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ネガティブな感情を過去系にしてみる。

その日はリコーダーのテストだった。
ちなみにアルトリコーダー。
私は「井上」なので名前の順番は5番目。
一人一人が前に出て、楽譜を見ずに先生のピアノに合わせてアルトリコーダーを吹くのだ。

刻一刻と順番が迫ってくる。

ところが私はアルトリコーダーが吹けない。
しかも楽譜も読めない。
かろうじてこれは「ド」であるとわかっても、アルトリコーダーのどこを抑えれば「ド」の音になるのかわからない。暗記しないといけないのだが楽譜がまったく覚えられなかった。

焦ってどんどんと手が震えてくる。
喉もカラカラだ。
手の汗を何度もスカートで拭った。
私の前の伊藤さんは完璧に吹いている。
しかもなんだ、この曲はなんだ。
初めて聞いた曲だ。

その曲の間奏部分に差し掛かった時、突然、関口メンディが登場し踊り出した。それはもうキレッキレに。教室中からライブ会場のような歓声があがった。そして私はそのメンディが踊ってる横に立ち、とある言葉を言わなければいけなかった。何故なら演劇部だから。なんの曲かもわからないし、どのタイミングで言うのかもわからなかった。でもハッキリとどの言葉を言うかだけはわかった。
一か八か、私は大きな声で叫んだ。


「メンディのメロディ!!!!!」


拍手が起こった。

合ってる…!
タイミング合ってる…!

胸をなでおろした私にキレキレで踊っているメンディがアイコンタクトをしてきた。
私も乱れた呼吸を整えながらニコッと微笑みを返したのだった。




という夢を見ました。
たまに私はこういう夢を見てはうなされて、寝た気がしないことがあります。例えば舞台の本番中に役を変えられて急いでセリフを暗記しないといけないとか、知らない曲を歌わなければいけないとか、そういう類の夢です。

夢でよかったと毎度ホッとしますが、疲れますよね。
夫にこういう夢を見たという話しをしたら、「メンディはなんで出てきたんだ」と笑っていました。それは私にもわかりません。

夢って本当に不思議で妙にリアルなこともあるし、なんでこの人が出てくるのだろう?ってこともある。私は3次元なのに相手は2次元なんてこともあります。自分にとって都合の良い夢が毎日見れたらいいのにと思うけど、そうもいきませんね。(とほほ)



先日、会社を辞めた先輩から連絡がきて、「在籍中は会社の人の夢なんて見なかったのに、最近夢に出てくるんだ。きっと会社にいたことが思い出に変わっていってるんだろうね。」と言われました。

なるほどなぁ、思ったのです。

その先輩は会社の方針と折り合いがつかず、ずっと考え続けていたけれど結局辞める道を選択しました。辞めることを会社に伝えた時は涙が止まらなかったと言います。


その時にふと、この間読んだ本で「物事は過去にしてしまうと良い」と書いてあったのを思い出しました。人や物事に対して出てくる愚痴や悪口等のネガティブな感情ってありますよね。
ふざけんな!とか、あいつ許さない!とか、ひどい!とか、誰もわかってくれない!とか。

もしかしたらそのネガティブな感情が自分に向く人もいるかもしれません。
「私はバカだ…」とか「私なんて価値がない…」とか。

「今」を生きてる私たちにとって考えなくちゃいけないことって本当にたくさんあって、そういうネガティブな感情に向き合おうとすると潰れそうになる。

そんな時は物事を過去にしてしまって、自分と感情の間に距離をとると良いのだそう。例えば、「ふざけんな!と、思った」とか、「私はバカだと、感じた」みたいなことです。

過去形にすることによって「あの時の気持ち」になり、『なんでバカだと「思った」のかな?』という問いに繋がっていく。そうやって自分の問いに答えていくと、第三者的な目線で自分のことが考えられるようになっていくのだそうです。



ネガティブな感情は真っ向から向き合おうとせず、しっかりと距離をとって。
辛いことから逃げるのではなく、過去にしてしまう。
「ああ、私ってこういうことが嫌だったのね」って少しずつ自分のことを知っていきたい。
焦らずに、人生を通して、自分のやりたいことや、好きなことを見つけられたいいなぁと思うのです。



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