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お約束では済まされない

異世界転生で始まるアニメも全般的に苦手だ。現実世界で挫折を味わった主人公が何かのきっかけでまったく別の世界に生まれ変わり、新しい人生を経験していく。アニメというか原作のラノベ界隈で流行っているのだろう。

ワンパターンだとは思うが、それ自体は古くからある魅力的な導入手法だし、類似作品が多いことは個々の責任ではない。虐げられてきた主人公が成功を掴む展開も物語としては王道中の王道といえる。

問題は転生した先の世界だ。

異世界と言うからには現実と異なるルールがある。同じなら転生させる意味がない。そこに作品ごとの個性が発揮されるわけだが、申し合わせたかのようにゲーム風の世界観が採用されている。

僕もゲームは好きだから親和性が高そうに見える。能力が数値化されていたり、レベルが上がってスキルや魔法を習得したりすることに違和感はない。が、一般的なルール以外に作品固有のローカルルールを覚える必要がある。

瀕死のヒロインに回復魔法が効かない理由をちゃんと理解しなければならない。これはただの傷じゃなくて呪いだからという説明で納得できるくらいまでシステムに精通しないと、以降の展開が数字の羅列に思えてしまう。

実際のゲームなら戦闘とストーリーは別物として捉えているから気にならないんだけどね。