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1945年創業のバインセオの名店 「Banh Xeo 46A」

初訪 2012.02  更新 2023.05.21


ベトナムに旅行で来た方に「何がいちばんおいしかったですか?」と感想を聞くと、「ブンチャー(Bun Cha)」や「フーティウ(Hu Tieu)」などとともによく名前が上がる人気のベトナム料理「バインセオ(Banh Xeo)」

ベトナム版お好み焼きともいわれ、ベトナム南部・中部の料理なので、南部ホーチミン市に来たらぜひとも食べておきたいところ。
米粉やココナッツミルク、ターメリックが入った生地の中に、エビや豚肉、緑豆やもやしがたっぷりと入り、生地をパリッと焼き上げた料理で、最後に自分で野菜に包み、ヌクマムベースのタレにつけていただきます。


そんなバインセオをここホーチミン市で食べるなら、まずココ!とオススメしたいのが、市内屈指の有名店「Banh Xeo 46A(バインセオ46A)」。
コロナ禍に閉店してしまった店も少なくない中、ベトナム人のお気に入りでもあるここは、いまも健在です。



アクセス

場所は "ピンクの教会"として写真スポットになっている「タンディン教会(Nha Tho Tan Dinh)※MAP」から徒歩すぐ。

タンディン教会

教会の斜め前にある「ディンコンチャン(Dinh Cong Trang)」通りを入って、徒歩約2分で到着です。

「BANH XEO」と書かれた看板が目印

1945年創業の老舗バインセオ食堂。
“46A” はお店の住所(番地)がそのまま付けられています。

開放感のある半屋外席は風情あり
向かいにあるここの奥には屋内席もあり、暑い時期でもゆっくりできます
長テーブルが並んだ屋内席


2012年当時

私がこのお店を知ったのは2012年、初海外・初飛行機で来たベトナムで服屋のベトナム人店主から「ここは間違いない」と教えてもらったのがきっかけ。当時は、キッチンの床に大量の炭火コンロが並べられ、1人でいくつもの鍋を操りながら次から次へと焼かれていくライブ感がとても印象的でした。

2023年の現在はきれいにリニューアルされていますが、変わらず炭火コンロを使用。このお店の特徴である厚みのある皮でも、パリパリっと香ばしく焼き上がるのは炭火ならではで、印象的な食感が楽しめます。


メニュー

外国人のお客さんも多いこのお店では、英語メニューも用意。
写真付きなので、指差し注文も可能です。

こちらはバインセオと春巻のページ

バインセオは下の3種類。
・レギュラー(小さいエビと豚肉入り)11万vnd(約650円)
・エクストラ(大きめのエビと豚肉、卵入り)18万vnd(約1060円)
・ベジタリアン(野菜のみ)9万vnd(約530円)

包む野菜とタレ付きです。

春巻きは下の3種類。
・揚げ春巻 10本 17万vnd(約1000円)
・生春巻 10本 18万vnd(約1060円)
・豚皮巻 10本 12万vnd(約710円)

10本だとちょっと多いなというときもご安心を。
5本から注文できます。

バインセオがビッグサイズなので、それだけでもお腹いっぱいになりそうですが、そのほかのメニューとしては「ロットの葉の牛肉包み焼き(Bo La Lot)」13万vnd(約770円)「牛肉のお酢しゃぶしゃぶ(Bo Nhung Giam)」13万vnd(約770円)「ソフトシェルクラブの唐揚げ(Cua Lot Lam Bot)」25万vnd(約1470円)などがあります。

こちらはドリンクメニュー(英語・ベトナム語)
ベトナムビールやスムージーもあります


☟ 全メニュー載っているベトナム語メニューも、貼り付けます。

フードメニュー
ドリンクメニュー


料理

とりあえずバインセオを注文。
この店の生地は、水に8時間浸したお米から製粉していて、そこにターメリックやココナッツミルクをプラス。
ココナッツミルクの香りもほんのりと感じられます。

「バインセオ エクストラサイズ(Banh Xeo Extra)」18万vnd(約1060円)

お皿からはみ出すビッグサイズで登場。
レギュラーとエクストラの違いは主に具材で、レギュラーでも十分ビッグサイズなので、1〜2人で食べるならレギュラーで十分かと思います。

上の写真から皮のパリパリ感が伝わるでしょうか。。
揚げ焼きした外側の皮は薄くてカリカリ、中心部は厚みがありパリッとしつつも食べ応えあり。一時はオイリーになり評判の落ちてしまった時期がありましたが、今は軽さのあるおいしさが戻った様子。米粉ベースの生地なので意外にも軽く食べられます。

中にはエビやモヤシ、豚肉や緑豆がたっぷり。
これを切り分けて、葉物野菜やハーブで包んでいただきます。

包む葉っぱは、レタスやからし菜が定番。からし菜もそこまで辛味が強くないのでぜひチャレンジを。慣れるとハマるおいしさです。

ハーブは、生春巻きやフォーによく使われるオリエンタルバジルや、シソなどをお好みで。

野菜で包んで、最後になます入りのヌクマムダレにつけて食べると案外さっぱりとした口当たりに。
皮の香ばしさとココナッツミルクの香りに、野菜のみずみずしさやヌクマムの塩気が合わさると、次から次へと手が止まらなくなります。


☟そのほかの人気メニュー

「揚げ春巻(Cha Gio)」10本 17万vnd(約1000円)
サイドメニューのサクサクな揚げ春巻。(5本も注文可)

「手羽先のヌクマム揚げ(Canh Ga Chien Nuoc Mam)」11万vnd(約650円)
ニンニクが効いていて、ビールによく合います。


粉をおみやげに

バインセオの粉
「Cot Dua」はココナッツミルク入りの意味

このお店で食べた後に「日本でも作りたい」と、おみやげリストに加える人が経験上少なくない印象なので、バインセオ粉の情報も。
スーパーで買う場合は、バインセオの粉を意味する「Bot Banh Xeo」の文字で探せばきっと見つけられるはず。メーカーによって量や配合は異なりますが、大体2万vnd(100〜200円)程度で買えます。


フライパンをおみやげに

キッチン雑貨好きな方に、おすすめしたいのがアルミ製のフライパン。
今回のお店では別のフライパンが使われているのですが、ベトナムでバインセオを作る際、よく使われるのがユニークなネーミングの「Chao Nhom May Bay(アルミ製 飛行機フライパン)」。
形状は飛行機に見えないものの笑  一枚成形のペラペラ感がかわいいこのフライパン。アルミ製なので熱伝導がよく軽量と機能的で、近くの「タンディン市場(Cho Tan Dinh)※MAP」でも数百円で買うことができます。

タンディン市場は、今回のお店から徒歩約3分

正面の入口を入って左奥が、キッチン雑貨売り場。

手のひらサイズから大ぶりなものまでサイズもいろいろ

発見できなくても鍋の写真を見せて聞けば必ず教えてもらえるはず。大抵は上の写真のように積み上げられて置いてあります。

価格の記憶がおぼろげですが、
小さめサイズで3,4万vnd程度(200円前後)

フライパンとしてではなく、お皿として使うのもあり。そのままフルーツを入れたり、サラダを盛ったり、菓子盆にしてもかわいいです。

直火でも使えるので、バインセオはもちろんチャーハンや炒めものを炒めてそのまま卓上へということも可能。その場合、持ち手が金属なので火傷にはご注意を。ただ、ペラペラ鍋のかわいさが勝ります笑

底が丸くて安定しにくいので、上の写真のように手編みの鍋敷きを敷くのも一つの手。この鍋敷きも同じタンディン市場で購入可能です。


バインセオの起源はドーサ説

バインセオの起源を探ると、こんな一説も出てきました。

バインセオは、実はインドのドーサが起源 !?
ベトナム料理に関する著書をもつ、シェフのボビーチン氏による私見では、「バインセオは、ベトナムのチャム族がインド人から学んだ料理に由来するもの。 ホーチミン市の有名店「バインセオ46A」のオーナーはこの意見に同意していて、店のレシピは(チャンパ王国の最後の首都であるドバンから遠くない)ビンディン省クイニョンの祖母からのものだといっている。」とのこと。
私も聞いたところ、たしかに創業者の故郷はビンディン省だそうなのですが、さてはて真相はいかに…。

参考:DoanhNhan+

果たして、ベトナム中南部のチャム族を介して、インド料理が変化して伝わったものなんでしょうか…。カンボジアにもほぼ同じ料理「バインチャエウ」がありますが、それもチャム族から…?
いろいろ気になるので、いつかもっと深掘りしてみたいです。



Banh Xeo 46A/バインセオ46A
 46A Dinh Cong Trang, Q.1, HCMC
 10:00〜14:00、16:00〜21:00
 028・3824・1110
 なし


参考:
Thanh Nien
afamily
Quan doi nhan dan


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