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日々一切過ぎゆく

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希望を抱いたり、絶望したり、はたまた気づけば終わる日もあったりしますが、そんな日々で感じたことを書いています。
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#日常

豊かに暮らしたい。だから普通や日常を愛でる。

ついこの前は朝晩の冷え込みを感じ、そろそろ毛布を出そうかと思っていた。それなのに今は曇り空が増え、じめじめとした日が続く。梅雨がもう目の前まで近づいて来ている。 「光陰矢の如し」とはまさにこのことだ。以前書いたnoteから気づけば7ヶ月もnoteを書いていなかった。「書きます」詐欺をこの期間で何度やっただろうか。「継続は力なり」というが昔から継続が苦手な性分なのでこういう状況は慣れっこである。反省するどころか開き直ってしまっているので救いようがないなと本人も思っている。頑張

書き手として、兄弟を受け入れることにした

一時期に比べて文章を書かなくなった。単純に忙しくてそれどころではないというのが大きな理由だ。 いつもならここからもう考えない。特段考える理由もない。 悲しいことに労働が前提の社会なのだから「忙しい」その一言ですべてが片付く。みんな大好き不労所得がほしいよお母さん。 そう、僕は忙しいのだ。でも今日は魔が差した。 ****** 目の前がくすんだ色で覆われている。世の中的にはきっとベージュという色に分類されるのだろうけど、そんないいものでもない気がする。だってトイレの壁だも

とある「なにもしない」の大天才

今日も四足歩行でたったったと歩く彼女は日々変わりゆく天気の変化を教えてくれる。 毛布や布団の上で寝るのをやめた。床でへそ天して転がる。とにもかくにもお腹を天に向ける。めちゃくちゃ伸びて床に落ちてる。 暑さに加えて、湿気が空気中に存在していると不快感を感じるのは人間と同じらしい。人間はその気になれば、全裸になって涼むことができる(場所は選びましょう)。 生まれた時から毛皮を持つ生き物なりに、ありとあらゆる工夫をして不快な気候と折り合いをつけているんだろう。 ******

夢とか希望とか未来とかはどこかに消えて

161.3 尖っていない鉛筆で書かれている。その数字は書いたというより、木の表面をえぐったと表現したほうがいいように思える。立ったままの姿勢で柱に刻んだからだろうか、その数字はとても不恰好だ。普段はそんなところに、そんな姿勢で文字を書くことなんてないのだから無理もない。 たくさんの数字がこの柱には刻まれている。 158.8 152.2 149.1 161.3と似たような数字がいくつも刻まれている。柱の下の方に目をやると、上の方の文字と比べてほんの少しだけ薄くなっている

「乾杯」と言える頃に、また会いましょう

カウンターには人が溢れている。部下に自分語りをするサラリーマン、ワイドショーで仕入れたネタで盛り上がる初老の男性、友達と彼氏の愚痴を言い合う女性たち。 それを見ながら酒を飲む僕。いつもの光景だった。ありふれた日常の一部分でしかなかった。ありふれた日常は、どこか遠くへ行ってしまった。 頼むから帰ってきてくれないか?いや出て行った妻に懇願する離婚寸前の夫みたいだけど、本気で言ってるんだよ。 ***** フグが上下反転したまま、水槽の底に沈んでいる。エラは動いているからかろ