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旧ユーゴスラビア 1

 ものすご~く久しぶりに「さすらいの旅人」気分を味わってみたくなり、東欧・中欧と言われる国々を安宿巡りで回ってきました。昔は大きなリュックサック一つ(+寝袋)を背負って旅行したものですが、年齢も重ねた今回はさすがにキャスター付きのスーツケースで移動し、ホテルに着いたら小さなリュックで市内を歩き回っていました。

 ちなみに今回は、ブルガリア、チェコ、オーストリアなどにも足を運びましたが、旧ユーゴスラビアの説明と混乱しないよう、気を付けます。

 よく、「バルカン諸国(the Balkan countries)を旅しているんですね」と言われました。「バルカン半島」「西バルカン地域」という表現もあるようですが、どの表現にどの国を含めるかついては、よく調べても定義が曖昧なようでした。そして、それには本当に複雑な歴史的要因が見え隠れします。

 かつて、「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つの国家」と言われていた旧ユーゴスラビア。そんなことを聞いた頃から、いつかは実際に行ってみたいと思うようになったのです。

 一体どんな人々がどんな文化や習慣を持っていて、日々どんな暮らしをしているのか。自国を、周辺の国々を、欧州を、日本を、そして世界をどう見つめているのかが知りたかったのです。特に、国土面積も決して大きくはない国々が、ギュ~ッと近接していますよね。

 よく、「旅のテーマは何ですか」「何を目的に旅していますか」と聞かれます。私の最優先テーマは「人」です。ただしこれは、色々な国々を訪ねているうちに、自分で後から「そう言えば」と気付いたことです。現地の人になるべく話しかけ、世界中の旅行者と意見交換をし、日本や日本人をどう思っているかを聞くなど、コミュニケーションを心掛けてきたのです。

 今回の旅で感じた「驚き」は何ですか?と聞いてくださった方も複数いました。たくさんありますが、大きな驚きを2つ挙げるならば、1)街中でタバコを吸う人の数が異常に多いこと、2)食生活が余りに偏っていること、でしょうか。

 1)は、文字通り「歩きたばこ」をする人の数が非常に多いことです。その他、駅やバス停で吸う、建物の入り口で吸う、接客しながら吸う、列で順番を待ちながら吸うなど、枚挙に暇がありません。私は20年ほど前、海外の友人から「日本は公の場での喫煙に関する規制が甘い!」「彼らは事実上我々を殺しているんだぞ!」と強く言われたことがあります。いわゆる受動喫煙で、寿命を縮める人もいるのだという訳です。ただ、その頃の日本よりもはるかにひどい・・・

 2)は、「肉+パン」または「肉+ポテト」で食事を終わらせる習慣のことです。社会主義時代から続く、古い学生食堂のような、退職者の方々を多く見かける老舗の安食堂に足を運んでも、皆判で押したかのようなこのパターン。さらに余裕がある人には、「ビール+コーヒー+デザート」が加わるのです。野菜はドコ?魚はドコ?栄養のバランスが取れません。食文化が育ちません。

 今回は旧ユーゴスラビアらしい話がほとんど出てきませんでしたね。続きはまた次回に。

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