新しいアイデアや視点を生み出すためには、しばしば一人で考える必要があると思います。AIの能力も確かに進化していますが、根本が過去情報の集積からか、それもやはり物足りない。そのため、何かを生み出そうとするとき、自分に向き合う時間を取ることが必要なのですが、そう言うと「それが難しい」と言われそうです。

その難しさは現代社会があまり多忙だからという見方もできます。しかし、年齢を重ねて思うことの一つですが、一人で物事を考えられない人が意外に多いように感じます。そして、他人の考えを盗み、自分で考えたかのように振舞う人も少なくありません。年齢問わず、右から左へ情報を流すことだけが上手な人が多く、じっくりと立ち止まり考えることは苦手になっているのではないかと思います。

一人で時間をかけて考えるということは、前にも書いたと思いますが、コスパが悪いと思われて、避けられる傾向にあります。結果・成果主義であれば、なおさら結果が伴わないかもしれない行為はリスクでしょう。しかし、そのことがなければ何も始まらないとも思います。「新しさ」も生み出せません。社会全体がやせ細っている原因の一つは、一人でじっくり考える時間を取れないことなのかもしれません。