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開かれたイスラムの国

赤は伝統的にペルシャ湾各国の国旗に使用される色で、竿側には白が使用されています。赤と白は頂点が5つあるジグザグ線で分けられています。
5つの頂点はイスラム教の五行を表します。
これがバーレーンの国旗です。

第1行 信仰告白(シャハーダ)―アッラーの他に神は無い
   ムハンマドは  アッラーの預言者であり聖使という宣言をする
第2行 祈祷(サラー)―1日5回キブラの方向に向かって、アッラーに祈る
第3行 慈善(ザカート)―収入の一部を困窮者に施す
第4行 断食(サウム)―ラマダン月(イスラム暦9月)の1か月間は
   日出から日没まで飲食と性行為を慎む
第5行 巡礼(ハッジ)―経済的、肉体的に可能であれば、
   イスラム暦12月であるズー・ル・ヒッジャ月に
   メッカのカアバ神殿に巡礼する

スンニー派の最も基本的な5つの儀礼、義務であります。

時に国旗とは、その国の歴史だけでなく揺るぎない哲学を表すもの。
中東に位置するイスラム国家の中で、唯一の島国であり、一番小さな国、バーレーン。

ペルシャ湾に浮かぶ島国
西はサウジアラビア
南東の半島はカタール

ところが、王政が世俗主義を追求しており、面積が小さく少ない人口の国が存続のためのすべなのか、イスラム国家にしては驚くほど開放的な国なのです。

女性の政治や経済への参与も自由な方で、ヒジャブやブルカ、チャドルやニカブも強要されず、西欧風の服装で街中を歩く女性が非常に多いです。王室女性から西欧風の服装をしてます。

また何よりも、イスラム国家なのにヨルダンと共に、お酒や豚肉などが自由に販売され、食べることができます。
トルコのエフェス、メキシコのコロナ、オランダのハイネケン、アメリカのバドワイザー、デンマークのカールスバーグ等、外国産ビールをはじめ、焼酎、ウィスキー、ウォッカ、ワインなども飲むことができます。また、ハリウッド映画も比較的早く上映されます。

サウジアラビアや、カタール、クウェートその他周辺のイスラム国家から、週末にお酒と豚肉を食べようと、バーレーンに遊びに来る話は密かに有名です。また、2018年まで映画館が禁止されていたサウジアラビアから、映画を見に全長25kmの橋、キング・ファハド・コーズウェイを渡ってバーレーンまで、日帰りで来ることもありました。

サウジアラビアとバーレーンを結ぶ橋
キング・ファハド・コーズウェイ

国旗の意味を知ると、厳粛なイスラムの国家、というイメージを持ちますが、イスラムの五行を守りながら、グローバルな世の中に順応しているペルシャ湾の小さな島国、バーレーン。

今年の冬には、お隣カタールでサッカーのワールドカップが開催されます。カタールでサッカー観戦後、バーレーンでお酒を楽しむ人達で賑わうかもしれませんね。

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