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東京タワーは、東京でいちばん優しい。

今日は、「普通の旅」をしました。

「普通の旅」というのは、自分の住んでいる地域とは違う場所に宿泊し、1泊2日はその地域で生活するというだけのことです。

こういう風にして、僕は疲れていると感じたとき、いつもいる場所から少し離れて、ボーっとする時間を確保しています。

仕事や家のことで忙しくしていると、どうしても「あれを終わらせなくちゃ…」「早く寝ないと…」と、常に何かに追われている感覚になります。

特に僕は、家で仕事することが多いので、仕事のオンオフが曖昧になりがちで、仕事のことを考えない日はありません。

家の中には、仕事グッズがたくさんあり、隙さえあれば仕事を進めてしまいそうになりますし、実際に取り掛からなくても、仕事のことを考えてしまいます。

なので、完全に心身を休めるためには、家の外に飛び出して、一人でゆっくりする時間を取ることが欠かせないのです。

今日は、東京タワーを観ながら、ボーっとしていました。

東京タワーは、どういうわけか、どこから見ても綺麗に見えるので、東京タワーに向かって歩いていない人でも、振り返って写真を撮っていました。

通行人のほとんどが、東京タワーを綺麗に撮りたい一心で、何度でもシャッターを切り、地べたにカメラを置いたり、腰を後ろに90度曲げようと無理な体勢をとりながら、自分なりに最高の角度を探していました。

その他にも、東京タワーに照らされた恋人を見つめてはしゃぐカップル、東京タワーを眺めて芝生に寝っ転がる中年男性、インスタ映えを狙う女子大生、展望台に昇る楽しみを抑えられずに走り出す小学生、その誰もが東京タワーに心を動かされていました。

これまで僕は、東京タワーを都会の象徴だとしか思っていませんでした。

もし、東京タワーが喋るなら、「資金力のある大都会じゃないと、こんなスゴい建造物は建てられないだろ?ほら、これが東京の凄さなんだよ!」と、いやみったらしく自慢してくるんだとばかり思いこんでいました。

しかし、実際のところは、全く違いました。

東京タワーを見れば見るほど、僕は安心感に包まれていきました。気がついた頃には、芝生に座り込んで、2時間も東京タワーを眺め続けていました(笑)。

恋人がいようがいなかろうが、仕事がうまくいこうがいかなかろうが、全東京の人々を暖かく受け入れて、どこから目を合わせても嫌な顔をしません。

その証拠に、ほとんどの通行人が、東京タワーに心を奪われているのを何度も目撃しました。

たくさんの人の心を預かってくれる東京タワーが、東京でいちばん優しいヤツなのかもしれません。

ちゃんと近づかないと、分からないものはたくさんあります。

ただ、見ただけの情報、聞いただけの情報に満足するのは、もったいない気がしました。

そして僕は、これから何かあるたびに、東京タワーに心を預けたいと思います。


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