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【実践編】CHRO(最高人事責任者)には覚悟がいる

 ここ近年、戦略人事というワードがよく出てきます。そしてCHRO(最高人事責任者)。
 この戦略人事とCHRO、日本の人事部調査で約90%の会社が戦略人事の必要性を感じているが機能していると答えた会社は約4%という結果が出ています。
 では、なぜ機能しないのか?
 それは、戦略人事をこなせるCHROの要件が非常に高いからだと考えます。CHROは、会社というものに対する解像度が高く、会社の現状を打破するチェンジエージェントの役割を果たし、数字や多くの部下を持っている事業部長たちのプレッシャーや苦悩に対する深い理解(心象風景)からの提言もでき、従業員に対する社内の影響力を発揮する為、個々の特性を掴んだ人間観察力やその観察をもとにしたアドバイス・声かけからくる細かな信頼力も必要だからです。
 非常に高いリーダーシップや社内に対する影響力、戦略を担う事業部長達や従業員達からの信頼(握り)を持って会社が次のステージに向かう際に変革をリードする役割を担う。それが戦略人事を司るCHROであると考えます。
 だから、人事まわりの管理業務、労務対応が出来たとしても、それは言ってしまえば外部委託で対応できますし、近未来、AIでカバーできるであろう領域であり、戦略人事的領域ではないのです。
 採用計画や人事制度設計も会社のビジョンや事業ドメイン、基本戦略の理解がないとそもそも良いものは作れません。
 CHROは、会社の目指す未来を見定め、個の力を高め、その個からなる組織の能力を高め、その高めた個や組織を持って全社の事業戦略を達成させるというストーリーをイメージできないと成り立たないのです。
 そこには、経営者目線であったり、ビジネスに対する成功失敗の経験であったり、ヒトに対する飽くなき情熱・興味・関心が必要であると考えています。
 そしてそれは企業文化を作っていくことに繋がります。会社はヒトの集まりであり、その集まりに対してどのようにタクトを振っていくのか?そしてそのヒト達がどのような文化を作っていくのか?ヒト(人材)というそれは奥深いもののパートは、CHROという指揮者の覚悟にかかっているのです。


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