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大原麗子といえば…

 大原麗子さん生誕75周年――だそうな。

 記事でも触れられているとおり、ウィスキーのCMで「すこし愛してなが~く愛して」と言ってた和服姿を覚えている人が、特に40代後半以上の世代には多いかもしれない。自分が思い出すのは、寅さんシリーズでマドンナ役を務めた作品、第34作『男はつらいよ 寅次郎真実一路』だ。

 米倉斉加年演じるエリート証券マンの妻。あるとき緊張の糸が切れ失踪してしまった夫を、寅さんも付き添って探す旅に出るが見つけられず。

 紆余曲折あり、晴れて(寅さんにとっては胸中複雑?)帰宅した夫に、胸をたたいて泣き崩れるシーン。

 リバイバル上映を鑑賞したんだったか、テレビ放送での視聴だったか。見たのは、学生の頃だったと記憶しているが…親と同世代の女優さん(調べると、公開時37歳)ながら、美しさと、なんともいえない色気を感じた記憶がよみがえる。

 同時に思い出したのが――

 ▲ちょっと前に見たこの記事▼。

 しぐさや表情でどういう感情を抱いているシーンなのか、きちんと作りこまれた作品であれば、セリフで"説明"されなくても感じとれるものと思っていたが…

 心配させられた夫を責める気持ちと、無事に帰ってきてくれたことへの心からの安堵を表現した大原麗子の演技。自分の中で印象に残るこのシーンも、いまだったら「セリフですべてを説明する」こと、「わかりやすく」することが求められてしまう(なんで泣いてんだかかわからない、みたいに思う人もいる?)、ということなのだろうか。

 なんとなく気になって、以前録ったビデオ(DVD)を見返した。

 少し遅れて出てきた小学生の息子が「どこ行ってたんだよ。ママ泣いてたんだぞ~」と"説明"をしていた。

 ついでに…

おばちゃん、そうやってズルズルズルズル、いつまでも茶漬け食ってんじゃないよ。口ん中でうんこになりますよ。

 なんて言ってる別のシーンのなつかしいセリフも聞いて、ちょっと笑ってしまった。


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