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017.所内ルール編-謝るのを禁止にしてよかった話

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 会計事務所を開業して2年ほど経過した約4年前、スタッフを1名採用しました。

 一人でのんびりやればいいや、と開業当初は思っていましたが、やはりデータ入力などの事務作業は誰かにパスして、より頭脳を使う付加価値の高い業務に時間を注ぎたくなりました。
 なんて言えば聞こえがいいですが、
『単に事務作業が嫌になった』
ということが主な理由だったのは認めます。

 採用したスタッフは、当初から丁寧な仕事ぶりで非常に助かってはいたのですが、最初の半年ほど、少し悪い癖がありました。

「申し訳ありません。」
「まだできてないです、すみません。」

 何か確認するとすぐ謝ってしまうので、会話がそこで終わってしまうんです。(単にもう話したくない可能性もゼロではないですが笑)

 別に叱ってるとか私が高圧的だというわけじゃなくて(と信じたい)、
「データ送信できてる?」
とか
「入力ってどこまでいけてる?」
などの事実確認に対しての回答です。
 それではコミュニケーションが前に進みません。

そこで、事務所内で謝るのを禁止にしてみない?と提案してみました。

 すると、だんだん
「送信出来てる?」
の返答には
「今〇〇の作業をしているので、これのキリがついてからやる予定です。」
になりましたし、
「入力どこまで?」
の返答には、
「▲▲の仕訳で考えてしまったので少し時間がかかったのですが、明日には終わる予定です。」
と、今置かれている現状と、自分のスケジュール感を伝えることが出来るようになってきました。

 また、仮に謝罪の理由がスタッフのミスだったとしても、ミスをするような体制にしていた上司の責任だと考えている(サラリーマン時代に小さなことですぐ怒鳴る上司にはいつも思っていました。アメーバピグで遊んでる画面開きながら大した指導もしないのに何を新人に怒鳴ることがあるんだ、と。)ので、謝罪は不要です。
 むしろスタッフにミスが生じるような不備のある体制にしていた私の責任で、謝罪すべきは私です。

 ミスをした理由を知るいい機会となるので、その理由を確認してすぐに所内のチェックリストのメンテナンスを行い、次回ではそのポイントがスルーされないようにします。

 多分ですけど、謝って会話を終えてしまう方が実は楽で、かつ「あーあ、なんか叱られたな、謝らされたな」と負の感情だけが残る気がします。
 謝らない方が、理由を説明させられるので大変ですよね。
 頭を使わなければいけません。
 (そういう意味では、怒鳴って謝らせて悦に浸っている上司の方がむしろ優しいまであるかも。)

 それでも私は謝らせません!
 適切な意思疎通と、予期せぬ体制の不備を早期発見するために。

◆ひとこと税務会計◆

前回の種類株式の話の小ネタ。

例えば子供が普通株式を99株、自分が拒否権付株式を1株持って会社を設立した場合。
会社の利益をどんどん増やしても、増加する資産の99%は子供へ行くので、将来の相続税を気にせず気持ちよく稼ぐことができます。
しかも1株拒否権だけ握りしめておけば、子供に勝手に会社財産を売られたり、望まない役員の選任解任を避けられます。
また、拒否権付株式と普通株式で財産評価額は同じです。






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