ゆうき/海原優騎

即興表現者として活動しています。主に一人芝居の戯曲を書いています。僕のために書かれた物…

ゆうき/海原優騎

即興表現者として活動しています。主に一人芝居の戯曲を書いています。僕のために書かれた物語が、あなたのためにもなったら嬉しいな。台本は勝手に使ってください。連絡が来ると嬉しいです。

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最近の記事

エモくエモく

着色の話

    • 錠前 一人芝居 戯曲

      こだわりの話 データ↓ 本文↓ 錠前 玄関 舞台前に扉がある 「来て来て。 明転 ♪鍵の音 「この音。この音が嫌いなの。鍵が閉まる音。 ♪鍵の音 「正確には、外側から聞く、この音が嫌い。『二度と来るな』って言われているみたいで。そうだね。内側だと安心する音かも。 ♪鍵の音 ♪鍵の音 「うん。立場で違うね。立っている場所で違うね。なんでって、これから一緒に暮らすんだから、知っておいてもらわないと。私が家を出るときに、君がすぐに。 ♪鍵の音 「こうした

      • タクシー 一人芝居 戯曲

        優しい話 データ↓ 本文↓ タクシー タクシー車内 運転手とみずき 運転手の後ろにみずきは座っている ♪エンジンの音 明転 間 「え?ああ、すみません。あ、大丈夫ですよ。生きていますから。 間 「タクシーさんは、よくお会いするかなって。怪談とかよく聞くんで。それで心配したのかなって。 間 「そうですか。顔色が。確かに。血色は良くないですね。寝不足で。 間 「いえ。私、大学生で。春休み中で。考え事をしていて。寝付けなくて。 間 「あ、大丈夫ですよ

        • 風見鶏 一人芝居 戯曲

          データ↓ 本文↓ 風見鶏 動物園 ハシビロコウの柵の前 みずきは柵に肘をつけて見ている みずきは片足立ちしている 間 明転 みずきは飲み物を受け取る 「あ。ありがとう。うん、ずっと見てたよ。岩みたいだね。それか木か。 「え?ああ、確かに。本当だ。おそろいだね。真似じゃないけど。フラミンゴの時もそうだった?じゃあ、無意識に真似ていたのかもね」 みずきは軸足を変える 「楽しい?そう。私は楽しいよ。園って好きだし。そう、園。あー。開放的な知的収集所だから?球場は開

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        • 一人芝居 戯曲
          58本
        • 性癖
          25本
        • 名前が知りたい
          3本
        • 走馬灯こうほ
          3本
        • しきのし
          8本
        • 戯曲集「いい趣味」
          6本

        記事

          モノローグ 適応

          あらすじ →素直な話 データ → 本文↓ 適応 公園 みずきはベンチに座っている 「お帰り。あった、ゴミ箱?そっか。捨ててきてくれてありがとう」 みずきは指をさす 「得意だったなーって。懐かしくなってた。知ってる?砂山のギネス記録。2mとか。だったら面白いなって。うん。知らない」 のぞみは座る 「寒くない?そう。だったら、もう少しここにいない?やった。公園、好きだよ。特に、初めて来る公園は。生活を感じるっていうか。家族とか、恋人とか、友達とか、関係性が見えて

          モノローグ 適応

          ペーパーバッグマスクが好きという話

          僕は仮面劇が好きです。 頻繁に、そして沢山の作品を見たわけでは無いのですが、好きだということは確かです。 体験する場にも参加したことがあり、被ることも好きだなと感じています。もちろんこちらも、長々と作品づくりに触れているわけでも、多くの講師に習っているわけでもありません。ただ、被ることは好きだなと感じています。 中でもペーパーバッグマスクは好きです。 ハーフマスクとかフルフェイスマスクとか、いくつかのマスクの技法を体験してきましたが、気軽で安全なマスクの技法のように感じてい

          ペーパーバッグマスクが好きという話

          一人芝居 大丈夫

          データ↓ 本文↓ りょうはベンチに座っている りょうは反対ホームの人を見ている 「あの!北高の人ですよね。私、南高なんです!ごめんなさい!急に話かけちゃって!この時間、二人だけですね!電車使うの!私、朝練があって!高跳び!陸上やっているんですよ!北高強いですよね!陸上!私、北高、目指してたんですよ!推薦で!でも落ちちゃって!あ、別に羨んでいるとかはないですよ!そうだ!自己紹介がまだでしたね!私、りょうって言います!涼しいって書いて、涼」 間 「部活とかやってないんで

          一人芝居 大丈夫

          一人芝居 祭りのあと

          一人芝居 祭りのあと

          一人芝居 記念日

          一人芝居 記念日

          二人芝居 戯曲 長生き

          データ 本文↓ 長生き 唯の部屋翔は額縁をもって立っている 薄明りON 翔「人が死ぬのはいつだろう。概ね心臓が止まった時でいいと思う。というか、それは本人次第で、他者の主張が割り込めることじゃない」唯「ただいま」 明かりON 翔「俺はまだ生きている。この絵の中で。誰が何と言おうと」唯「疲れた」 唯は音楽をかける 翔「彼女も望んだことだ。俺が、死にたい、と言ったら、いいよ、と背中を押してくれた」 ♪着信 唯「はい?」翔「そんな彼女だから、そんな彼女を、俺は好んでいたし、生き

          二人芝居 戯曲 長生き

          一人芝居 戯曲 ねこにあこがれて

          猫にあこがれて 机にからの薬の空箱 ビニールテープでぐるぐるの瓶が二つ ゆうきは瓶にミニコーラを詰めている ♪上の階からドンドン音が聞こえる ゆうきは反応する 「できた」 ゆうきは鼻を洗濯ばさみで挟む ゆうきは瓶をシャッフルする ゆうきは瓶をあおる ゆうきは水で嚥下しきる 「はあ。これで、猫。にゃあ」 ゆうきは鏡で自分を見る 「量子的。2時間くらいだっけ。書かなきゃ」 ゆうきは手紙を用意する ゆうきは手紙を書く ♪上の階からドンドン音が聞こえる ゆうきは

          一人芝居 戯曲 ねこにあこがれて

          戯曲 一人芝居 ゆるやかな自殺

          データ↓ あらすじ↓ 一緒に死んであげる話 本文↓ 緩やかな自殺 駅前の喫煙所 明転 みずきはライターを受けとる 「どういたしまして。うん。そこのコンビニで深夜に働いているから。始発までの間に一服しているの。君は。あー、あそこの居酒屋か。使ったことないな。君はコンビニ使うよね。おぼろげにだけど覚えてるよ。まあ、喫煙所にいるイメージの方が強いけど。珍しいの吸っているなって記憶してたよ。なにそれ。ぶらっくじゃっく?ブラックジャック!いいや、初めて

          戯曲 一人芝居 ゆるやかな自殺

          一人芝居 戯曲 鴎

          データ↓ あらすじ↓ 親子の話 本文↓ 鴎になる ゆうきは椅子に座っている 「え?ほんと?同じ表情のつもりだけど。もっと笑顔だった?そっか。こんな感じ?」 ゆうきは笑顔を作る 「ちょっと違う?そっか。じゃあ、こんな感じ?」 ゆうきは笑顔を作る 「えー。まだ違う?無理だよ、同じ表情は。モデルとかやっていないしさ。ほら、お父さんが思う私の一番の笑顔を投影してさ。それで、描いてみてよ。別に写実的にしなくても。それか、私の22年間の笑

          一人芝居 戯曲 鴎

          一人芝居 戯曲 邂逅

          ↑データ ↓あらすじ 何も起きない話 ↓本文 邂逅 のぞみは扉の前で座っている ♪着信 のぞみはスマホを見る 「もしもし。何?久しぶり。何?こんばんは。何?いや、話すことないから。用事があるなら、何?そうだよ。話したくないから、無視していた。だから、用事は何?え?良いでしょ、何でも。たまたま、今はやることがなかったから。出てあげただけ。そう。だから、何、用事は。うん。元気だよ。バイバイ。え?いいよ。着払いで送るのも気が引けただけだから。あれで全部だった?そう、

          一人芝居 戯曲 邂逅

          たぶん朗読 都合の良い存在

          都合の良い存在 いま君と話ながら思い出している 君が僕を生んでくれた 出会いは君が三歳の頃 初めてのお留守番 一緒におままごとをしたね 僕の名前はむーくん 君は僕に色々な動物を教えてくれた 図鑑やぬいぐるみを使って その日から 君が一人の時には僕がいた 僕の前には いつも君がいた 君が小学生になって 僕は君の相談相手になった 誰かに言えなかった言葉 それを全て僕にくれた 君が10歳になった頃 君は僕が見えなくなった 君は僕が必要ではなくなった 僕は死んだ 君が大

          たぶん朗読 都合の良い存在

          一人芝居 戯曲 すみの友達

          ↑データ ↓あらすじ 最初の友達の話 ↓本文 すみの友達 椅子とテーブル 友達は椅子の後ろに立っている 「私を無視し始めてから、生きやすそうだね。友達もできちゃって。小学生の頃までは、私さえいれば他の友達はいらないって言ってたのに。まあいいけど。幸せになってください。けど、あれだよ、みずきの初めての友達の座は譲らないし、譲れない確固たる事実だから、それを忘れないでね」 友達はみずきの頭を叩く 「まあ。触れないけど。イマジナリーだから。今、話している子から教えて

          一人芝居 戯曲 すみの友達