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28.ドラム缶風呂(米川さんの絵本)

雨が降ると風呂に入れる。
天水の水がタンク一杯になるとドラム缶風呂だ。
身も心もすっきりする日。

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解説

ドラム缶とは石油、灯油などを入れる大きな筒状の金属製のタンク。
ドラム缶の片側の底の面を切取って水を入れる。
下から熱を加えると風呂になる。むかしの人はよくドラム缶を利用した。

補足

米川正利:
小屋では雨が降るとおふろにはいる、そんな生活でした。
川は雪どけ時は流れているけれど、それ以外は流れていません。
露などの水を貯めてお風呂にはいったりしているからあまり入れません。
だから、雨がふると皆で裸でとびだして、それで雨にあたって身体を洗うという事をしていました。
そんな貴重な水をドラム缶にいれてはいっている絵です。
冬は雪をとかしてはいったりしていましたが、雪はものすごく少ない水量となってしまいます。
小屋には昔はお風呂の小屋もあったのですが、そこで焚くよりも入りに行ったほうがはやいです。
今でも風呂はありません。小屋で薪や燃料を空輸してあげて焚くよりも
渋辰野館とか唐沢鉱泉までに入りにいったほうがよいです。
ストーブも最初はドラム缶改造したやつですね、てづくりの薪ストーブを使っていました。
あんなお洒落なものじゃなかったです。
小屋は最初は平屋、お勝手の所を建てかえして、2階にして、3部屋にして。
saitou:
冬は寒かったのではないですか?
米川啓子:
もともと寒かったから。そのころ、ドラム缶ストーブが自炊場のところにありました。
米川正利:
入口にあったからね。
食道は石油ストーブを3つくらい置いて食べて。
saitou:
寝るときは消して?
米川正利・啓子:
もちろんもちろん。火が危ないから。
もともと寒いから、マイナス30度くらい。みんな、防寒具きて寝てましたから。最初は豆炭コタツ。寝る時は防寒着。
そのうちひとりひとりの豆炭あんかができて、お客さんにもひとつづつ渡すようになりました。
米川啓子:
お食事だすときも、朝とか、もちろん凍っちゃうから、物はみんな凍っているのね。だから温かいのをだすようにして。凍ったものをはやくおきて溶かして、そこからはじめました。
saitou:
何時くらいから?
米川正利啓子:
朝ははやかったねぇ、4時っていえば起きていた。
だから、お水もちゃんと前の日にお釜にいれておいて。
水汲みからはじめたら全然できないから、夜のうちにお釜や鍋に水をいれておいて、火をつければ水になるように。
saitou:
たいへんでしたね
米川啓子:
それが生活だから。
山がすてきだなんて、、最初のうちだけで、あとは、えーーって(笑)
saitou:
里でも、いまだって牛乳を外に置いとけば凍って割れますものね。
じゃ、水は雪をとかしたものをためて?
米川啓子:
そう、最初は嫁に来た頃は、氷じゃなくて雪でした。
だから下のほうに土が残ったり、それを毎回全部手ぬぐいでこして(濾過して)それで使っていました。
saitou:
ヘリコプターがとぶようになったから水をあげるようになった?
米川正利・啓子:
大きな水槽をつくって、ヘリコプターであげて。
水槽をあげて、それで屋根から水をとったり、裏山から雪をとって、だからそこは人が入ってはいけない所になっていて。
冬は水槽の水がカチカチに凍るわけ。
あれにハシゴをかけておりていって、つるはしで割って、それが水のかわり。その水がないと大変なわけ。雪なんて知れたもんだから、いっぱい入れたってチョロッとしかならないから。氷は水になるから。
ドラム缶風呂なんて贅沢中の贅沢で。そんな毎日なんて、とんでもなかった。だって水も使うし。お客さんが来た時だけですね。
映画撮影していた時、千葉真一さんとか樫山文枝さんに入ってもらったりしてました。
いっぱいお水がある時ならいいんだけどね。
saitou:
冬は特にないから、とても重要だったんですね。
米川正利:
飲料水も、水がないとどうしようもない。水はいつの時代も貴重です。
でも、とってもドラム缶風呂は楽しかった。思い出もたくさんあります。

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お願い

お話ででてきました千葉真一さんと樫山文江さんが出演した映画のタイトルが不明です。ビデオがあったそうですが不明です。
盲目の主人公(千葉真一さん)が北八ヶ岳に登るお話です。小屋も映像に残っているはずです。
もし映画に詳しい方、映像が在る所をご存じの方は、フォームまたはコメントにてご連絡いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

上記を記載しましたが、そのあと米川さんがご自宅で探してくださり、ビデオがでてきました。

千葉真一さんと樫山文枝さんのテレビドラマだったそうです。
米川正利さんより説明いただいた内容は以下の通りです。
東芝日曜劇場 「足で見る山」です。
登山が好きだった男性が突然盲目になり、何時も登っていた天狗岳に奥さんの先導で登る話。
天狗岳で主人公の友達として私も出演しました。
茅野の家、黒百合ヒュッテも出ました。
懐かしい話ですが、古い話ですのでビデオが上手く入るか心配です。
残念ですがビデオの機械も有りません。

とのことでした。

映像媒体も時代でどんどん変わっていきます。
アーカイブとしても保存媒体は常に問題となっています。

検索をしましたら、
「ドラマ 詳細データ足で見る山」というサイトがありました。

http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-26626

なお、映画やテレビなどの俳優さん方について私が知識がなく、またとても疎いため、樫山さんのお名前を違うお名前で書いておりました。訂正しました。申し訳ございませんでした。ウィキペディアにも掲載されていました。とても多くの作品に出演されている方です。


米川さんの絵本校正中、引き続きよろしくお願いいたします。

おはなし絵:Yonekawa Masatoshi
共著:Yonekawa Keiko , Saitou

※この記事は米川さんの絵本proofreadマガジンに掲載中です。


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