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犬とわたしの「待て」問題

わたしだって、いつかは褒美がほしいのだ!

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言葉というのは不思議なもので、
なんとなしに耳に入ってくるだけで、
自分が思っている以上に影響をうける。

だからこそ、
「ネガティブなことは口にしない方がいい」
とかとか、巷では色々言われているけれど、
まあ、そんなことはもうどうだっていいのだ。

問題は、犬である。
そう、わんちゃんだ。

わたしは、
晴れた休日のほとんどを公園で過ごすから、
犬との遭遇率は中々のもの。

そして、度々
「犬とわたしの待て問題」に直面する。

というのも、
犬に「待て」をしている人をみると、
わたしもなんだか「待て」な気分になって、
じっと身構えてしまうのだ。

その司令が聴こえてきたら最後、
本を読んでいる振りや、
遠くの空を眺める振りをしながら、
わたしは素知らぬ顔でピタリと動きを止め、
「待て」が解かれるのを
耳をすませて待っている。

同じく「待て」している犬に対しては、
「いっしょに耐え抜こうな!」
という仲間意識よりも、
「わたしの方が上手くやり切ってみせる!」
と張り合う気持ちの方が強い。

「待て」の一言からはじまる
静かに研ぎ澄まされたその時間は、
犬と飼い主、そしてわたしの
三つ巴の戦いといってもいい。

たいてい、その戦いのあと、
犬はご褒美をもらえるのだけど、
わたしはいつだって何ももらえない。
つまりは、負けなのだ。
まだまだ修行がたりない。

もし、お外で犬に
「待て」をすることがあったら、
ちらりと周りを見渡してみてほしい。

目の前のかわいい犬のほかに、
素知らぬ顔をして
じっと身を固くしている人が
いるかもしれない。

そして、もし上手に「待て」できていたら、
どうか一言お褒めいただきたい!
しっぽを振って喜んでみせる。

「犬とわたしの待て問題」は、
わたしが褒めてもらえる日がきたら
解決としようかな。
それまでは、日々精進なのである。


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