【詩】マフラー少女
朝、いつもの通学路は、
今日も冬空と共に居座っていた。
同学年の気になるあの子は、
細い首に赤いマフラーを巻いていた。
手袋の無いかじかんだ手でも、
触れなれない程に彼女は遠い。
この冬空の日々が終われば、
君は春風と共に遠くの町へ行く。
陽に当たりながらなびくマフラーは、
まるで幼い手を振るかのように見えた。
ほんの少しだけ、
通学路に生暖かい風が吹きつけた。
あの子と別れるのにはまだ早いのに、
何で君たちは急かすんだよ。
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