朽化などによって修繕・撤去などされると、消えていく可能性もあるかもしれない。

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