見出し画像

高校「倫理」

高校「地歴公民」分野で、私が選択した科目は「倫理」である。
当時は大した考えもなしに選択したのだが、後から、この科目を履修できる高校は非常に少ないことがわかった。「倫理」という科目名自体を知らない人が多いのだ。

倫理 (科目) - Wikipedia

現在、公民分野は、公共(現代社会)、政治経済、倫理からなる。
「公共」と「政治経済」は、新聞を読んでいればほとんど正解できてしまうのでむしろつまらないのだが、「倫理」はちょっと違う。
「倫理」は、世界中の哲学、宗教、思想を概観していく科目なので、いくぶん、意識的に勉強しないといけない。

小中学校の「道徳」が、善悪を教えていて、説教臭くて嫌だったのに対して、高校「倫理」では、善悪判定をしない。
「倫理」の試験とは、知ってるか知ってないか、知識のあるなしを問うだけであり、正誤判定のみである。善悪判定はしない。

思想に関するテクニカルタームを知るのも非常に役立つ。

「ポピュリズム」とか書いてあっても、なんだかよくわからないんだが、ソクラテスを知っていると、民主主義の腐敗という文脈で理解できる。

私は電車通学をしていて、電車の中では、倫理資料集を読んでいた。山川出版の倫理資料集は読み物として読める。楽しい。そんな感じで勉強していたので、「倫理・政治経済」のセンター試験は、対策なしで、いつも満点だった。

穴埋めの「倫理」など哲学ではないから、哲学理解のためには、むしろ教えない方がいいなどと哲学方面の人が書いているのだが、スノッブすぎる見解だろう。高校「倫理」は哲学のためにあるんじゃない。古今東西の思想史を知るためにあるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?