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ユーザーにとって、悪いPUSH通知の3つ

唐突ですが、あなたのスマホはこんな感じになっていませんか?
同じアプリの通知が溜まったままの状態です。

PUSH通知はプロダクトにとってユーザーへの大切な外部トリガーである一方、PUSH通知過多はユーザーにとっていつのまにかスルーするもの、無視するものになってしまいます。
その習慣を無視する習慣とよんでいます。

プロダクトに置いての習慣化とは、内発的トリガーを作りあげることです。つまり、PUSH通知や必要以上の広告を利用せずとも、ユーザー自身でプロダクトのことを思い出し、使ってくれている状態が理想的です。おそらく、TwitterやInstagramを気づいたら開いてしまっている人は多いはずです。

しかし、内発的トリガーはアプリのインストールの直後に生まれるのではありません。プロダクトがまずアプローチするのは、PUSH通知などの外発的トリガーにてプロダクト自体を思い出してもらうことです。ユーザーはプロダクトの魅力を実感しながら「トリガー」「アクション」「リワード」「インベストメント」のプロセスを通ることで、いつの間にか自然とそのプロダクトを想起するようになります。これが習慣化です。

余談ですが、この「トリガー」「アクション」「リワード」「インベストメント」のプロセスはフックモデルとして知られています。

PUSH通知の話に戻ります。PUSH通知に対するユーザーのアクションは「①見た瞬間に開く」「②無視する」かの2択しかありません。残念ながらPUSH通知自体を思い出してくれることはそうそうありません。『そういえば、昨日の夜21時にPUSH通知が来ていたな〜』と思い出した経験はないはずです。

この「①見た瞬間に開く」「②無視する」の2つのアクションが繰り返されると習慣化されていきます。「①見た瞬間に開く」が習慣化されれば開発者にとっては「😏」といった表情になり、「②無視する」が作られて終えば「🥺」このような感情になります。よね?

ユーザーはスマホを眺めながらPUSH通知がくるのをじーーっと待っているわけではなく、仕事やテレビを見ながらスマホの振動に気づいてPUSH通知を眺めるケースがほとんどです。そのため、PUSH通知に気づいたとしても、すぐに仕事に戻るか、アプリを開くかの選択を求められます。しかし、(娯楽も含め)忙しい生活の中でPUSH通知を開くか開かないかを真剣に考えることはありません。こんな通知は直感で開かない選択をしているのではないでしょうか。
・急ぎではない通知
・いつもと同じコンテンツの通知
・いつもと同じ時間に来ている通知

いくかのアプリのPUSH通知を分析してみると、先述した無視する習慣を作らず、ユーザーに開いてもらいやすい通知を送れるのではないかと考えました。

緊急性

緊急性はユーザーの行動を促すには最強です。行動経済学では希少性という言葉がありますが、今開かなくては何かを失ってしまう感覚をユーザーは感じます。例えば、DAZNの試合の通知は直前(5分前)に届きます。「今開かなくては試合を見逃してしまう」というのは明確で、ユーザーに「今見るべきか、見ないべきか」を考えさせる時間を与えません。これは1つ前の記事で書きました。

通知の量

たとえ緊急性が高い通知でも、頻度が多ければ毎回開くことは困難です。またまたDAZNの試合の通知を例にすると、すべての試合の通知が来たとしても1日中試合を見続けるのは現実的には不可能です。そうすると試合の通知を無視する習慣が生まれてしまいます。そうとなれば通知の量も考慮する必要がありそうです。
実際にDAZNは通知を送れるチーム数に制限をかけてこの問題を解決しています

通知を予測できてしまう

予測できるものに対して、ユーザーはだんだん興味が薄れていきます。同じ時間、同じ内容の通知が来てもいずれアプリを開く優先度は下がってきます。
成長にコミットしたい我々なら、「読書」というリマインダーを毎朝9:00に設定したことはあるはずです。さらに皮肉にもそのリマインダーは大抵3日目には無視する習慣が出来上がっていることでしょう。

人間は変化し続けるものを中毒的に好むようです。InstagramやTwitterなどで投稿をチェックしてしまうのもこの仕組みによるものです。

最後に

今回あげたものは通知のベースとなる考えです。しかし、これが全部当てはまれば良い通知と言えるわけではありません。大事なのはユーザーの通知を見た時の行動を考察することです。
また、これらは強力な反面ダークUXとなる可能性も高いです。プロダクトは結局のところユーザーを幸せにするのが本質的な目標だと思います。その点を理解した上で最適な通知をユーザーへpushできると愛されるプロダクトになるはずです。

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