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ボツ記事集成(2020-2023)


解説

noteの記事一覧に下書き状態のものがいくつもあったので、せっかくだからこの際記録として下書きのまま放出して供養しようかなと思った次第です。つまり、どれも書き終えられていません。ほとんどの下書きは途中で飽きて放り投げたものだと思いますが、わたし自身よく覚えていません。一応覚えている範囲で補足を付け加えました。

一応2020-2023としたのですが、今年は没記事はありませんでした。書こうと思ったものはちゃんと最後まで書けたようです。わたしえらい。

大山式・語学学習のコツ(2022/12/20)

文法は一気に、単語はこつこつ

わたしの語学学習理論です。なんか書き方がウザくなりそうな気配を感じたか何かの理由で一言だけ書いて没になりました。

印欧語学参考文献紹介(2022/06/30)

多分note公式の何かのテーマを見て書いた下書きだと思います。

たまたまこういうテーマを見つけたので、隙あらば自分語りをキメていきましょう。私が自分の専門である比較言語学と出会ったのは、高校1年生のときです。12年前になります。厨二病の後遺症(?)というべきか、当時はラテン語やギリシア語はじめ(主にヨーロッパの)外国語に興味があって、色々な外国語の歌を聴きながら勉強したりとか、NHKの外国語講座を親に録画してもらったりとか、田舎の高校生の趣味の範囲を出るものではありませんでしたが、それなりに[ここで下書きが途切れる]

[多分こんな感じの文章が続きます] 当時あの田舎町で得られた範囲の情報でちょっと勉強しようと試みたことがありました。結局本格的にやれるようになったのは大学に入ってからです。今の高校生の環境がうらやましいと一瞬思いましたが、当時スマホがあったらあそこまでの猛勉強ができた気がしないので、あの時代でよかったような気もします。

そんなある日、ふと足をのばした高校の図書室で、『比較言語学の視点』という本を見つけました。当然この段階で内容を理解出来るわけもなかったのですが、まさにわたしが厨二病で憧れていた世界というか、[ここで下書きが途切れる]

「古代!」とかそういうのに切り込んでいけるのに魅力を感じたわけですね。

これを読んで比較言語学をやってみたいと思ったのでした。それ以降現在に至るまで10年以上ずっと比較言語学一筋でやってきているので、わたしは間違いなくブレない方だと言えるでしょう。

なお、この本は入門用としては難しすぎるので、一冊目に読む本としてはおすすめしません。インド・ヨーロッパ語族の比較言語学に限った話なら、以前入門書を紹介したのでそちらをどうぞ。

私個人としては、そもそも比較言語学の入門に和書を使うこと自体薦めません。ただし、敢えて和書を挙げるなら、『言葉を復元する』や、あるいは高津春繁先生のものが(これは古いけど)無難です(いつの間にか在庫切れになっているようですね)。このあたりは、私はかなり後になってから読みました。

また、岩波新書の『言語学の誕生』も、やはり私が読んだのはかなり後になってからなのですが、研究史を含めたどちらかといえば背景的な知識や人間関係の方に興味がある方には、こちらの方がおすすめです。

同じく研究史関連では、Holger Pedersenの著書の邦訳もあります。言語学史とありますが、事実上比較言語学の研究史です。

書くのが面倒になったか、あるいは中国ビザの申請でわちゃわちゃし過ぎていて放棄してしまったかのどちらかの理由で没になったと思われます。

I speak English because it's the only language you understand.(2022/06/06)

英語嫌いの愚痴です。多分リアルで何かあったのだと思いますが、すっかり忘れてしまいました。

thの発音がおかしい?uはもっと唇を丸めろ?時制は一致させろ?

余計なお世話じゃ!!!!!

母語でもない英語をこっちはわざわざ喋ってやってるんじゃ!!!!!

むしろ感謝せいや!!!!

多少変な言葉遣いになったとしても、人間のコミュニケーションの2/3はノンバーバル(言語以外)なんだから、そっちで補完すりゃいいんですよ。そういうところを咎めるような人間の方に問題があるわけです。

...という開き直りが徐々にできるようになったので、というかそうでもしないとストレスで潰れそうになったので、[ここで下書きが途切れる]

ただ、わたしの留学時代のお友達はとてもとてもいい人たちでしたよ。実際に些細なミスを咎める人なんてほとんどいません。いても知ったこっちゃないと自分の中で開き直るのが大切なわけです。

一応補足しておくと、元々は英語が大好きな高校生だったのです。英語嫌いになったのは駒場の英語一列の教科書のせいですね。

ヨハネ8章より(2022/02/19)

今ならみんな寄ってたかって投げるんじゃないかな、とふと思って。

ὁ ἀναμάρτητος ὑμῶν πρῶτος ἐπ᾽ αὐτὴν βαλέτω λίθον.
あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい

οἱ δὲ ἀκούσαντες ἐξήρχοντο εἷς καθ᾽ εἷς ἀρξάμενοι ἀπὸ τῶν πρεσβυτέρων καὶ κατελείφθη
これを聞くと、彼らは年寄から始めて、ひとりびとり出て行き、ついに、イエスだけになり、女は中にいたまま残された。

今の世の中を見ていると、むしろこっちの方が凄いのではないかと思いました。

ギリシア語ツァコニア方言(2021/11/11)

最終更新が11月なだけで、元々は4月の下書きだと思われます。

博士論文を提出してきました。来年1月に本審査ですが、うちの研究室は予備審査が本番のため、まあもう安泰ですね。

ところで、この前友人にギリシア語のツァコニア方言というのがドーリス方言の末裔みたいなもので面白いという話を聞いたんですよね。それで安易にWikipediaを見てみると(=真面目に調べる気がない)、

[rp, rt, rk, rð] > [mb, nd, ŋɡ, nd]: σκορπίος, άρτος, άρκα, πορδή [skorˈpios, ˈartos, ˈarka, porˈði] > κχομπίο, άντε, άγκα, πφούντα [kʰomˈbio, ˈande, ˈaŋɡa, ˈpʰunda]

は?

これはとんでもないのが出てきましたね...。なにこれ?

マジでなにこれ?(驚愕) 
そういえば、これを教えてくれた友人、修士課程の途中で急に大学院をやめて就職してしまったんですよね。元気にしているといいのですが。

博論審査の心得(2021/10/06)

予備審査後の下書きです。

とにかく博士論文を直しています。修正するところはどちらかといえば周辺的なことばかりで、例えばここにまとめをつけろとか、声調の表記方法をもう少し工夫しろとか、そんなのが多いです。Youtubeで博士論文審査の話を調べてみると、酷評だったとか無理難題が飛んでくるとかそういうのがたくさん出てきたので戦々恐々としていたのですが、運が良かったみたいですね。

でも、何かあったら全部指導教員のせいにしろってのは至言だと思いました。博士生活はメンタルが一番大切な感じがします。それ以外はガチャ要素が多い…ですよね。学振ガチャ、指導教員ガチャ、研究テーマガチャ、コネガチャ…。特に徒弟制度的な雰囲気が強い分野を選んでしまうと本当にきついと思います。どの分野とは言わないですが。

流れ的に今なら言えますね。ここで念頭に置いていたのはインド学です。

あと言語学の場合には対象言語や分野次第で大分雰囲気が違うぞ!あと学会で一人しか研究してない言語があるとかもザラだぞ!(日本言語学会のごちゃ混ぜ感…)

科研費って入れ歯に使えるんですかね?ちょっと[ここで下書きが途切れる]

最後の一行が唐突すぎて笑いました。もしかしたら入れ歯に支出した人がいたのかもしれません。

大理の夜空の思い出(2021/03/03)

いい思い出なのですが、あんまり文字数が稼げなかったので没になったものと思われます。

田舎だと夜空くらいしか見るものがないので、月が明るいと日課の走り込みも多少気分がいい。

夜空といえば、留学中の辛い時期に月を見てリアル阿倍仲麻呂状態になった経験がある。あれがおそらく最悪の月の記憶だろう。マジで死ぬかと思ったことが数回あったが、留学も悪い思い出の生々しさが薄れた現在ではいい思い出になった。いつコロナが落ち着くかわからないけれども、これから留学する人には、あからさまな差別がなくても何かあったら異分子が一番最初に疑われるということと、たとえクレジットカード等があったとしても現金を確保する手段は用意しておいた方がいい、とだけ言っておく。

一方、人生で一番綺麗だと思った夜空は、中国旅行に行った時に大理で午前3時に見た月だ。寝台車が夜更け過ぎに駅に到着して、ホテルに移動する途中で眺めたのだが、初めて経験する標高2000メートルの土地で、手を伸ばせば届くんじゃないかというくらいに星々が近く感じた感動は今でも忘れられない。今でも将来的にお金ができたら同じ雲南省の麗江あたりで一部屋買って別荘にしたいとさえ思っている(大理って悲しいけどちょっと田舎すぎるのよね)。

大山の独断と偏見による、語学の学習難度一覧(2020/11/16)

やったことのある言語だと現代ペルシア語が一番苦手です。その次は多分チベット語ですね。

たまにnoteで見かける「マルチリンガル」って何ぞや?と思って調べてみると、複数言語ができる人のことらしい。「言語ができる」って何やねんとかツッコミどころは色々あるけれども、今回はそれに便乗して、わたしがこれまでに勉強したことがある言語の印象を語ってみることにする。ずいぶん色々とやったので書き忘れもあるかもしれない。

まず前提として、授業で勉強したことがあるor教科書を一周以上したことがあるorある程度の文章を訳したことがある、に絞る。社会不安障害(社交不安障害)というのを抱えているせいで会話の練習はほとんどしないので、ぶっちゃけある程度喋れるのは日英中露立+αくらいしかない。他はお店で注文まではできるけど返事が聞き取れないとかいうのも多い。独仏は研究でよく使うけど専門用語を覚えてゴリ押ししてるだけなので何とも言えない。google翻訳とかDeepLにぶち込むのもよくやる。新聞とかは多分辞書がないと読めない。要するに一部を除いてはそんなに詳しく勉強しているわけではない。

というわけで、個人的に感じた学習難易度(学習環境含む)を★×1から5までの五段階評価で書いて、ついでにやってみた感想を一言二言ずつ述べていく形式にする。順番は適当で。

インド・ヨーロッパ語族:要するに主にインド、イラン、ヨーロッパに分布する言語。

ざっくりしすぎだろ。

英語(★):高校のときは大好きだったしよく勉強した。言語に興味をもつきっかけだったんだけれども、大学に入ってから授業で「グローバル化グローバル化!」みたいな押し付けを喰らったせいで急速に嫌いになった。今では一番嫌いな外国語である。be動詞とか擬古文を除けばほぼ動詞の人称活用が三人称単数現在形しかないとか他の言語ではあまり見ない特徴もあるので、英語を基準に他の外国語を見るとだいぶ偏った見方になりそう。

ドイツ語(★):昔の論文はほとんどドイツ語なのでしょっちゅう読まされるのだが、語順が面倒だなというのが印象①で、冠詞と形容詞が両方ついた時の活用とか面倒だなというのが印象②。全部に同じ語尾つけとけばいいじゃん!といつも思ってる。この辺は詳しい人が他にいるだろうから別に素人のわたしがここでいろいろ書く必要もないんじゃないだろうか。

フランス語(★):これも昔の論文を読むのに必要になる。「フランス語は明晰!」とかよく聞くけど、二外ロシア語勢としては格がないせいで単語同士の関係がわかりづらくて読みづらい!普通に難しい部類だと思うけど学習環境が良すぎるせいで霞んでる。あと、わたしの周りのフランス留学行った人みんなフランスかぶれになって帰ってくるのなんでなん?わたしの周りだけ?他の国の留学経験者と比べて異質だと思う。

ルーマニア語(★★):たまにスラヴ語と勘違いされるけど全然そんなことはない。ちょっと借用語があるなっていう印象を与えるくらい。日本語の入門書があるので学習難度はまだまだ低い。

ラテン語(★★★):奪格多すぎない?というのが第一印象。複数の格を吸収しているという歴史的な理由はもちろんあるんだけど、奪格だけでちょっとお腹いっぱいになる。インド・ヨーロッパ語としては標準的な屈折をするし学習環境もいいのでちょっと低めに査定したけど、奪格とか完了形とか面倒なところも多い、ということで私は古典御三家(希羅梵)の中ではこれが一番苦手。

(古典)ギリシア語(★★★)本当は★五つが妥当なんだけど学習環境がいいので減点してある。

サンスクリット語(★★★)

パーリ語(★★★)

マハーラーシュトリー語(★★★★)

ヒンディー語(★★)

ベンガル語(★★★)

スィンディー語(★★★★★)

カシミール語(★★★★)

アヴェスター語(★★★★★)

(現代)ペルシア語(★★★★★★★★★★):五段階と言ったな。あれは嘘だ。

古典アルメニア語(★★★)

ひとつひとつ書くのが面倒すぎて早々に書くのに飽きました。スラヴにすら辿り着いてないですね。

「イクラ」=「肝」のお話(2020/06/17)

某先生のお下がりの辞書の紹介がてら、と言う感じの記事だったと思われます。

分野別に色々な単語が載っているのですが、今回は4.45の「肝臓」という単語を見てみましょうか。

印欧祖語では「肝臓」という単語は*i̯ekʷ-r/n-という形で再建されます。「再建される」というのは、文字資料は残っていないけれどもこういう形であったと推定される、というくらいの意味です。再建するときにはすでに確立された方法論にしたがってやるので、根拠のないものというわけではありませんが、ファンタジーの領域に片足突っ込んでいるのは事実ですね。サンスクリットのyákr̥t(यकृत्)とか、ギリシア語のhē̃par(ἧπαρ)とかを比較すると、サンスクリット k ー ギリシア語 pという対応を生み出すのは印欧祖語の*kʷだから真ん中の子音は*kʷでいいよなとか、そういうやり方で推論していくわけです。*-r/n-というのは格によってrとnが交替するということです。

これ以上書くのが面倒だったので以下の記事にちょこちょこっと書いて残りは全部没になりました。

補足:時系列

この期間ですが、大山の人生はこんな感じでした。

2020年1月末 留学から帰国
そのままコロナ禍に突入し、在宅で博論の手直しに専念

2021年 年明け 突如として方法論に凝り始め、一章分追加(30ページくらい)

4月20日頃 予備論文提出

予備論文


5月頃~7月 就職活動(割とすぐに決まる)

7月20日頃 予備論文審査

11月 本論文提出

本論文

1月27日 本論文審査
3月24日 博士号取得

以降、ビザ取得のために四苦八苦
9月21日 ようやく中国渡航

10月4日 1ヶ月遅れで授業開始
10月24日~11月下旬 コロナの影響で学校から出られなくなる

という感じでした。

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