見出し画像

未経験でデザイナーになるために、数十万の授業料を払うのは無駄という話

世はまさに大デザイン時代。

在宅で出来て、個のスキルなのでフリーランスでも稼げて、需要が高くて、なんだかかっこいい、、、そんなイメージで未経験から挑戦する人が増えているみたいです。
実際にMENTAというサービスで、デザインのスキルアップを目的としたメンターをやっていますが月10,000円でも溢れるくらいの応募があります。

そして、そんなデザイナーになりたい未経験者を狙って何十万も請求する学習サービスが増えています。「デザイナー未経験から月〇〇万稼げる!」みたいなあれです。


しかし、多くの人は稼げずに高い授業料だけ払って挫折するでしょう。(なぜ人はN=1の美味しい話に騙されてしまるのか)

私は、デザイン未経験者がデザインを学習するために払ってもいい妥当な金額は月5,000円〜月30,000円くらいだと考えています。

なぜか?
結論を先に言うと
・デザインの上達にはデザインが好き、もしくは得意な必要がある
・デザインが好きかどうかは、ピアノ教室を習う程度の月謝を払えば判断できる
からです。

ここから先は順を追って説明します。

1. デザインは身体スキルである

表現デザイン(特にWEBデザインやUIデザインのデザイン)のスキルはあくまで身体スキルです。つまり、ピアノの演奏スキルやデッサン、サッカーなどと同じです。

鍵盤や鉛筆やボールが、マウスとディスプレイに変わっただけでスキルの上達の方法も全く同じです。自分の頭で考えながら反復練習を行い、プロや先生にフィードバックをもらうのが1番の上達方法です。

いま話題のChatGPTも同じことを返答してくれました。


2. 身体スキルの上達方法

ピアノが上手くなるために音楽理論をどれだけ詳しくなろうが、ピアノを上手に弾くことはできません。クラシックを気が遠くなるまで何回も弾き続けることで、ピアノは上達していきます。

デッサンが上手くなるためには、静物や石膏を描き続けるしかないですし、サッカーが上手くなるためには練習するしかないでしょう。

表現デザインも上達方法はピアノやデッサンと同じです。
今のトレンドに合ったクオリティの高いWEBサイトやUIデザインを何十回と模写し、オリジナル化までやってみる。そのプロセスをプロのデザイナーがフィードバックすることで着実に上達していきます。

3. 結論

ここで最初の、デザイン未経験で数十万の授業料を払うのは無駄という結論にたどりつきます。
この上達方法はピアノや絵を描くこと好きか、もしくは得意でないと続けることは困難です。また、好き・得意を判断するには、ピアノ教室の先生やプロからフィードバックを受けて、自分自身のWIllやCanを客観視する体験が必要です。

結論として
・デザインの上達にはデザインが好きか、もしくは得意な必要がある
・デザインが好き・得意かどうかは、ピアノ教室を習う程度の月謝を払えば判断できる
ということになります。

最後に

なぜデザイン学習は高額な授業料を払わせるサービスやコミュニティーが横行しているのでしょうか?それは、ピアノやデッサン、サッカーよりもデザインの方が社会性が高いと思われているから。つまり、簡単に稼ぐことができると盲目的に信じさせられているからです。

しかし、身体スキルは社会性の前に好きかどうかが本当に大切です。円楽師匠が伊集院さんに送った言葉を引用しておきます。

自分が時間を忘れてやってしまうような好きなことに、少しの社会性を持たせるとこの商売は食っていける

あちこちオードリー

さらに、デザイン未経験者に教えることが出来るデザイナーが少ないことも課題だと思います。正直、強いデザイナーは月10,000円程度でデザインを教えるくらいなら副業したほうが30倍は稼げます。
私が強いかどうかは置いておいて、

  • いいデザインが作れるデザイナーを一人でも増やしたい

  • メンターの経験から学びを得て本業に活かしたい

という考えで実験的にMENTAでメンターをやっています。こんな変人は稀なので、デザインスキル向上に本当にコミットできるメンターを増やすのは難しいのかなと思っています。

ただ、副業で2年近く15名程度のメンティーさんのメンターをやっている経験がありますし、スキル向上のためのロードマップや効率的な仕組みも開発しています。
デザインメンターを育てるサービスを作ってデザインを民主化できれば、もっといいデザイナーが日本に増えてJust for funな世界になっていくかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?