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rakugaki_8「タマンダーラに行こう!」

子供たち

上を見上げている娘の絵は、<rakugaki_3>で取り上げた、2010年年末の日清「インスタントラーメン発明記念館」のときです。
息子と娘の絵は、そのときから半年ほど前にさかのぼった、お盆時期のもの。

この年、家族でお盆の期間を利用して何処に行こうか?と悩んでいました。

わざわざ混んでいる時期に、混んでいる場所に飛び込む勇気もないですし。

水気の所は間違いなく、混んでいるでしょ?

海とかプールとか。

じゃあ、山だ。

それも山奥だな・・・と。

ただ山奥に行っても暑いし、山奥で涼しい所。

日が当たらない・・・どうくつ・・・洞窟?・・・もっと涼しそうな所・・・しょうにゅうどう?・・・おぉ、鍾乳洞!

みたいな発想(笑)

鍾乳洞って見に行った確実な記憶がありません。

行ったことがあるんじゃないか?という、僅かな子供の頃の記憶で曖昧です。

鍾乳洞らしき所に行ったことがあるに違いない、何処の鍾乳洞だか知らないが・・・みたいな。

じゃあ確かな記憶を作ろうじゃないかと。

幾つか鍾乳洞の候補をあげてみます。

あげてみて、どこもアクセスが悪い(苦笑)

鍾乳洞ってたいがい山奥だから、そりゃそうですよね。

アクセス「最悪」の中の「悪い」を選んだ感じ?

まあ、「最悪」よりマシですもんね。

このときに向かったのが、奈良県吉野郡天川村洞川の「五代松(ごよまつ)鍾乳洞」です。

余り人が行かないであろう場所を探し出したので、誰も知るまいなのです。

自宅から電車をJR、近鉄と乗り換えバスに乗り継ぎ、最終停車場の「洞川(どろがわ)温泉」まで、なんと3時間以上かかりましたよ。

さすが「誰も知るまい」という場所!

バス停から少し歩くと「洞川のむかし話 其の十 洞川のタマンダーラ伝説」という立て札を発見。

タマンダーラ伝説

ここに小判千両を埋めたことを歌ったものである。

しかし小判を求めて多くの人が、歌にあるような場所を掘ったが、未だ見つかっていない。」

「タマンダーラ」って何だかインドっぽい。

そして、これって「ゴールドラッシュ伝説」ですよね。

洞川温泉は大峯山(おおみねさん)から発し、熊野川の源流となっている山上川のほとり、標高約820m余りの高地に位置する冷涼な山里です。

その冷涼な気候から関西の軽井沢とも呼ばれているとか。

左右の道には趣のある旅館や民宿や土産物店が連ねています。

そこを抜けてずんずんと歩いて行くと、鬱蒼とした山道になります。

山道でまた立て札を発見。

「洞川のむかし話 其の六 黒門と貝初(延命)地蔵」ですって。

「むかし、大峯参りの行者はとうろうの岩屋で体を清めた後、この黒門を通って大峯に向かったと言う。

その折、法螺貝を吹いてこの地蔵尊に参ったので『貝初(延命)地蔵』と呼ばれるようになった。

この黒門が大峯参りの始まりにあたるので、この辺りには記念碑が多くみられる。」

だそうです。

40分ほど歩いたでしょうか。

「ごろごろ茶屋」に着きました。

「ごろごろ茶屋」では「ごろごろ水」の採水所になっています。

名水百選 ごろごろ水

奈良県吉野郡天川村に湧き出る超天然水「ごろごろ水」は環境省指定の日本名水百選、国土交通省指定の水の郷24選、奈良県指定のやまとの水です。

もちろんここにも「洞川のむかし話 其の七 名水ごろごろ水」の立て札が。

「古くは『仏木秘水』と呼ばれ、大峯参りの行者たちが、この水でのどを潤したと言う。

この前を通ると、一瞬の涼しさを感じるとともに岩の間より『ごろごろ』という音が聞こえた。

いつしか地元の人々は、この水のことを『ごろごろ水』と呼ぶようになり、今日まで大切に守ってきた。

今では、すばらしい名水として、多くの人たちに利用されている。」

HPによると「毎日の飲水としても、また料理やお茶・コーヒーなどの本当の味を引き出すことができ、今まで体験できなかったおいしさを味わえます。

毎日飲用していると便秘や吹き出物(アトピー)などに良いとされ、また、ガンを抑制する成分も含まれている他に類を見ない超天然水です。」ですって?

今となっては、スーパーとかのPOPで訴求することができない、効果効能のオンパレード!(笑)

採水地は1300年にわたって保全されており、そのため鍾乳洞から湧き出る水は汚染されることなく、長い年月をかけて石灰岩層の中を通ってくるので、身体に必要なミネラル成分などを豊富に含んでいるそうな。

ごろごろ茶屋では車で来られている方たちが、ポリBOXにたくさん水を汲んでいました。

私も「ごろごろ水」を飲んでみたところ・・・普通の水の味しかしませんでした(笑)

そのまま真っ直ぐ歩いて行くと世界遺産の大峯山ですが、今回の目的は五代松鍾乳洞。

ごろごろ茶屋で五代松鍾乳洞の入場券を購入。

鍾乳洞までモノレールが出ていて、これに乗りたかったのですが、1時間に1本しか出ていなくて4名しか乗れません。

残念ですが諦めて、鍾乳洞まで歩くことに。

これが結構大変でした。

20分って書いていたので気軽な気持ちで登ったのですが、滑りやすい山道。

油断すると大変危険です。

なんとか無事に鍾乳洞の入口に辿り着きました。

何名か並んで待っています。

案内の方がいて、自由に鍾乳洞には入れないんですよね。

ヘルメットが配られ、いよいよ鍾乳洞内に。

狭い!マジ狭い!!

ヘルメットが配られた意味が分かりました。

しゃがみながら前進し、何度もヘルメットをぶつけました。

つまりヘルメットがなければ、頭を直に何度もぶつけていたかも。

五代松鍾乳洞

五代松鍾乳洞は昭和8年(1933年)に発見された鍾乳洞で発見者の赤井五代松氏の名をとって命名され、現在は県の天然記念物に指定されています。

正直言って狭く短くかなり小規模。

何億年の時を経てできた鍾乳洞ですが、ここまでくるのに苦労した割に10分ほどで終了し、あっけなかったです。

このままでは、3時間以上かけて来た甲斐がありません。

どうせならと、バス停に戻るのに違うルートを通って帰ることに。

まずは大原山の展望台に向かって登山です。

これがかなり辛かった。

2時間ほど、山中で過ごすことになりました。

もう足がパンパンです。

展望台もたいしたこともなく、見るものも特になし・・・。

下山するのに「かりがね橋」という橋を渡りました。

かりがね橋

全長120cmだそうです。

揺れるのが楽しい。

絵の息子と娘はこのときのものです。

下山後、急いでバス停に。

1時間に1本しかないから、乗れないと大変です。

バス停に向かう途中に「洞川のむかし話 其の弐 洞川八幡宮」の立て札を発見。

「この八幡宮は、天智天皇六年(六六七年)役の小角が大峯山入峰にあたり守護と祈誓成就のため祭祀したと伝えられている。

それ以来、洞川の氏神さまとして宮参りや厄年参りなど永く人々に親しまれてきている。

社殿の近くには、樹齢千年をこえる杉やケヤキの大木がみられる。

十月の秋季大祭は、神輿や餅まき、奉納演芸などでたいへん賑わいとなる。」

だそうです。

「洞川八幡宮」の中に入ってみたい気持ちを抑えて、バス停に急ぎます。

ぎりぎりバスの出発に間に合い、洞川温泉を後にしました。

駆け足過ぎるこの日帰り旅行でしたが、皆さまがタマンダーラに行く機会があるようでしたら、ぜひ立て札のコンプリートを目指してみてください。

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