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気づかない。明るい世界観、暗い世界観。自分の持っている世界観により仕事は作られる。もちろん人生も。社長の世界観のはなし。

1、次期社長のはなし

七田社長が、秘書室に入ってきた。先程、社長秘書に「今日は危ないですね」と言われていた。危ないと言うのは、七田社長の夜のスケジュールが空いていると言うことだ。夜の予定が空いていると、1人で家に帰るのが寂しいのか、誰かしらを誘って飲み歩くのが好きだ社長の特徴である。

なぜか、誘うときは、気を使う言葉になる。「もしよろしければ、本日、どこかでお食事に行きませんか」と言っている。いつも、女性を誘いたいからこのような言葉になるのかもしれないが、女性陣は家庭があるので参加はしない。結局男性秘書3名がいつも行くことになる。

4人がレクサスに乗り込み、赤坂のみすじ通りに到着する。特にお店は決めておらず、中華料理屋に入った。

早速ビールを頼みがぶがぶ飲み、テーブルいっぱいに注文する。4名で食べられない量を注文していく。

突然、社長が山田部長に「次の社長は誰がいいと思う」と聞いている。先日アドバイザリーボードで、参加した3名の社長候補の誰がいいかと聞いているのだ。

直接的な答えを言うと、ややこしくなる可能性があるので、はぐらかしながら、八方美人のような回答している。

そんな山田部長の意見は全く効かず、「例のコンサルタントに評価してもらうよう手はずを整えてくれる」と依頼をしていた。

あまり聞き慣れない言葉だが、サクセッションプランと言う後継者選びを支援するコンサルタントがある。

話に出てくるのが、ラッセルレイノルズ、ヘイコンサルタント、タワーズワトソン、エゴンゼンダー、マーサージャパンなどである。これらの会社がうちの会社にコンサルのアプローチしてきている。どのように知るのか不明だが、うちの会社が次期社長を検討していると言う情報をどこから仕入れている。

聞いた話によると、3人を評価するのに年間1億円ちかくかかる。とんでもない価格設定である。しかしながら、専門的な知見を持ってる会社は少なく、本格的に検討するならば、それらの会社に頼る以外はなさそう

七田社長は、「しっかりした社長が会社を経営すれば、1億2億などはすぐにプラスになる。その点で言えば、社長の適切な社長を選ぶための費用としては安いと言えるだろう」という。

確かに、その通りだと言えるだろう。ただ、さすがに高額すぎるのではないかと疑ってしまう。僕のスケールが小さいだけなのだろうか。

サクセッションプランと言えばGEが有名だ。リーダー育成に多大な費用をかけて、何年の単位を使い、社長を抑制もしくは選択するというプロセスを経る。なんたらと言う施設には、特別なプログラムが用意されており、世界中から幹部候補生が集まり、研修を受ける、GEのリーダー育成については、多くの書籍が出ている。

日本においては、サクセッションプランが大企業に根付いているかと言えば、甚だ怪しいものであり、次期社長については、現役の社長がなんとなく選んでいるようにも思える。

島耕作が後継者を国分圭太郎にした際に、その選択には、たいしたプロセスはなく、キャラクターで決めていた。。漫画なので比較するところでは無いかもしれないが、本質的には、キャラクターで同じように選んでいるように思える。

いずれにしてもうちの会社で、秘密で、とても大切なプロジェクトが動き出しそうだ。

2、人が持つ世界観は様々

中華料理屋から店を変えた。神社近くの路地に入った隠れ家のようなお店だ。

七田社長が「社長のあるべき姿」について、語ってくる。

最も大切なのは、その人物が持っている世界観である。お前は、自分が持っている世界観を認識しているか?単純に、今後世界が明るくなるか、暗くなるか、どちらに立てるか。自分が世界を変えられると思っているか、思っていないか。人はそれぞれに世界観を持っている。その世界観は、自分自身ではなかなか気づかないし、変えることは難しい。ほとんどが若い頃に身に付けられたものである。」

「仕事が強烈にできる奴がいるとする。ただそいつの世界観が利己的、自己中心的だった場合、そいつが世の中に提供する価値は、どうなると思う?見せかけは良く、短期的には利益を出せるかもしれないが、長期的にはには悪い影響与える。目には見えずらいがな。仕事ができると言うのは、大前提である。しかしながら、世界観と言うのはその大前提以上大切なんだよ。」

「俺の周りには、優秀な奴はたくさんいる。ただ、多くの奴の世界観はくだらない。歴史、社会のせいかもしれない。もしくは会社の責任かもしれないが、多くのやつの世界観は、良くない。お前は、まず自分の世界観がどのようなものであるかをよく考えることから始める。そして、少なくても、世界は、明るく、また自分でいかにようにも変えられると考えるようになるべきだ!」

と語る。

落ち着いたお店で、しばらく歓談をするかと思っていたら、いっぱいだけ飲んでおしまいだ。

その後、寿司屋に入った。中華料理を食べたばかりなので、全然食べたくない。しかし、飛田社長は、人数分の寿司を頼む。みんなお腹いっぱいなので、ほとんど残す。この寿司屋でも、30分ほどの滞在だ。

そのあと、お気に入りのがぶりチキンだ。そこでも2人前の唐揚げを頼む。年齢的に下っ端の私が、食べることになる。

その唐揚げが食べ終わると、お気に入りの飲み屋に移動だ。年齢層は、初老の方々のクラブだ。ここには毎日のように来ているが、良さが分からない。一人五万円だ。結構高い。

ここから、カラオケ歌い、一気飲みを強要させる、深夜2時まで遊ぶ。帰るころには全員フラフラだ。毎日こんな生活をしている社長は、凄いと思うし、人間の体は強いものだ。

七田社長が持っている世界観は、どのようなものだろう。少なくとも、「酒を飲むやつは、人間的に強い」という世界観は持ってそうだ。


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