人間のタイプを分ける様々な視点 その3

引き続き、タイプ分けのお話。

今日は③ボトムアップ型思考とトップダウン型思考について。

日本語で言えば「帰納法的思考」と「演繹法的思考」と大きく分けられるかと考えている。事物を一個一個積み上げて、なにか構造を作っていくのがボトムアップ。ドバっと上から落として、削りながらつくるのをトップダウンとしてイメージしている。

個人の中にも「ボトムアップ的」と「トップダウン的」は混在しているので一概には言えない。だが、イメージを広げるためにこんな例を示したい。

私の姉と私の比較である。性別や年齢が違うとはいえ、いちおう18までは同じ家で過ごし、同じ環境で育ってきた。一卵性双生児とまではいかないが、私の行動を比較するにはもってこいのサンプルである。

例えば、買い物にかける時間が全く異なる。

姉は、ひとつひとつを選ぶのにじっくりと時間をかけて行う。また、お店もA店に行き、B店に行き、またA店に戻り・・・というようにサンプルを集めていく。手に取り、眺め、金額や機能を確かめ、今度は違うものを手に取り、突き合わせて選んでいくように見える。コップを買うなら、色、形、大きさ、値段、部屋との相性・・・を見て、同じように他のものを確かめ、ひとつひとつどれがベターかを探っていっている。

対して、私は先に「条件」を決めていく。例えば、コップならば「値段」と「大容量」である(私が面倒くさがりなので、何回も汲みにいくのが面倒くさいため)。

まず、その基準で選ぶと、数あるコップの中で「小さいもの」はすぐに選択肢から消える。どんなに良さそうでも高すぎるものもここで見えなくなる。確かめることもしない。

売り場を一周回って、目星をつけた選択肢の中から「丈夫」なものを選ぶ。だいたいここで2,3個に候補がある。

そして、最後に「華美でないもの」を基準に残ったものを候補として並べる。

ここまで来てようやく手に取り、「しっくりくるもの」について購入を決め、お金を払って購入する。店を変えて選ぶのは、どうしてもその店に欲しいものがなかったときだ。

姉の買い物は、じっくりと選ぶ。1週間、下手すると何か月も買うものを考えている(気がする)。対して、私は本当に困り果てて、選べなくなって長くて3日ぐらいである(予算の都合で手が出るかどうか悩むのはかなり長くなるが)。

ブロックを積み上げていくのか、粘土を削っていくのかの違いだと、個人的には考えている。

ボトムアップ型の思考は、丁寧で、間違いが少ない。また、軸がぶれにくい。

トップダウン型の思考は、速く、大量の情報を処理できる。要点を見つけやすい。

組み合わせで使えることも大事だと思う。また、違う思考の人間とうまく協調できると堅牢な構造が創りあげられる。

自分の得意な思考方法を見極めて、うまく運用できるとストレスが少なくて済む。思考タイプも、幸せに生きるために知っておくといいもののひとつかもしれない。

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