見出し画像

014.おじさんが若い頃にした苦労なんて今の若者には不要かもしれない話

(1103文字 3スクロール)
ふと思い出した3年ほど前の話を。

とある老舗上場企業に会計士の立場で出入りしていたころのことです。

 連結子会社を何社か抱えるそれなりの規模の会社であるにもかかわらず、当時50代男性2名と、20代前半の男性1名の3人体制で、日常の経理から連結開示書類まで作成していました。
 四半期ごとに会社に寝泊まりするほどの業務量だったようです。

 そんな決算時期のある日、経理部屋にお邪魔すると、20代若者の机の上にはとんでもない量の紙資料が積み上がり、上から順番に1枚1枚紙をめくりながら電卓を叩いていました。

「すごい量ですね。これ全部電卓叩いて合計するんですか?」

と尋ねたところ、50代男性の1人がすかさず横から

「こんなもん私の若い頃に比べたら少ない方ですよー。こいつは苦労してなさすぎですわ、ははは」

と。

その資料とは、各営業店から郵送かFAXで送られてくる、同一フォーマットに入力された売上報告。

噓でしょ。

同一フォーマットなんですよね?
各営業所ってPCありますよね?
ボタン1つ押せば取り込めるようにできるんじゃないの?笑

 確かにPCのない時代は電卓を叩くことが経理の主な仕事の一つだったかもしれませんが、最近は電卓を叩かなくても経理仕事ってほぼできちゃう気がするんですよね。

きっついな、と。
そりゃ決算ごとに会社に寝泊まりしないといけないよな。

 私はめんどくさいことが嫌いです。
 ゴールの100にたどり着くために、いきなり歩を進めるよりも、しばらく0~2の地点でウロウロして、何か楽な方法はないか考え、例えば50を2回重ねる方法でゴールをする方が好みです。
 そうすれば次回以降私の一歩は少なくとも50です。

特に最近はそれが出来るツールも非常に充実してきています。

せめて、

「俺の時代は電卓で叩くしかなかったけど、今は俺の作ったマクロでボタン一つだもんな。いい時代になったな、お疲れさん!」

と定時で帰ってもらえるようなおじさん上司を目指したいものです。

◆ひとこと税務会計◆

上段の内容のついでに。
 そういえば監査法人での仕事でも同じだったように感じます。
 いきなり調書の頭から数字を入力し始めて、期限ギリギリになって資料が足りず検討出来てませんだの、聞けてませんだの。
 仕事を期日までに終えられない人に限って、まず手を動かしに行く気がします。
 じっと、与えられた任務のうちで、何を求められているのか、何を検討する必要があるのか、不足している知識は何か、不足している資料は無いか、経理の対応に時間がかかりそうなのはどこかなど、まず全体を見渡すことから始める会計士は、結果として仕事が早く終わります。

ま、どんな仕事でもそうか。。。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?