見出し画像

井中蛙の映画感想44! 2023/6/13(火) 【劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE】※ネタバレ注意

 【劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE】
 鑑賞日:2023/6/13(火)
 視聴方法:劇場(川崎チネチッタ)

 PSYCHO-PASSシリーズはコロナ禍突入した頃(2020年中頃に)にハマってアニメ作品全作を履修済みだったものの、もう三年近く経過したのでほとんど内容が抜け落ちた状態での鑑賞でした。
 今回の劇場版は「恩讐の彼方に」とTVシリーズ3期をつなぐミッシングリンク、かつシリーズの集大成ということで、単体でも楽しめるもののやはりシリーズ他作品を踏まえておいた方がいろいろ気づけた要素も多く、復習ゼロで突貫したのは若干惜しかったかなと思った。

・最新の時系列(3期の後)ではなく3期の開始前の時期を扱った作品なので、登場人物たちの心理状態がその時点でどうだったっけ?と思い返すのがまず大変だった。
・というかシビュラシステムとはどういうものでこの社会がどういう在り方なのかとか、主人公の朱がなぜシビュラ万能論に異を唱えて法の重要性を訴えるのかとか、各キャラクター同士の関係性とか、その辺の背景が全部「過去のシリーズで十分描いてきたからみんなわかってるよね?」という感じであらためて説明に尺を取るでもなく自明のものとして話が進んでいくので、本作単体で初見だと人間ドラマを飲み込んでいくのがかなり厳しいのはある。俺自身もおぼろげな記憶をもとになんとか着いていけた感じ。
・3期の劇場版でも残った謎が綺麗に解決されているらしいんだけど、そもそもどの伏線が未回収だったかすら覚えてない。
・須郷の元国防軍設定とかも過去の映画で掘り下げられてたのを完全に忘れてた。覚えてればクライマックスに彼の伝手で国防軍の助力を得られるシーンとかも胸熱だったのになー。
・「劇場版」「最新の時系列ではなく間の時期を扱ってる」「今までのPSYCHO-PASSシリーズではワンシーズン生き延びたキャラが続編で死ぬ事例はほぼ無し」ということで既存ネームドキャラの退場はないだろと油断してたらまさかの雑賀先生・・・! 記憶が曖昧で3期にも出てたような気がしてたので「実は生きてましたって展開なんだろ・・・!?」と思ったけど思いは届きませんでした。
・鑑賞途中で「シリーズの一作として楽しむための記憶がだいぶ欠落してるなー」と気づいたので、アクションシーンや敵の黒幕を追い詰めるサスペンス、狡噛×朱のカップリング描写を楽しむ方向にシフトしたのですが、結果的にその方が楽しめたので良かったです。
・朱にとって離れても心の支えであり続ける狡噛はやっぱりかっこいい。
・のだがどちらかというとこの二人の絡みよりラストの朱の「一係をよろしくね、美佳ちゃん」のシーンが正直一番きた。今回ずっと表情筋が張ってた朱が最後に素の優しさを見せるのがたまらないし、その相手が日頃朱にツンツンしてるうざねるというのが一層エモいんじゃ。
・新キャラの慎導パパも味があっていい感じなのだが、最期はああする(自分の命で責任を取る)しかなかったとはいえ息子の親友の結婚式の日に自害するのはさすがに空気読んで欲しかった。舞子ちゃんがカワイソス。
・なんやかんやシリーズを見返して記憶を呼び起こしてから見直したらまた新しい発見があると思うんだけど、如何せん長期シリーズゆえに復習しないといけない量が半端ないのでなかなかそれをやる気が起きないのが残念なところ。
・おおむね未解決の人間関係や伏線ってもう残ってないのかもしれないけど、3期の「その後」を見る機会があったらそれはそれで楽しみだと思うのでやんわり期待。


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?