見出し画像

更年期は自然の賜物 byオラヴ153/タロットで人生を詠む

お待たせいたしました。幸年吉日サークルのインタビューマガジン「聞かせて姉さん!」第一回目の配信です。編集長の谷川らなんと幸年吉日サークル代表のコノハナが更年期をご経験された先輩に「更年期」についてたっぷりお話を聞かせていただきましたよ。(事前に更年期についてのアンケートにご回答いただきました。それをもとにインタビューしています。)

ゲスト:オラヴ153/タロットで人生を詠む さん

https://note.com/ohlove153/n/na44f964993c9

 記念すべき第1回のゲストは幸年吉日サークルのメンバーでもあり毎朝タロット占いを配信されているオラヴ153さんです。今年の八月に開催された更年期宣言杯では更年期のご経験を詠んだ短歌と川柳が感動的でした。

更年期宣言杯について

(谷川らなん:以下 谷)オラヴさんは幸年吉日サークルの立ち上げのきっかけになった「更年期宣言杯2022」に四回ご応募されました。どんな思いがあって投稿されたのですか?

(オラヴ153:以下 オ)特に更年期にこだわってというより漠然としていて。母が亡くなってるんですけど意外と大変だったっていうのをちらっと思い出して。その時は流してたんですけど自分がその年齢に近くなってきたら、こういう不調って出てくるんだなってすごいわかって。そこにドンピシャで更年期のことを書きましょうっていうこと(更年期宣言杯2022)があったんで 。あーこれ書いてみようって言う感じで書いてみたんですよね。

更年期の始まり

「あれ?これなんだろう?」

(オ)なんかじわじわ来たなという感じがしました。あれ、これなんだろう、これなんかおかしいなとか、そうやって思って、始めは便秘だったんですね。ちゃんと毎日毎朝だったのが気がついたらあれ三日に一偏になっちゃたなとか、ほんとにひどくて一週間に一偏になっちゃったんですよ。それも調べたらそういうこともありますって書いてあったので。大腸の検査も受けてみて何にも異常なくて、こういうこと(更年期)なんだなあって感じで。

更年期に突入

溺れてるような感じ

(谷)婦人科に行かれたのはどういうきっかけからですか?

(オ)婦人科に行ったのはもっとひどくなって。夏バテからはじまったと思うんですけど。二回くらい倒れたことがあって。熱中症的な、どうも体調がよくないなっていうのがあって。熱中症はもう終わってるはずなんだけど、そこから起き上がれなくなったんですね。仕事にも行けなくなっちゃって退職することになったり。なんで、こんなに私気持ちが悪いんだろうとか。あと不安感です。外に出たら倒れるんじゃないかとか、迷惑をかけちゃうんじゃないか、とか。どうしようとか、もうそれがいっぱいになってしまって。外に出られなくなっちゃったんですね。そこから自分なりにスマホでいろいろ調べたりとかして、これはもしかしたら更年期的なものの不安感なのかな、っていう風にもう藁をもすがる思いで病院に電話をして、それでようやく行った感じです。

(谷)かかりつけの婦人科があったんですか?

(オ)全然なかったです。

(谷)だいぶしんどくなられてから受診されたんですね。

(オ)だいぶ落ちましたね、あの時。なんかもう自分終わったとか思っちゃって。二階のベッドに上がれなくなっちゃったんですよ。(一階の)リビングに布団引いて寝てるから楽かっていうと、寝てても気持ち悪くて、なんかすごく不安になったりとか、どうしようどうしようとかなって。あの時はもう本当になんか溺れてる感じでした。息が出来ないっていうか。そういうのがあって婦人科に行って調べてもらったら、更年期ど真ん中に入ってますねって数値が出て。

 検査をしてちゃんとお薬をもらってこれ更年期なんだなって分かったときに、ようやく落ち着いたって感じです。結局なんでこうなっちゃたんだろうって分からないときが一番こわかったので。ようやく、あーって。母も汗が止まんないっていう時と同じだったんだなって安心しました、ちょっと。

(谷)婦人科のお薬をもらって症状の方はどうなりましたか?

(オ)貼り薬みたいなのがあったんですよ。すごくよかったんですね、落ち着きました。それをお医者さんに聞いたら、あれだけやってると乳がんとか子宮がんになりやすいから今度はそれを抑える薬を処方してもらわないといけないんですけど、それをやったら今度は気持ち悪くなっちゃったんですね。それを先生にあれは「無理です。気持ち悪くなっちゃいました。」って言ったら漢方に切り替えましょうってなりました。

 漢方はずっと飲み続けないといけないものだと思うんですけど、そのあたりがアバウトで、大丈夫だなって思ってやめちゃったんですね。今のところそれで症状が悪化したということはなくて。

「ねをあげちゃいけない」をやめた

(コノハナ:以下 コ)更年期に人への見方が変わったということでしたが?

(オ)今までは他人を一生懸命みてたんですよ。人が困ってたら私が変わってあげますよ、みたいな。周りからみたら割と犠牲を払ってやってるね、みたいに言われたんですよ。あなたの問題も私の問題みたいに捉えて、私も一生懸命考えて答えを出さなきゃ、っていう風に頑張ってたところがあったんですけど、それが分離できた。それはあなたの問題だねとか。これは私の問題だねとか、あなたの問題に私はあまり介入しないとか。求められたら必要なことは言ってあげるけど。例えば「この日用事があるから仕事出られないんです」って言ったら、「私出ます」って。「それだと六連勤、七連勤になりますけど大丈夫?」て言われても「大丈夫です」ってその人のためだなって思って頑張ってやってたところがあって。段々それがそういうこともしんどくなったのかな。それが、(症状が)出るきっかけにもなっちゃったのかなって。だから、 そこが変わったかなーと。

(谷)体調の変化に伴って、そういうところが自分の負担になっていると気づかれたということですか?

(オ)そこでなんか自分を見たんですよね。私は何なんだろうとか。私ってどうしてここにいるんだろうとか、なんかすごく哲学的な感じにそういうモードになって・・・なんだろうな、自分が生きてるってこういうことなのかなって思ったんですけど。まあすごく自分がしんどいとか辛いとか、そういうことも今までは言わなかったんですよね。周りにも言わなかったし、自分にも認めなかったみたいなところがあったんで。昔的なうちの両親にしてもそうですけど、人生厳しくて当たり前なんだから頑張んなさいみたいな、根をあげちゃいけませんとか、そういうとこがあったんじゃないかなと思いました。で、それを違うんだな、辛いんだなあって分かると楽だったんです。なんか涙が出てきちゃった…。(ハンカチで涙をぬぐうオラヴさん)

(コ)ご自分を労わるようになったということですか?

(オ)うん、(自分を)大事にしなきゃなって感じ。

(谷)すごく大きな変化というか局面でしたね。

(オ)だったと思います。こんな泣くと思わなかったので。(ハンカチで涙をぬぐうオラブさん)

世間体を気にしなくなった

(コ)事前アンケートで「感情的になった」とあったのですが、具体的にはどういうことだったんですか?

(オ)ちょっとしたことで導火線が短くなってるというか、「え、今何それ」っていう感じでこうカチンときちゃうって言うんですかね。いつもだったら「ふーんそうだよね」って言ってたことに関しても、自分に悪いように捉えちゃうとか、あと責められてるように感じちゃうとか、いろいろありましたね。

(谷)実際に爆発するようなことがあったんですか?

(オ)ありましたねー。だから多分ずーっと今まで我慢して我慢して、自分では我慢じゃなかったんでしょうけど、でも多分(自分に)我慢させてたことがあったと思うんですね。それをきっかけに出てきたって言う、土を持ち上げて芽が出てくるみたいなものが爆発だったのかなっていう気がします。

(コ)それは突然怒ったり楽しいことをめちゃくちゃ喜んじゃったり、浮き沈みだったんですか?それともネガティブなことだけが大きかったんですか?

(オ)私の場合はネガティブが大きかった気がします。

(コ)閉経後には物事を自由に捉えられるようになったそうですが、「自由に」とはどういうことなんですか?

(オ)常識とか世間体とか、両親が厳しかったっていうか、母が厳しかったんですよ。躾もすごい厳しかったし我慢しなさいじゃないけど、ちょっとやそっとじゃ根を上げるなみたいな昔の躾だったので多分それをずっと受けてきたから、我慢を強いられてきたから、すごく世間体みたいなものをすごく大事にしてたんですよ。それを気にしなくても別に自分のことを大事にしていれば別にいいんじゃないかなって、悟りが開けたじゃないですけど、そういう感じになりました。人は人とか、私は私でいいとか。なんか自然とそういう風になったかなあっていう気がします。

(谷)「時間という薬」があるとアンケートで言われてましたが、ご自分を変えようとしたわけではなく自然におさまった感じですか?

(オ)変えようとは思わなくて。変えようというよりは変えさせられたというか。そんな感じがしましたね。だから気が付いたら生まれ変わってたみたいな。

(谷)アンケートで更年期を「自然の賜物」と書かれているのは、そういうところですか?

(オ)そう。どんなに頑張っても若くはならないじゃないですか、子供の頃に戻るわけにはいかないんですけど。ちゃんと年を取っていくということがこういうことなんだなあということがわかったのかな、という気がします。だから自然のままに、例えば白髪が増えるとか、歯が抜けてくとか、ちょっと物忘れが増えてくるくるとか足腰が悪くなってくるとか、歩けなくなってくるとか将来あるかも知れないですけど、それはなるべくしてそういうふうになるんだなあってことがなんとなく、それの経験を経てなんとなく分かってきた気がします。ストンと、自然ってこういうことなんだなっていう。

更年期を振り返って

全部ホルモンのせい

(コ)更年期宣言杯で「全部ホルモンのせい」って書かれていましたよね。

(オ)そうすると楽なんですよ。不調なのもこれはホルモンが減ってきたせいだわ、って思うと楽なので笑えると思うんですよ。ホルモンって。これホルモンだからって言うと、楽しく年を取っていけるかなっていう。そうなって欲しいなと思うので、若い人にも考えて欲しいなって思って。だからお母さんのことでもちゃんと見てた方がいいし、更年期の症状なんかは母親に似るんだよね、というのは誰かに聞いてて。そういえば母親がこんなこと言ってたなっていうのをつないで合わせたら重なるなっていう感じですね。

(コ)趣味を持つといいですよって言われていましたが、オラヴさんはどういった趣味をされているんですか?

(オ)やっぱりタロットはすごく大事なものなので。あとはグリーン、植物が好きなんですよ。家の中にいっぱい観葉植物を置いたりとか、庭にちょこっと鉢植えとかを植えたりとか、雑草抜くのも好きですし、なんか好きだなーとかいいなあと思うものを身の回りに置くと、気持ちが良くなると思うんですよ。それをやると精神的に安定すると思うかなって。

(コ)更年期に入る前と後では、趣味も変わってきたってことですか?

(オ)でもそれは変わらないかなっていう気がします。基本それが好きだったことが更にそれが大事だなって分かった気がします。

何でも話せる場や人を作っておく

(オ)家族も大事ですけど。家族だから分かってもらえるとは限らないものなので。同年代の友達、心ゆるせる友達を持って、今ちょっとしんどいんだよね、って言える場があると、多分違うと思うんです。私も相談したいとか、こういうことなんだけどとか、婦人科行きなとか言われたりとか、こうだったよとか。ちょっと先輩の話を聞くとか。それはすごくストンと来ました。ちょっとお姉さまのお話を聞く。10歳くらい上の方のお話を聞くといいかなと思いました。一回りくらい上の方で、穏やかに話をしてくださる方がいればですけど。そういう方なんかと話すとやっぱり自分も通り過ぎてきたことをよく話してくださると思うので。とにかく一人でどうしよう、どうしようとか抱えるのが一番だめ。

(コ)このサークルはそういう場所になればいいなと思ってやっております。なかなか皆さんお話をしてもらうっていうのが難しいから。ここでならいくらでも聞けるし話してもらえるんだって、そういう場になればいいなと思ってます。

(オ)だからすごいなーって思います。こうやって立ち上げられて。最初は川柳とか短歌からだったじゃないですか。そこからまさかサークルになるとは思わなかったし、作ったのはすごいなあって思います。

(コ)ありがとうございます。更年期中のご自身にお言葉かけるとしたらどんな言葉ですか?

(オ)仲良く付き合って行こうっていうことですかね。それも自分なので、それを排除しようとか、攻略しようとかっていうのではなくって。まあぼちぼちやっていきましょうっていう。まあ夫婦みたいな感じですかね。まあ嫌なこともあるし、ちょっと辛いこともあるし、むかっとすることもあるけれども、それも一部だから。仲良くほどほどに楽しんで付き合っていければいいのかなっていう感じですかね。そうやっていきましょうっていう。

これから更年期へ入る人たちへ

(オ)やっぱり不安だなあって思ったら病院に行った方がいいと思ったんですけど、婦人科に。(質問に)答えていくと数値が出て更年期ですよって分かるんですよ。更年期を疑うのも大事ですけど、なにか隠れた病気があるのかも知れないので、そこも調べた方がいいかなと思います。その他にこれ更年期なんだなと分かったら、誰にでも話しちゃうということが大事かなと思います。閉経しちゃったらなんか、女性じゃないみたいな風潮も私の時はあったんですね。女としてはもう終わってるんですね、とそういう風な目で見られるということもあったので。年配の女性の場合はもっとそれが強かったと思うので。ばあさんと言われたりとかして、それを聞いたこともあったので、それは気にしなくていいよ。今はそういう風潮ではないと思うんですけど。まずは病院に行って、何から来てるかは確認した方がいいし、それに適切なお薬とか治療を受けられるのがいいと思います。

  不調があるなあと思ったら、病院に行ってどういうところから来ているか確認すること、あとお母さんとかお姉さんがいらっしゃったら、相談するのもいいし、同年代の友達とかに聞いてもらうのもいいかなあと。素敵だなという先輩を見つけて目標をつくるのもいいです。年取ったらこうなりたい、そういう風なひとになりたいなとか。年取ったらだめっていうことじゃなくて、年取ったら年取ったなりの美しさがあると思うので。樹木希林さんが目標なんです。あの人みたいになりたいな。

(谷・コ)今日は貴重な体験をお話していただき誠にありがとうございました。

(オ)こちらこそありがとうございました。こういう機会がなかったら泣けなかったし、伝えられることもなかったと思うのですごくよかったです。




  




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?